例年12月からスキー活動量計を作りだすのですが、今年は、GPS衛星みちびきが秋から稼働開始した記念の年だったので、記念にみちびき電波を受信する電子工作をネタにしました。精度がGPSを補完したり、サブm級、サブcm級まであるので将来電子工作で楽しめると思います。秋月のキットはGPSを補完するモードまでですが、今までのGPSより精度がよくなっているはずで、3機受信でも±2mとなってます。
=>結論からいうと、iphoneと同じ程度の測位精度しか得られませんので、手間と時間とお金の無駄使いしたという結果になりました。
1年後にリベンジができました。しかし、「みちびきが不要」という意外な結果が得られました。時代は、みちびき無しで国内1cm測位が当たり前にできるようになっています。
※本記事は2018年末でしたが、1年後の2020年に、RTKGNSSチップ、スイスublox社ZED- F9Pチップを2セット欧州から仕入れて
cm級GNSSで遊んでます。詳細は、こちらの記事群をご覧ください。
http://shinshu-makers.net/shinshu_makers/category/rtk/
■残念ながら、日本のGNSS技術も欧米に大きく後れをとっていることがわかりました。みちびきが無くても日本国内で1-2cm測位が個人で可能になってます。現在は2-5万円かかりますが、普及すれば数千円でcm級が使えるようになりますので、みちびきへ税金を投入した意味が薄れることが国民が明確に見えるようになってくると思います。欧米のIT技術が日本を遥かに凌駕している一例ですが、どんどん日本産業と技術者は敗退していくのが、口惜しいので、微力ながら、欧米の技術水準ではここまできているということを実証実験して利用する技術で欧米に勝るようにしてます。
■何故負けたかの大きな原因は、コト作りができてない
技術力というよりは作ったモノをどういうコトの目的で使うのかというコト作りまで考えて開発してないからということだと思います。日本の産業全体がモノ作りに特化してしまってコト作りを重視したモノ作りができてない点が主原因だと思ってます。
=>後日専門家の人からお話しを聞く機会があったのですが、元々GPSは軍事技術のため欧米が強くて、日本は1990年代で既に負けていたので、今更ということで、みちびきに先端技術的意義をもつこと自体が時代錯誤だそうで、それが日本国内で知られてないだけだそうです。ではなぜ投資したのかは、問題なことは間違いないですが。
■日本のGNSS技術が負けた具体的理由
GNSS技術でも、何故負けたのかというと、みちびきのように、日本の国を守るというコンセプトで開発すると、日本の国土でしか使えない狭い技術になってしまいますが、欧米では、広い大陸全体で使えるようなGNSS技術を開発するので、一旦それが完成してしまうと世界中どこでも使える技術となりますので、ICチップが全世界で大量に販売できます。日本でみちびき用GNSSシステムを開発しても日本国内の少数しか売れませんので、GNSS産業がみちびきでは育ちませんので、周辺技術も育たないので、GNSS技術では、日本は負けるという道しかありません。国内専用の天頂衛星を作る発想をした時点で、日本のGNSS業界は敗北していたのです。
正月中に屋外で精度確認してみます。iphoneのGPSも精度いいので比較してみます。
●秋月のGPS受信機キット 1PPS出力付き 「みちびき」3機受信対応
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-09991/
秋月としては、力が入った製品らしく、ユーザーサポートが通常のGPSよりはるかに丁寧でだれでも接続して楽しめるようにPCのアプリまで用意してあります。
取説も丁寧で、これだけで接続は分ります。
http://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/AE-GPS_manual_r1.05s.pdf
minGPS windows用PCアプリ
http://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/Mini_GPS_r3.zip
●みちびきとは、従来のGPSの精度を向上させるために打ち上げられた衛星4機
http://qzss.go.jp/technical/satellites/index.html
http://qzss.go.jp/overview/download/isos7j0000000bl4-att/qzss_pamphlet_201803a.pdf
①準天頂衛星システム4機構成ですが秋月のキットは3機しか受信できません
http://qzss.go.jp/overview/index.html
②衛星測位サービス
※2019年12月記 本記事は2018年12月の記事でしたが、みちびき対応GPSモジュールとiphoneのGPSの
精度がほとんどかわらなかったため、一度いじってやめました。そしてこの1年でcm級測位の業界で画期的なGNSSモジュールublox ZED F9Pが発売されて、300万円したRTKcm級の性能がたった5万円でcm級の実現が可能になりました。詳細はトラ技2019年2月号と10月号にありますが、信州MAKERSでも、さっそくF9Pをネタに冬の間にスキーターンの詳細な軌跡をローカルRTK方式で測定する準備を始めました。自動運転など待っている必要なく今すぐcm級の応用が世界で始まってます。農業トラクタの
自動運転が急速に普及しているそうです。日本はまた、世界に遅れをとりそうです。
GPSを補う衛星測位サービス
みちびきからGPSと同一周波数・同一時刻の測位信号を送信することにより、GPSと一体となって使用し、安定した測位をすることができるサービスです。現在、衛星測位の主な誤差要因は、(1)衛星数が少ないことによる誤差と(2)電離圏による誤差 の2つがありますが、みちびきを利用することで、この2つの誤差が改善します。
http://qzss.go.jp/overview/services/sv04_pnt.html
シグナルの種類
http://qzss.go.jp/overview/services/sv03_signals.html
②サブm級サービス
http://qzss.go.jp/technical/system/l1s.html#section02
●USBシリアル接続で動作確認 5分で完了
秋月のGPS受信キットAE-GYSFDMAXB
秋月のUSBシリアル変換キット AE-TTL-232R 3.3V/5V両対応
を仕入れて、ブレッドボード接続すればできあがりです。
GPSのRX=>USBシリアルのTX、GPSのTX=>USBシリアルのRX
シリアルの5VをGPSへ給電すればOKです。
5V入電してますが、シリアル通信レベルは3.3Vです。
これで、miniGPSで受信すると ctrl+alt+sを押すと詳細設定がでデータの選択とLOGができます。我が家の屋外での受信状態ですが、194,195番がみちびきですが
3機目の193番がとらえられてません。
●Xbee送信で屋外に設置して屋内で測定
信州松本の屋外は寒いので、Xbeeで外の車の屋根の上に置いて10m程度離れた屋内でXbee受信できるようにしました。
XbeeのDIN(TX)をGPSのRX、XbeeのDOUT(RX)をGPSのTXに接続すればOKです。
電池は食うので単4 2本で、中華DCDCで5V昇圧してスイッチ付きです。
今回の用途ではXBEEは、数十~数百m送受信ができるのがBLUETOOTHより強みがでます。
●以後
GPS MNEA信号からスキーターンの軌跡が測定できるかを実験する準備をしていきます。