【STA24】3Dプリント防水ケース作りその4<Oリング溝丸溝が良い>

STA24の目玉は、防水ケースです。ここ3年、RTKシステムボックスを防水にできなかったため
上肢より上にシステムボックスを装着していたため、システムの装着手間が大変で、スキーを開始するまで
30分以上かかってました。ST24では、ブーツつま先上に全システムとアンテナを設置するので、装着が非常に
簡単で、時間も数分で装着完了できる目的で防水ケースを設計してます。

●一発目の造形はダメだった。
最初は、大き目で作って回路基板がどのくらい余裕があるかをチェックできるように外径140ミリの
ポリゴン8角形のグランドプレーンの試作を作ってみました。

水漏れ写真

×漏れ対策1:ネジ締め圧力不足=>PLAで締め上げても、クリープ(時間とともに変形)して応力緩和されてしまう。
×漏れ対策2:Oリングが細いので、つぶしがたりないのではないか?=>ブチルテープを巻いて太らせても、水漏れは発生した。
漏れの対策2:角溝とOリングの接触が3DPの表面が荒いので、水が凹凸を通過してしまう
=>コーキング剤をO溝に充填してOリングを載せて締めたら少しよくなったが完璧でない

◎以上の結果より
「3DP造形物は、表面がデコボコなので、Oリングとの密着が悪いからではないか?」
との推論をもって、2発目の造形をしました。

●2発目の造形は、OKでした。
改良点1:溝の形状を●断面にして、圧縮率も30%と最大圧縮代をとった。φ3.7mm径に対して、つぶし1.1mmつぶす
改良点2:ネジ締め位置をOリング溝のできるだけ近くで締め付けて、PLAの変形で圧力が逃げる影響を減らした。
改良点3:1発目はφ140mmだったのをφ120mmにして、小さくした

試験結果
水深10mmで12時間漬けても、水漏れなし、今までの最高記録(PLAがクリープ変形するので、時間をおいてみないと水漏れがわからない)

アルミ板の上5ミリくらいまで水が浸かってます。

※2024年1月7日(3か月後の結果 防水試験をやりながら改良するのでか月単位でかかります)
いろいろ造形して、シール溝で防水試験やったきましたが、JIS規格のシール溝では、全然役にたちませんでした。3D造形物がJISレベルの物ではないからです。
原因1:表面粗さが粗いので、数十μmも凹凸があればそこから水が浸透してしまう。
原因2:シールゴムをフタをネジ締めで圧着すると、全体が変形して、逆に隙間が発生してしまう場合があって
シール部の造形形状は、円柱状で均一な壁厚さにする必要がある。
原因3:シール部以外に、全体的に壁から水が浸透するので、防水剤の厚塗りが必須です
使った防水剤:パジコ(Padico) 粘土用塗料 防水材 ツヤなし 100ml 2944

最終対策:結局あちこちで、隙間が発生するので、ゴムシールの面に、コーキング剤をベタ塗りして、2日ほど硬化ささせたシール面を作って、ようやく完璧な防水になりました。
使ったコーキング剤 
コニシ ボンド 変成シリコンコークQ チューブ 120ml グレー #04953

 

●3Dプリンタ造形の課題
①φ140高さ30ミリだと7時間かかります。中実100%なので、フィラメントも35mも食うので、小さい造形にしないと大変な時間を食う。
②φ120で厚さ10ミリで5時間まで短縮した。株の基板ケースは、できるだけ小さい四角で作って接着させたほうがいい
7時間は待ってられないので、5時間で中断して、水深10ミリ程度の防水試験で初期防水性能をみました。

 

●考察
  今までJIS標準でのOリングの設計を学習してきましたが3DP造形物では、通用しませんでした。常識からはずれたモノづくりなので従来の常識的なアプローチでなく、原理からアプローチしていくことが重要だと
 今回改めて、感じました。
 防水の原理:隙間が1ミクロンでもあれば水漏れが発生する。
 隙間を減らす方法1:表面仕上げを上げて、平滑面をつくる=>今回も片面は3ミリのアルミ板で平滑面を確保してある。
  隙間を減らす方法2:シールと溝面にコーキング剤など充填剤をいれて、隙間を埋め=>後日やってみる

 隙間を減らす方法3:ゴムシールとの接触面積を増やす=>今回は、丸断面にすることで、面接触になったので、角溝の場合より密着防水効果があがった。

●以後
  基板ケースとの接着実験を始める。
ケースだけの状態でスキーに行って、実際での防水実験を行って、十分な結果がえられたら基板を実装してスキーで実験する。
  

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です