【パワーメーター2019】クランク校正開始<クロストーク有る>

計測システム80%程度完成して落ち着いてきたので、クランクの校正を始めました。
 過去3年間で校正を何回もしているのですが、今回は最も計測精度のよい校正ができていると思います。
●校正荷重方法の検討
①ペダルの代わりにφ9ねじ棒でおもりを釣って荷重位置を変える方法
(WIRE吊り)

➁ねじ棒にそのままダンベルを通して荷重する
=>荷重位置が変化するので、クロストーク誤差を含んでしまう

③ペダルにダンベルを吊り上げる方法
オーソドックスだが、荷重位置範囲が狭いのでモーメントのクロストーク評価ができない

●測定結果
①全体の傾向
クランク角度によってクロストークが発生している。特に上死点から45度までが大きい、下死点付近のほうが上死点よりは乖離が小さい。

考察1:接線力xクランク長=トルクなので、クランク角度を接線力に換算してグラフにしてあるが、同じ10kg荷重をプロットしても、上死点、下死点領域は、トルク全体からすると貢献度が非常に小さいことがわかる。たとえクロストークで精度が悪い範囲だとしても、踏力カーブの積分においては、大きな誤差にはならないのではないかと考えられるので、その観点で検証していきたい。

考察2:上死点が下死点より悪いのは、上死点は圧縮軸力が大きくなるが下死点は引張軸力が大きくなる違いがある、圧縮のほうがクランクの応力挙動に悪影響があるという点は、材料力学的にはあり得る。以前の理論計算でもその傾向がでていた。

【PMD2018】Crankはそりねじり変形が重要<Simulationと実験値一致>

➁傾きのばらつき傾向
3種類の荷重方法でもほぼ同等の傾向がでている。
水平位置を基準にすると±5%程度は軽くでている。実際の踏力波形では
誤差は縮小される傾向にあるので、シミュレーション計算してみる

③クロストークの影響
クランクが上死点に近づくほどクロストーク影響が大きくでる
実使用範囲でどこまででおちつくのかを検討する必要。
多分力センサにすれば干渉補正で、クロストークはある程度キャンセルできるが今回のシステムが多分力仕様になっていないので、計算で処理する

 

●以後
  クランクでクロストーク影響があるので、クランクのトルク精度もみながら、シートチューブの精度もみていかないといけません。シートチューブの場合は、人間が乗車しないと本当の応力がかからないので、静的な校正ができないという条件があります、3年前の基礎資料をおもいだしながら、この3年間の技術力の成果を使って、パワーメーター2019の仕上げをしようと思います。

 

 

 

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