2016年から信州MAKERSで開発してきたパワーメーターなどロードバイクセンシング開発ですが、振り返ってみると
「ロードバイクへコンパクトで信頼性良く実装することができなかった」
が完成にいたってないことの大きな原因です。
実装技術は、それなりの専門性とノウハウがあって、とても素人では参入できない領域です。
(スマホの基板デバイスの実装設計とかカメラの実装設計、スマートウォッチの実装設計などの専門技術者の世界です)
スマホ、カメラほどの実装度はいりませんが、ロードバイクもコンパクトで軽量で電池寿命が重要なアプリケーションですので実装技術が主眼となります。
信州MAKERSの最も不得意な技術であり、とてもできそうもありません。
そこで、世の中にある実装製品をそのまま持ってきて使うに限るという方向付けで
2020年はトライしていこうと検討を始めました。
●方向性:世の中にあるコンパクトに実装された基板を流用することで、実装技術の不足部分を補う
=>今までマイコンボードとデバイスを基板に搭載して組み込んでいたのですが、
それをできるだけ避けて、CPUとデバイスが一体化したキットで組み込みを検討する
=>コンパクトさが必要なのはクランクベクトルを測定するシステムが一番厳しく、シートチューブ型パワーメーターだけなら、サドル下とかフレーム部、ハンドル部に設置すればいいので、クランクに比べて実装が簡単になるので、難易度が大幅に緩和されるのでその点からも素人用には最適かと思ってます。
■ロードバイクセンシングシステム研究開発用に必要なCPUスペック
性能 | クランク用 | サドル固定用 | |
CPU性能 | 32bit 60MHz以上 100DMIPS以上 | 〇 | 〇 |
シリアルIF | 5MBPS以上2個以上 | 〇 | 〇3個以上 |
無線IF | 115200bpsでデータ落ち無きこと | 〇 | △外付け可 |
USBシリアル | USB HOST機能があれば便利 | △外付け可 | 〇 |
電源電圧 | 3.3V100mA以下 | 〇 | 〇 |
電池 | 5V もしくは3.3V DCDC内蔵が良い | 〇 | 〇 |
I2C | 2portが望ましい | △1個でも可 | 〇 |
SPI | AD7193,7194を使う場合必要 | 〇 | 〇 |
ADC | 12bit 200kbps以上 2ch以上 | 〇 | △4ch欲しい |
SRAM | 64KSRAM以上 | 〇 | 〇 |
FLASH | 256KB以上 | 〇 | 〇 |
CLOCK | RTC32KHz精度20ppm以下 | △外付け可 | △外付け可 |
ライブラリ | IMU/SD card高速書き込み用/WiFi | 〇 | 〇 |
サイズ | 30x55x15 | 90x70x20 | |
付属デバイス | LCD | △邪魔 | △可 |
ボタン | 〇 | 〇 | |
LED | 〇電源 稼働中 | 〇電源 稼働中 | |
スピーカー | △ | △ |
■ M5StackとM5Stickの検討
例えば、M5Stack Basicは、WiFi,BlueTooth,μSDカード,カラーLCD,スピーカー,電源がついてますので、自分で実装してもここまで小さく信頼性よく実装は不可能です。
https://www.switch-science.com/catalog/3647/
更に、M5Stickは、WiFi,BlueTooth,IMU,小型カラーLCD,電源がついてます。
https://docs.m5stack.com/#/en/core/m5stickc
M5Stack | M5Stcik | |
サイズ | 54x54x17.9mm | 48.2 x 25.5 x 13.7mm |
CPU | ESP32 240MHzデュアルコア、600 DMIPS、520KB SRAM、Wi-Fi、デュアルモードBluetooth | |
FLASH | 4MB | |
電源 | 5V @ 500mA | |
コネクタ | TypeC x 1、GROVE(I2C + I / 0 + UART)x 1 | TypeC x 1、GROVE(I2C + I / 0 + UART)x 1 |
ポート | PIN(G1、G2、G3、G16、G17、G18、G19、G21、G22、G23、G25、G26、G35、G36) | G0、G26、G36 |
LCD | 2インチ、320×240カラフルなTFT LCD、ILI9342C、 最大輝度853nit |
0.96インチ、80 * 160カラフルなTFT LCD、ST7735S |
μSDカード | 最大16GB | ー |
ボタン | カスタムボタン×3 | カスタムボタン×2 |
スピーカー | 1W-0928 | |
電池 | 110mAh @ 3.7V | 95 mAh @ 3.7V |
アンテナ | 2.4GHzアンテナ | |
動作温度 | 0℃~40℃ | |
ADC | 12bit 200kbps or 2Mbps 2CH | 12bit 200kbps or 2Mbps 2CH |
UART | UART0:USB Seerial UART1:内部SDメモリ用 UART2:外付Serial |
UART2:Grooveコネクタ |
IMU | ー | MPU6886 |
IR | ー | 赤外線通信 |
マイク | ー | SPM1423 |
■ mbed系も調査
2019でクランク用に使ったNucleo L432KCと母艦用のF446REを見直してみます。
母艦用には、STマイクロとNXPでcortexM4にデバイスが載ったIOT評価ボードがあります。
FRDM-K66F https://os.mbed.com/platforms/FRDM-K66F/
他は、意外とサイズが大きすぎるのと価格が高いものが多く流通もしてないものが多いようです。M5Stackのような多機能のボードはmbedではありません。
●チェック実験をしてみてから進める
チェック1:SDカード書き込みが4msec連続データ落ちなくできるか?
チェック2:無線でシリアル送受信4msec連続データで落ちがないか?