【STA24】3Dプリント防水ケース作りその9<アクリル厚板でシール部観察>

3か月ほど、試行錯誤してきて徐々に見えてきました。
3DPの防水は、2項目を管理しないと完成できません。
●項目1:3DPの造形物自体の水浸透による水漏れ
①充填率を100%、送り量を100%以上にして、できるだけ壁を肉厚にする5ミリ厚さ以上
②表面に樹脂塗料塗工するしてコーティングをすることは必須です。コーティング剤はとりあえず、
パジコの防水剤を使ってますが、こすれに弱いので、もっと頑丈な塗料をさがします。

●項目2:フタ部材と3D造形物とのゴムシールの密着性による水漏れ
3D造形物の表面粗さは数十~数百μmもあるので、通常にOリングだけでは、凹凸を塞ぎきれないで水がもれます。
③密着圧力をできるだけあげられる構造にして、3D造形物の変形を減らしフタ部材は厚板で押さえこむ。
④Oリングの断面形状に合わせた溝断面形状にすることで密着性をあげる
⑤それでもシールから漏れる場合は、コーキング剤を溝内と周辺に塗布して、Oリングの補強を行う
この場合あまり盛りするすぎるとOリングのつぶし圧力がロスするので、塗った後つぶれ具合を観察する。

●シールの漏れを観察する方法
蓋を5ミリ厚さのアクリル板にして、シールゴムを圧縮して、つぶれ具合と漏れを観察する

①丸溝のサンプル
ネジしめたあとの写真ですが、Oリングのつぶれ具合が均一かどうか見ると、3番と4番の間の

つぶれ幅が若干細いのが気になりますが、これで水入れ試験すると3-4番間で漏れました。
ネジの締め付け具合を確認すると3番4番ともにネジが渋くて、推力が伝わってなかったようで、

再度緩めて締めなおしてから、水漬け試験したら12時間水漏れ無し合格しました。
=>ちょっとしたネジの締め方がゆるいとすぐ漏れるので、大変注意が必要となります。

 

●角溝のサンプル
角溝は、Oリングがつぶれても密着面が少ないので漏れるという結果がでていたのですが、
アクリルを通してつぶれ具合をみてみるとほぼ均等につぶれてましたが、丸溝に比べるとつぶれ幅が
大きいのが判ります。四角形の溝なので、拡がりが大きいのだと思います。

しかし、水入れ試験をすると 10分もしないで、あちこちから水漏れが発生しました。

これでアクリル面をみてみると、Oリングの外周に水膜があちこちに残ってました。ゴムとアクリル接触面には水膜跡はありませんでした。ということで、これは、角溝の底から水が通過して漏れてきたことが判りました。
表面のつぶれは綺麗につぶれていても、溝の底では不均一につぶれて密着不足が発生しているのだと思います。

●アクリル板をフタの採用する
今までは、アンテナ用にアルミ板をフタにしてましたが、シールの管理と観察ができないので
 これからは、アクリル板をフタとして、使っていくことにします。
  そうすることで、日常の組立時のチェックもしやすくなって、水漏れリスクが減ります。
現在の1次試作は、クラックが発生して暫定処理はしましたが、とてもスキー場で使える代物ではないので
2次試作に入ります。

 

●STA24防水ケース第二次試作方向性
アンテナのグランドプレーン板は、ケースの上にアンテナと一緒に浮かせてとりつけて
 アンテナ線をアクリル板にとりつけた、ケーブルグランドを通してケース内にいれます。
  アクリル板に、電源線のケーブルグランド、アンテナ線のケーブルグランド、アンテナの櫓台の
 固定ボルトと4か所のネジ穴を設けてOリングで全部防水することで、3D造形物には、穴を
  開けないで、大事に扱う方向で試作します。

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