【PMD2018】基礎学習2回目<HX711とロードセル接続>

信州MAKERSでは、力を測定するためにひずみゲージ応用の6分力計等力センサを自作してます。
信州MAKERSでは、力変換機として4ゲージブリッジを基本に使ってます。1ゲージ、2ゲージ法で応力測定する場合は、ノイズと温度補償が非常に難しくなるので、自作の世界では困難です。専門メーカーの計測機器を使うことをお勧めします。
アナログですが、東京測器研究所さんの入門用ひずみアンプセットなら1万円以下で購入できます。これは、ひずみゲージ技術の基礎学習用キットですので、本格的にひずみゲージを使っていく方向きです。特に、応力測定など1ゲージ、2ゲージ法を使いたい方用です。

※2021年8月末追記 本記事3年前の古い内容なので更新いたしました
<HX711は、多くのユーザーが
ハマってしまうみたいなので、お勧めしないことにしました。>
お仕事とか研究とかデータに信頼性を求める用途でHX711を使う事は、採用した人の責任問題になりますので、使わないほうが身のためです。下記高性能ADCチップを自作するか、ひずみゲージ専用のアンプを購入するかしてお仕事、研究に使うのが正しい選択です。
※————————2022年4月追記———————————
継続的に電子工作に向いているひずみゲージ用アンプを探索してます。
下記ページに見つけたアンプ追加してます。

【12月29日】ロードセル<変換モジュールHX711代替えアンプ探し>



●1CHから8chまでの用途別のひずみゲージアンプのご紹介

低ノイズΣデルタ型のデジタルアンプを使うのが一般的です。
信州MAKERSでは、
1,2Ch小型手頃な用途:TEXAS  ADS122U04を使ってます。シリアルIFなので配線ノイズの心配が無いです。

【ひずみゲージアンプ】ADS122U04の動作その1<UARTで楽ちん動作>

●4CHまでの高精度計測用途: アナログデバイス社 AD7193

【MFT2019】AD7193_TSSOP_4CH動作OK<3日かかった>

●5CH~8CHまでの高精度計測: アナログデバイス社 AD7194評価ボード

【MFT2019】AD7194_6CHスループット10msec<PC転送時間長い>

 


HX711:ロードセル用24bitのAD変換器80Hzでサンプリングするので静的な力の測定で使います。 http://akizukidenshi.com/download/ds/avia/hx711.pdf
HX711は、動作不安定になることがあって、ノイズだと思っていたのですが、ノイズ以上に重大な現象があるとのご指摘があるので、こちらのプロの企業の解説ページをご覧ください。ノウハウの公表を感謝いたします。
2019年から私は、HX711は使ってませんが信頼性と安定性が必要な動的な力の計測用ならHX711は不適です。
=>HX711は、10Hzまでなので、ナイキスト則からすれば5Hz以下の動的波形しかデータとして使えません。静荷重専用のひずみアンプということです。
※2020年9月追記
 初心者様には、手頃でいいので、なんとか安定して使える手段はないかと思って再度検索してみると
プロの方のサイトココアシステム様がHX711の動作不良を解説されたページがありました。仕様書にはない謎の信号がでるそうです。こうなると素人向けのADCとしては難しくなるので、この辺は、販売されている業者さんに問い合わせされるのがいいと思います。秋月では、2019年に説明書を改定してますが、10PPSと従来より更に遅いサンプリングにして、安定動作を確保しているみたいです。謎の信号については、公表できないための対策だと思います。
ココアシステム様には、苦労されて解析された貴重な知見を公開されたことに感謝です。
■結論は、

「HX711は、超低速(5Hz以下)でしか測定できない」
ということです。
=>動的測定で無理して使うと、力の最大値ピークを見逃しますので、信頼性あるデータがでませんので注意です。

=>元々体重計と調理スケール用のICですので、5Hzでも十分使える用途です。
=>このICを使って各種力を測定しようとしても、5Hzでは、動的な力は無理ですので、別のアンプを探す以外にありません。
★2021年8月末追記
HX711使えないので、便利に使えるアンプを探索して見つけ出しました。

【ひずみゲージアンプ】ADS122U04の動作その1<UARTで楽ちん動作>

 

 

 

LT1167:振動に近い動的な力を測定するときは高精度計装アンプ http://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/data-sheets/j1167fb.pdf

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5

LT1167は、こちらの記事で原理説明してありますので、


2019年度からは新しいアンプをつかってます。
【ノイズとサンプリング周波数と多CHの課題をクリア】

精密重量測定器用のアナログデバイス社製高精度ADCです。
アンプと高精度ADCの多ch回路がIC1個に入ってます。
信州MAKERSでは、2種類を使い分けしてます。
①4chコンパクト低価格:AD7193 TSSOPパッケージ

MACNICA-MOUSERで5個7千円で輸入しましたが、
CHIP1STOPでも、3個4800円で買えます。
TSSOPを28ピン変換基板に半田付けしないといけない難点が
ありますが、超小型の4chひずみゲージアンプですので、
小型低価格4cHが欲しい方はトライしても価値あります。

