【STA23】VCBLで近所の公園で歩行測定した<VCBLの欠点見えた>

堤防までいくのは自動車で移動しないといけないので、時間と手間を食うので、自宅から400m離れた
防災用公園のグランドでVCBLの歩行測定してみました。

 ●歩行測定(右足のみ)
①基線長データ
FIXが自宅庭より速かったのですが、基線長精度は、N方向が悪くなってました。、基線長計測時間中に足をmm単位でちょっとでも動かすとそれが誤差になってしまうので、足に装着する前に基線長測定したほうが良かったです。

●南東から北東へ向かう半円を描いて歩きました。

●結果
⓪静止状態と移動状態での違い

静止状態では、FIX率100%ですが、歩いたり移動が始まるとFIX率が低下します。これは、電波受信状態の変動に対してF9Pの演算が忙しくなるためFIXできずに周期が終わってしまうことが発生しやすくなるということだと思います。ですので、同じコースでも非常にゆっくり歩けばFIX率は向上するはずだと思います。逆にもっと高速演算できるRTKチップがあれば、FIX率も向上するのではないかとも言えます。そういう意味で高速なSeptentrioのMosaicチップは、興味があります。
①歩行でのFIX率
自宅庭でFIX時間が、Roverが1分超えていたのですが、公園でやると30秒以内になったので結構よいかと期待したのですが、
データをまとめてみると、FIX率が悪いので、VCBL+歩行の悪さが見えてきました。
RoverのFix率56%(不良44%)と非常に悪く、VCBLの悪影響がでていると判断します。
BaseもFix率88%(不良率12%)と余りよくないです。しかし、従来からスキー場でもFix率は、97%程度だったので、Baseも悪いですが、Roverだけが異常に悪いのは、VCBLの欠点が現れたということです。歩行というアプリケーションだと更に悪さが出やすいのでスキー場より厳しい結果ではないかと思います。

②歩行でのデータ欠落率
周期120msecで測定してますが、RTK計算が苦しくなるとF9Pは、周期を遅らせて計算するように なってます。
ですので、周期が240msecになる時点は、電波受信が苦しくなる点です。上記のFIX率は、電波受信状態ですが、データが抜けるのは、RTK計算プラス F9Pのモーションフィルター(カルマンフィルター)でデータを補完しているので、RTK計算が破綻してもデータ即破綻しないようになってます。


●スキーでの実績、不良率データと受信品質基準 (2023年3月測定)
【STA23】2日分のデータの不良率とアンテナ<ヘリカル使える>
ヘリカルで大丈夫か実験したものですが、スキーのデータの結果は
結果1:FIX率は、90%後半ですが、RoverはBaseより常に悪いデータがでるが、データ欠落率は、ほぼ同じである。林間でRoverが不良率30%と最悪になったデータがあります。
結果2:アンテナが雪で覆われると一挙に受信状態が悪くなる。
結果3:

当時の対策としては、アンテナは、ヘリカルとパッチで大差がなかった気がしてますが、明確な実験結果が無かったので、言い切れません。従来の経験では、歩行では、パッチのほうが明らかに良かったです。

項目 基準 扱い
flags 131 (RTKFIX)であること 例え67(float)におちても、致命傷ではない
短時間に67に落ちても、データ影響少ない
pdop 2.0 以下のこと よほど視界が悪くない限り2.0以上にはならない
hacc FIXで14mmであるが、
スキーで許容できるのは50mm
50mm以上になれば、NG。
itow 120msec周期でデータ抜けがないこと 全体の0.5%以下が理想。
1個抜けの場合は、補間で対応できる

 

●対策検討
①アンテナをヘリカルからパッチに交換してみる
感度の良いパッチアンテナ(3.5dB)感度の悪いヘリカル(1.5~2dB)をグランドプレーン付にして、パッチに感度を近づけてでも採用した理由は、スキー板の前後に重い(100g)のパッチアンテナを取り付けるとスキー操作に違和感があるからですが、VCBLになると足元取り付けなので、スキーを回す分には違和感は生じませんからパッチでも取り付け方が上手くできれば、問題は出ないはずです。
 過去の歩行計測のデータを考察してみました。
【L-RTK】2CH歩行測位実験データチェック<異常データ 1%>
松本の自宅前で測定したのですが、それでも1%欠落率で測定できてるので、パッチアンテナのほうが良い可能性があります。

 ②VCBL12cmから25cm以上に広げる
そもそもVeryCloseBaseLineだからRTKが悪くなるのは自明なので
 BL長をもう少し長くすれば、RTKの計算負荷が減って、不良率が減るのは、当然です。
しかし、レガースへの取り付けなので、いかに25cmを稼ぐレイアウトにするかが問題です。
靴のつま先とかかと間の前後配置を検討してみます。アルミステーがあるので、もう一対アルミステーを
とりつけて、後ろ用にリンク式にすれば、可能だと思います。

●以後
VCBLは、なかなか大変ですが、世の中に無いことをやるということは従来の常識、理屈への挑戦ですので
跳ね返されて当たり前です。いかに粘って、実現していくかが開発者としての手腕ですので、STA24での
完成をめざしてがんばっていきます。

 

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