小賀坂スキーの横田様にテストライドしていただきました。
日本でも有数なテストライダー様で、かつワールドカップなど世界をまたにかけてスキーレースのサポートスタッフの
ご経験が長い方で、STA開発のアドバイスをいただいております。
●テストライド
3月29日によませスキー場でおこないました。あいにくの積雪で、硬い下地の上に20cmほど重い雪がのっている最悪の
コンディションで、私は、1本おりるのも止まり止まりでやっとこでした。他のスキーヤーも連続ターンがほとんどできてないほど悪コンディションでしたが、横田様は、悪雪を感じさせないキレイなターンをしていただけました。
●凄いデータでた
よませ一番下の連絡リフト沿いの緩斜面が私がいつも測定するコースです。そこを横田様に滑っていただきました。
とにかく、滑りの軌跡がキレイです、デモなどトッププロ同様のターンです。見た目の違いはデータでどうなるかと
みてみたらやはり私の滑りデータと全然ちがってました。
3月18日に私の滑りのデータがこれです。
⓪運動方向線がターンの間も歪んでいて、きれいな三角波形になってません。
①横滑り角が25度くらいでてます。
②大きく後ろたわみだけで滑ってます。
③角付け角は25度以下です。
下記が私の滑りのデータ
同じコースを横田様がすべるとこうなります。
⓪運動方向線(青)は、きれいな三角波形になってます。
①横滑り角(茶)はほとんどゼロ近辺で、ズレ無しです。
②タワミ前後比率(赤)は、ターン切り替え時に前ワタミで、ターンにはいると徐々に後ろたわみに移行していきます。
この後ろタワミへの移行速度が急だとズレてしまうので速度調整をじんわりやるのがズレない滑りのコツだと思います。
③角付け角は30度以上で滑ってます。
④茶色線の横滑り角と赤線の変化を比較してみると、2番目と4番目のターンは、若干横滑り角が増えてます。
1番目と2番目のターンは、2度以下でほぼフラットですので、それと赤線で比較してみると赤線の下り具合がゆっくりして
いたほうが横滑り角がフラットなようです。2番目と3番目の赤線の下りかたは、急で大き目でした。この辺で横滑り角が違ってきます。
●急斜面での課題
急斜面高速度での滑りも測定したのですが、各種ノイズが大きな課題でした。
こんな悪ゆきでも横田様はズレ少ないターンをされていたので、名人は違うなと感動しました。
第一に雪面が悪かった。重い雪が20cmあったので、スキーに様々な振動衝撃が加わって、正常な制御では滑れないので
上記緩斜面での滑走のような波形がでない。アンテナが雪に埋もれたいた。
課題1;IMUが位相がおかしくなって、ターンの切り替え時点でゼロ度になってなかった。30度くらいドリフトしていた、
振動が激しいとFUSISONが狂う現象がでてしまった。生加速度データで検証してみるが、RVCモードでなくノーマルモードで
オイラー角でなくGravity角だけをとったほうが、ドリフトはなくなるのではないかと思う。
課題2:テールのデータが完全に死んでいた。元々ファームバグでテールデータ死んでいたのですが、全くデータになってないほど乱れてました。トップは以外とよくて、センターと同様の正常さでしたので、テールの悪さだけ目立って、4月末までにファームとシステムを改善します。
●以後
本データで、STA25は、成功となりました。
システムは、ファームのバグでのデータ損失、振動でのデータ損失、サンプリングの遅さなど課題多々ですが、良い条件での
データは完璧に測定できたので、STA25を1年間苦労して開発してきてよかったです。
良いデータをたたき出していただいた小賀坂スキーの横田様には感謝です。これからもご指導宜しくお願いいたします。