【MFT2019】AD7193_TSSOP_4CH動作OK<3日かかった>

②6CH高速高精度ADC:AD7194  EVAL BOARD
①は、TSSOPの半田付という難関があってとてもできない方は、
高い(7千円)ですが、評価ボードがありますので、そのボード上にマイコンを搭載すれば簡単に8CHのひずみゲージ測定回路基板が出来上がりますので、手間をかけたくない方向けです。

【MFT2019】AD7194_6CHスループット10msec<PC転送時間長い>

アナログデバイス社のAD7194というアンプ内蔵8CHADCです。デルタσ型ADCで低ノイズです。
ゲインの少ない手作り多分力センサには最適です。独自のQFP構造で実装が難しいので評価ボード7千円をマクニカマウサーさんで購入してつかってます。趣味以外で仕事研究で多Chひずみゲージブリッジを使いたい方向きです。
詳細は下記リンクです。
初期動作確認

6CH動作確認

アナログデバイスのADC選定

デルタσ型ADC解説

ーーーーーーーーー以下は昔のhx711の記事ーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回はHX711を学習します。

HX711の構造と仕様

仕様書からダイアグラムをコピー拡大しました。

ひずみゲージブリッジから微小な電圧差信号がINA+とINA-に入力されます。
ひずみゲージのブリッジ回路:については、別途学習ページを作ります。
InputMUXマルチプレクサといって複数信号を1本にまとめるICです。INAとINBの切り替えに使ってます
PGA:プログラマブルゲインアンプというオペアンプです。ゲインを32,64,128の3種類設定できます
ADC:AD変換器24bitもあります。
CQ出版にPDFに詳細解説がありました。http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/42/42041/42041.pdf
DigitalInterface:これでマイコンと接続しますが、HX711は、SIOというインターフェースです。RS232Cが一般的なのですがこれはもっと原始的なシリアル通信ですがこれがHX711で発生するのトラブルの元となってます。接続ソフトは、ライブラリがあるのでSIOを知らなくても大丈夫です。
東芝の解説がわかりやすいです。https://toshiba.semicon-storage.com/jp/design-support/e-learning/mcupark/village/serial-interface-2.html

AnalogSuplyRegurator:定電圧レギュレータ 3端子レギュレータだと精度が±5%程度なのでADCの基準電源にはなりません。そこでBGRが必要となります。
BandGapReference
:電圧リファレンスIC、AD変換で基準電圧が変動してしまうとデータなのか電源変動なのかわからなくなってしまうので重要な機能として電圧リファレンスがあります。
解説記事は詳しい記事があります。
https://www.maximintegrated.com/jp/app-notes/index.mvp/id/2879
ここも詳しいですhttp://ednjapan.com/edn/articles/1102/01/news110.html

http://ednjapan.com/edn/articles/1206/27/news050.html
下図のようにバンドギャップが周囲温度変化で発生する基準電源のドリフトを補正できるらしいです。

http://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/ae-hx711_rev1_20180129.pdf
基準電圧がどうなっているか秋月のHX711の周辺回路図をみてみます。
端子2,3,4,5,6で基準電圧が制御しているみたいですが私は未だ理解できてません。

 

 ●実際の結線
ロードセルとの結線ですが中華ロードセルは説明書がついてないので秋月の説明があります。
http://akizukidenshi.com/download/ds/sacc/SC133-2kg.pdf

赤線=+V 黒線=-V(通常はGND) 緑線(出力+) 白線(出力ー)

この結線をしっかりと記憶しておくことが重要です。

InB端子はゲイン32ですので、精度が劣りますので普通は使われません。

●配線のノウハウ

1CHだけなら、あまり気づかいはいりませんが、私はHX711を6CH使って多分力センサを作ってますので
CH信号に干渉ノイズは大きな課題となりました。

この後でノイズならシールド線でならいいかとおもってシールド線で作り直してみましたが
やはりダメでした。信号線の長さが短くないとノイズがなくならないのではと思って、ロードセルの
線を延長させてCPU基板の上に配置したHX711基板にしました。するとノイズが減りました。
「HX711のSIO信号線はCPUから数cmしか離してはいけない」みたいです。

●以後

上記2階建て回路でHX711の6個使いで、MFT2017,MFT2018を乗り切れました。

●プログラム

私はmbed NUCLEO F446REを使ってますが、ライブラリはmbedでいくつかあります。
Arduinoでもライブラリがあります。
秋月の説明書に紹介されてますが扱っているブログがたくさんありますが元祖はSPARKFUNです。

https://learn.sparkfun.com/tutorials/load-cell-amplifier-hx711-breakout-hookup-guide?_ga=2.62074730.752747356.1539688535-1309258631.1539688535

●以後

今回、ここ二年間つかいまわしてきたHX711の基礎を勉強して、ブラックボックスがグレイボックスくらいになったので、これからは、信号の精度なども気遣いながら使っていこうと思います。

 

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