SmartCalibrationProbeの基礎実験用に、3年前に組み立てた6分力計を組みなおしました。これを被測定物として、SCPで荷重して、SCPシステムを開発していきます。中華ロードセルとESP32のESP-NOWと中国製品にお世話になっています。あと10年もすると中国製ですべて塗り替えられてしまって日本製品なんか残ってないんじゃないでしょうか。
2kgの中華ゲージ何十個も仕入れてあるのですが、半分近く壊れてしまって十数個しか生き残ってません。
がらくた箱から出してきて、板金具と組み合わせて3年前に組み立てた3分力フォースプレート上に3分力センサを接続しました。
メリット:自作ロードセルではないので、クロストークが小さい
デメリット:剛性がないので1kg程度しか負荷できない
これはMFT2017に出展したのですが、制作記録の記事が
ハッカーにあって全部消失してしまったので、当時の記録が
ないので、どのくらいの分力特性があったか忘れてしまいました。
今回ゼロから、校正をするので、ちょうどよかったです。
●構造
上の3本がFxFyFzの3分力
下の3本がFz,Mx,Myの3分力
Fzがダブって、Mzがないので5分力となります。
Mzは中華ロードセルで組むのが大変なので今回はなしです。
FxFyFzは 3本を違う方向に直列に接合してあります
下のフォースプレートは3本のロードセルで支えてます。
Fz、Mx、Myの3分力が測定できますが、バランスがねじの締め付けで
変わるので、ねじ締めを管理しておかないと狂います。
●錘を載せて校正してみた
上3本が3分力FxFyFz
下3本がフォースプレートFP1,FP2,FP3で
合成してFz,Mx,Myをだします。
校正計算では、ほぼ0.998以上で全センサの直線性がでてました。Fz荷重でFxFyのクロストークがみられますが、2kgのロードセルがクロストークでやすい点と正確な直行角度がでてないからです。
●SCPのシステムは、ESP-NOWで組む
プローブで手押しなので常に数十gfは変動してます。
プローブ荷重と被測定物の5分力計のレスポンスが同期してないと動的相関がずれてしまうので、PCを母艦としてPC付きのM5Atomから一斉にブロードキャストして測定タイミングを数msecまで揃えます。
※追記2020年10月20日
その後、SCPシステムプログラム開発で2か月以上かかってしまいました。
10月中旬から、SCP多分力校正実験を再開してます。SCPシステムのリアルタイムモニターが抜群の生産性で今まで1回数十分もかけて校正していたのが、リアルタイムで錘を乗せ終わった瞬間に完了してしまいます。
◎校正作業は、荷重をどのように発生させて、正確なベクトルで負荷しなければいけないのですが、その準備作業が半端なく大変で、治具を設計製作したり荷重台も制作しなければいけないという大きな課題があったのですが
=>6軸のSCPを被測定物に固定して荷重は手で押すとか適当に静荷重加えれば、与えられた6分力がわかるので多軸同時校正が可能になります。そのために、6軸SCP作りとシステムプログラムを開発してます。開発に6か月かかったとしても、将来にわたって、力のセンシング開発をしていくので十分効率の良い開発テーマとなっていると思います。
SCPも当初は、1軸+IMU、3軸+IMU、から6軸SCPに変化してきてます。結局6分力か5分力が必要です。
6軸センサは、2019年に作ったものに改良を加えて精度がでないFzを秋月の20kgのロードセルを使ってます。
今まで最高の精度がでてる作品ですが、出番がなかったのですが、SCP校正システムとして再登場できてよかったです。
①丸棒型6分力センサの校正SCPではじめました。
座標とベクトルの方向をあわせることです。
右手法則に従ってきちんとやっておかないと干渉補正できません。
②Fz荷重でMxMyが発生しますが、3分力の干渉補正をして、フォースプレートとして精度計算してみました。
錘を乗せて位置精度確認してみましたが、計算通りの誤差範囲に収まってました。
X方向±2mmY方向±4mmくらいでおさまってます。Fz精度は±10g以内です。
システムは、使いながら日々改良を進めてます。