【STA25】5月24日渋峠計測でシーズン終了<ChatGPTとともに歩む>

●5月24日渋峠の計測は失敗に終わりましたが、USBバイナリログ方式の成功は確認できました。

STA25は、渋峠滑走2本で終了となりました。

渋峠初めて計測したのですが、AU電波がリフト降り場からコースの上半分電波が弱くてRTKできませんでした。
コースも狭く、基準局も不調、天候はガスとSTA史上最悪の計測環境で、滑走データはとれませんでしたが、
背中にタブレットを背負ってのUSBバイナリーログは大成功でした。
今まで必ずエポックが化けてしまうデータがあったのですが、今回は、RTKがLOSTしていてもきちんとデータはログできて
いて、データが化けていることは皆無でしたので、ログシステムとしての完成度はSTA25は従来より更に進化しました。

●STA25 2024年夏から2025年5月までの進化
STAも5年目を迎えマンネリかと思いましたが、この5年間で最も技術的に進歩したシーズンでした。
逆に技術開発メインで、実験データ収集を3回しかしてないので、滑走データは1回だけまともにとれただけでした。
しかし、技術が進歩したので、STA26からの各段の進歩が期待できるのでよしとします。
要するに、RTKの場合1年おきでは技術が進歩しなくて2-3年に一回大きく進歩するということです。

⓪小賀坂スキーの横田様にテストライドしていただいて、この5年間で最もキレイなデータとれた
STAは、私一人がライダーだったのでへたくそスキーヤーのデータしかとれなくて、上手な人のデータ欲しかったのですが
たまたま、Xで、知り合った方が小賀坂スキー勤務の横田様というスキー技術のプロの方でした。
横田様に乗っていただいて4回ほど計測させていただいたら、とんでもなくズレが少なくてきれいな滑走データとれました。
STAが滑りの上手い下手の数値化ができることの証明でもありました。

上記グラフの模範滑走動画です、丁寧にターンを仕上げている様子がわかります。
後日動画とグラフの比較解析します。

①ChatGPTにRTK技術の相談をして情報量が格段に増えた
RTK技術は、関わっている人口が少なく情報量も限られている中で、ChatGPTが最もよく知っていることが判りました。
 ChatGPTは、世界のRTK情報を収集して理解してますので、話題に豊富です。まずは、調べる前に聞いてみることです。

②多センサ化でのログシステムの進歩
STA25は、1Base2RoverとBNO085 2個 ひずみゲージ2CH と今までの3倍データ量が多くSDログで、破綻しました。
 そこで、USBバイナリログとして、TeensyのUSB仮想シリアルポートから有線でタブレットに高速バイナリ転送して、ログする
 方式に改良して全データを完全ログできるようになりました。

【STA25】ログシステム大幅変更<USB経由超高速ログ>

③スキー板前後のたわみを測定して、前後バランスが見えるようになりました
スキー板の位置姿勢だけでなく、板のたわみも計測できることでライダーのテクニック面で有効な情報がえられます。

【STA25】今シーズン初のスキー場測定開始<後アンテナ雪でNGだったが他でデータとれた>

人によって撓ませ方はタイミングと加減が随分違うことがわかりました。
④RTKデータの不良解析に進歩 (熱、ノイズ、CPU負荷)
エポックが抜ける現象について2025年1月から5月まで対策に取り組みました。
当初は、Teensyのシリアルバッファ確保と配列の取り方のバグだったのでTeensyのSDログをやめて
USBバイナリログに変更してログ方式の対策をとっても未だ、エポック抜けが発生するので、4月5月にかけて
詳細な解析をしました。
原因1:システムの電流不足で電圧降下をおこしていた=>USB線1本からの供給ではなくRTK用の専用電源線を追加しました
原因2:GNDのスパイクノイズ、F9Pは精密なAD変換チップですのでGND変動すると機能を失います、スパイクノイズ500mVも
あったので、大きなコンデンサ小さなコンデンサをいれるのと、スター型で府落ち線で各RTK基板の電源にして
スパイクノイズ200mVに低減しました。
原因3:F9Pの仕事が増えてCPUがパンパンになってエポックが抜ける現象ですので、125msecという最高速度で
ログしていること自体が、エポック抜けが発生しやすいということでした。つまり、チップの最高速度でログすれば
全ての変動に対してエポック抜けが発生するのは、不可避であるという事実を認識しました。
MON-SYSでCPUload%が125mecだと8f5-94%まで跳ね上がりますが、1000msecだと50%以下です。
原因4:熱によるF9Pの動作不良
室温が27度以上で基板むき出しで不良率0.3%以下でOKで、防水ケースにいれるとエポック抜け不良率が数%に跳ね上がります。これは、温度上昇の影響です。 STAの実験シーズンは12月3月末までですので、気温は20度未満です、ですので、
今まで、温度によるトラブルを認識してなかったのですが、5月末になって夏日の気温の日が続いて温度影響が露見しました。
これは、温度を低くしてから計測するということです、モニタ用に温度センサを基板に設置する必要性があります。

 

●以後
6月からは、STA26に向けて基礎開発を始めます
①RTKの欠点であるエポック抜けは不可避であるとの前提で、IMU補完をカルマンフィルタでオリジナル開発します。
https://snowwombat1.sakura.ne.jp/shinshu_makers/output/merged_output.html
②RTKの信頼性と性能向上のため、即時後処理方式のシステムにします。スキー滑走中にRAWデータとデータ管理メッセージを
ログして、滑走終了してから3分以内の後処理して結果を表示する即時後処理システムです。
こうすることで、RATEが速くなるのと、IMU補完計算がやりやすい点で、性能向上が図れます。

③STA26システムは、左スキー用にブーツオンタイプで開発します。STA25はそのままで、全パラメータ計測しシステムですが
あまりにも重くて、ハンドリンツが大変なので、日常のスキー活動では使えませんので、STA26は、MobvingBaseをやめてIMUで
YAW角を生成して、X20で高速測位をします。

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