河川敷でオープンスカイ状態で、Fix時間を測定する評価しました。
F9Pに比較して遅いのは、家の屋根アンテナでも判っていたのですが、何秒遅いのかを再現性よく実験するには河川敷のようがオープンスカイでやる必要があるので、河川敷で車の屋根に設置して測定しました。
結果概要:LC29Hは、RTKに入るまえの3D-FIXまでが20-30秒かかる、更に安定しない場合があるので
安定時間を25秒程度とるので、RTKを開始するまで1分近く通電時間が必要。RTK開始からRTK-FIXまでは
平均20秒~40秒でFIXする。F9Pと比較するとRTK-FIX時間で20~40秒遅い、3DーFIX安定時間で
30-50秒かかるので、トータルした通電からRTK-FIX時間だと最短50秒遅れ、最悪90秒遅れとなる。
しかし、FIXへの工程は、実測位での安定性の準備期間であることを考慮するとF9Pのように、FIX時間を
速くする設計思想が正しいとは限らないので、LC29HのRTK-FIX後の挙動とF9Pを比較していくことで
LC29Hの実用性を評価していく。
■大きな誤算
車の屋根なら鉄板のグランドプレーンなので、受信環境は抜群だと思っていたのですが、
逆に、大きな鉄板であることで、アンテナ設置位置で大きな障害が発生する羽目になりました。
0️⃣アンテナ3個をルーフに載せて、測位したらとんでもなくばらついた
F9Pより最大84秒も遅れてFixするなどばらつきが大きくて、とても数値データとして
確定できない状況だったので、LC29HのFIXばらつきの解析となった。

1️⃣家屋根アンテナで、詳細な解析
同じ場所・同じ基準局つまり家の屋根アンテナでも
RTK Fixまでの時間が毎回かなりばらつく。早いときはすぐFix、遅いときは数分。ログを見ると「RTCM投入タイミング」で挙動が荒れていました。 そこで初期化の入り口を制御する方式を試しました。この方式をGPTはゲート式と呼んでます。
RTKの前段として普通のGPSのコード測位のFIX状態、3D-FIXまでの時間TTFFとその後に
RTK計算で得られるRTK-FIXまでの時間RTK-TTFFの2つに分けて実験しました。
当初は気づかなかったのですが、実験中にRTK開始に手間取った場合のデータだとばらつきが少ない点に気づいて、3D-FIXまでの時間を観察することにしたら、
■3D-FIXになるまでは、RTCMをLC29HEAに入れないほうがよい。
ということが実験でわかったので、3D-FIXを確認するゲートをPythonプログラムにいれて
十分余裕を持たせて、RTKにはいることにしましたら、結果は下記です。
ゲート条件を満たすまでは、RTKにいきません
条件1:fix_qは3D-FIX番号1になること
条件2:nsat>=10は使っている衛星数が10個以上になること
条件3:hdop<=2.5以下衛星の視界幾何係数が少ないほどよい
条件4:1,2,3が15秒間連続して維持できたら、ゲート条件合格
条件5:更に、条件4が満たされてから10秒間まってからRTKに入ります。
時間的には、条件1,2,3が満たされるので、20-30秒で条件4,5で25秒かかるので55秒くらい
かけて3D-FIXをおちつかせてからRTKにはいるということで、LC29Hは、通電後1分くらいは
ウォームアップが必要なチップです。F9Pだと3D-FIX が速いのでRTKの開始が速いです。

■このゲートをいれたPythonコードは下記にあります。
このコードの実行操作手順は、プログラムをVSCODEデバッグ実行させるとNTRIP接続して
USBにLC29Hがささるのを待ちます。USB LC29Hが接続を認識してCOMが通ると
ゲート条件ループがまわって、ゲート条件完成までモニターが回ります。
ゲートが完成するとRTK開始のためにRTCMを配信します。F9Pだとゲートまでに時間で
十分準備が整っているので、1-2秒でRTK-FIXしますが、LC29Hは、それから10-40秒時間遅れます。
https://gist.github.com/dj1711572002/5d9fc165ce30d01f2f48a7ff1ba8c0ea
2️⃣Roofのアンテナ位置でのばらつきも大きかった
ゲートしても未だ、5回に一回くらい1分を超えるRTK-FIX時間が発生するという事件が
発生していて、これの解析をGPTにやらせたら、自動車の屋根での計測のヤバさが判った
❶全面鉄板だと、低仰角衛星電波が反射、回析、再反射などで乱れる
❷アンテナの位置が北東隅にあると1分以上かかる場合が発生していたが、中央にしたら無くなって短時間で安定してきた
平均20秒ほどでRTK-FIXする。
❸アンテナ位置での違いの検証
低仰角20度以下の衛星電波のC/N0値のばらつきを統計とって方向別に並べて、北東端と中央アンテナでの
結果は下記 メカニズムは2️⃣で図示してある。
考察:S,SWで顕著にばらつきが減っていることが、FIXのばらつきを減少させた。
しかし、NW方向は、逆にばらつきが増えているがFIXへの影響がない点は、
日本(北半球)では測位幾何的に南側衛星が効きやすく、
S/SW方向の低仰角品質がRTK初期FIXを支配する。という法則性があるため、S方位を重視する
●以後
FIX後の動作でのLC29HEAの性能とF9Pの比較をするために、マイコンログシステムを組立て、いろいろな
動きでの計測をおこなっていく、スキー、歩行、自動車で、比較評価を行っていく。







