【STA22】RTKLIBいじる その0<RTK計算原理とRTKLIB用F9P設定>

STA22のRTKの状況をログして、後から精度などの状況を確認する機能を追加します。
RTKの精度解析は、ucenterでは無理で、RTKLIBならGNSSデータの汎用処理機能が豊富なので精度解析ができます。RTKLIB専門的で、難しいので、ここ2年避けてきたのですが、結局学習しないといけなくなりました。

●RTK精度に関する学習LINK
0)RTK計算の基礎  防衛大学校の公開資料
「RTK GPSの原理と応用」
http://www.nda.ac.jp/~nami/research/pdf/CGSIC2001.pdf
・RTKの計算内容を詳細に説明してある
=>理解したこと:二重位相差の連立方程式を測定データ数だけ行列にした縦長の行列からMoorePenroseの一般化逆行列計算をして、結果として多数の連立方程式の解の最も近い値を最小二乗法の解を得ます。最小二乗法は正規分布を前提とした計算です。ばらつきは正規分布として計算してますので、RTKの解は正規分布の統計値としてでてきます。一般の計測器だとオシロスコープなら時系列物理データそのもの、FFTアナライザなら物理値の統計計算値がでますので、RTKは、FFTと同様に統計値を出力してきますが、平均値とばらつきも出力しますが、そのばらつき値は、1シグマ相当の信頼性のものですので、実際に信頼性あるばらつき値は、3倍した値をばらつき(3シグマ)を採用することで、99.7%の信頼性を確保できる点が注意です。F9Pのばらつき値hAccなどは、1シグマであって、3倍すれば、信頼性が担保できる値となります。通常のセンシングでは、ばらつき値まで出力してくれるセンサはないのですが、RTKチップは、平均値とばらつき、信頼性各パラメータまで出力してくれますので、その値の統計的信頼性を理解しないと、得られたデータの精度が理解できませんが、解説している文献が少ないので、困ってます。

1)高須先生のRTKLIBの論文
「RTK-GPS用プログラムライブラリRTKLIBの開発・評価および応用」
http://gpspp.sakura.ne.jp/paper2005/gpssymp_2007_rtklib.pdf
3ページの6.3.3評価下の6.3.3.1 固定点測定 の事例で精度評価例がありました。

●やってること:
基準局のデータと電子基準局のデータ1年分を後処理でRTK計算(rnx2rtkpモジュールを使って計算)

●比較方法:
基準局からの基線長が0.3km,3.3km,4.3km,9.9km,19.6km,33.1kmの6水準の計算結果から、電子基準局からの精度評価をしてます。

●評価方法
①RMS値(2乗平均平方根)でFIX解データばらつきを表現
RMS WIKI解説 標準偏差そのものです。標準偏差なので1シグマ相当のばらつきです。
=>1シグマだと確率分布の68%面積なのでばらつき全体をカバーしているとはいえません
しかし、GNSS分野では、1シグマで全てばらつきを表現してますので、精度の見方もそのレベルであると理解しておいたほうがいいです。工業製品の品質管理の世界では、最低でも3シグマ、管理をして5シグマをめざすのが常識なので、そういう感覚ではRTKの精度は、1シグマ表現であるということです。何故なら、自然界(大気と地形などの)の影響をうける現象なので人工的に管理できる工業製品の品質とは、精度管理の難易度が難しいためだと理解してます。
他の実験例、Ardusimple社の実験でも1シグマ1cm付近 3シグマで3.8cmです。

②FIX率
これは、毎周期の測定データを1エポックとカウントして全エポック数のうちFIXしているエポックの
%を表現したものです。これは、RTKILIBを使わなくも簡単にできますので、リアルタイムに計算できます。

※善意の基準局にも電子基準点からの精度評価をしたデータがあれば安心して使えると思います。

2)アイサンテクノロジー社の資料
「精度と正確度」
https://atmsp.aisantec.com/atmspark/modules/info_m2/topic/vol.2/20100226precision_and_accuracy.pdf

●会社概要 測量、3次元マップ制作システム開発をしているシステムインテグレーター

●精度計算のプロなので、真値=正確度とばらつき=精度と区分して解説してます。
●私の感想;やはり1シグマですべて管理してます。しかし、自動運転に使う技術では1シグマではまずい
と思いますので、GNSS技術では、自動運転は危ないのでレーザーを使ったLIDARがメインとなるのは道理です。GNSSは、
補完的な存在として自動運転に使われるので、精度より、コストと信頼性が優先となると思います。

=>信州MAKERSでは、以後RTK精度は、hAcc*3倍して3シグマ相当の
ばらつきとして、扱っていきます。ブログで公開している精度値として誤解が少ないからです。
※本記事から1か月後に基線長解析を実施して、3シグマ採用が妥当なことが実証されました。
hacc=1cmは、1シグマであって、RTKは、3シグマ相当の±3cmが実力です。
<基線長解析はRTKLIBを使わなくてもucenterとEXCELとubx-csv変換toolで簡単にできます。下記記事にtoolあります>

【RTK22】2kmと51km基準局での基線長ばらつき精度比較<ubx-csv変換TOOL公開>

 

●RTKLIB用のF9Pの出力設定方法
F9Pは、内部でRTK計算してますが、RTKLIBは、衛星からの生データを各種変換処理して解析するシステムなので、F9Pからは、生データを出力します。

●やり方を教えてくれるLINKあった、広島市立大学の高橋先生に感謝!
2周波GNSS測位モジュールZED-F9Pのu-centerでの設定」
https://www.s-taka.org/ubox-zed-f9p-configuration/

NAV-SAT,NAV-PVT,RXM-RAWX,RXM-SFRBXの4個だけ出力させて、NMEAなどは無しに設定

UBXメッセージ 概要
NAV-SAT 受信している衛星電波のID,電波強度、仰角、方位角などを記録
NAV-PVT Navigation Position Velocity Timeと精度など重要なパラメータがすべて1メッセージにはいっていて最もよく使われるメッセージです。100byte
RXM-RAWX デジカメのRAWデータ同様に各衛星電波の生データです。中身は理解できてないのですが、大きいデータとなります。2KBくらいありました
RXM-SFRBX Broadcast Navigation Data Subframe

航法データが収納されているらしいのですが、よくわかりませんが短いです。
1メッセージ32byte程度

※UBXの仕様書は、F9P interface description  HPG1.3 ファーム1.3用ですが、1.13が無くなってます
※高須先生のRTKLIBの講習会資料 http://gpspp.sakura.ne.jp/paper2005/IPNTJ_Seminar_2016_1.pdf
※静岡大学の木谷先生の講習会資料 https://swest.toppers.jp/SWEST21/program/pdfs/s5a_public.pdf

●RTKLIB v.2.3.4 b32 のリアルタイム表示アプリ RTKNAVIでF9Pを接続してみた。
=>この最新版でないと動作しませんでしたので注意です。
上記木谷先生の講習会資料を見ながらやりました。
詳細な設定は、難しいのでやらないでもRoverとBaseの衛星電波棒グラフがでました。
RTK計算をしてみたのですが、いつまでたってもFIXしないので何か設定がおかしいです。
次回以降RTK計算の方法など調査学習していきます。



●以後
RAWXの後処理方法を中心に学習していきます。

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