2020年1月からスタートしたGNSS RTK技術を応用したスキー計測開発ですが、来年で5年目を迎えます。
RTKでスキーの姿勢と軌跡を測定するだけでしたが、STA24では、役に立つを実感できるような機能を実現していこうと思ってます。流石に5年も同じテーマをやっていて、まとまらないのも困ったもので、なんとか、こじんまりとまとめてみたいと思います。開発の成果としては、マイコン、PCのプログラム力は、この5年間で大幅にアップして、5年前に組み込みシステムでできなかったことでも今ならスイスイとできるようになってます。
ですので、無駄な開発はしてなかったと思います。
=>70歳になるので、体力的に落ちてきていて、集中力も年々おちます。スキーもあまり滑れなくなりそうなので2024年でSTAを完成させないと一生できないかもしれないので、まとめにはいります。
●システムの変遷
RTKシステム | 課題と進捗 | |
2020年1月~4月 | SimpleRTK2B Heading set 1セットのみで 片スキーで測定 RTCM3はESP32でNTRIP受信してBaseに渡す F9P Base Rover出力は、NucleoF446REでまとめてノートPCでログ |
足から胴体に這わせたアンテナ線が
揺動すると受信に異常が発生した。 |
2021年 | 2セット目のSimpleRTK2B headingsetで両足測定 マイコンもM5AtomとM5StickCとM5Core2を使ってデータログと無線モニター VB.NETでモニタープログラム作成 |
当初、胸のラジオハーネスのシステムを装着していたが、21年3月から腿に巻き付けて装着することで、アンテナ線の揺動を防ぐ構成にした。 |
2022年 | マイコンをTeensy4.1に変更 モニターシステムもC#でプログラム作成するようになった | 実験サイトを松本市から長野市へ移転するための作業で実験はほとんどできなかったが、Teensyのプログラムを1年かけて、完成度をあげた。 |
2023年 | レガースタイプにして、アンテナもレガースに2個取り付けて、VCBLとして、All In Oneシステムにした。 | 取り扱い性向上したがアンテナの取り付け、防水、配線で課題 |
●今までのやりたいと思ったことメモ
アイテム | 仕様 | 状況 |
①スキー滑走直後に滑りのレポートを見られるモニター | 横滑り角(ズラシ角)がわかるので、切れてるか切れてないか判定可能 | アニメーションはできたが データ処理操作時間がかかるので直後にできてない |
②RTKの遅さをカバーするために別センサを検討 | 高速GPS M9Nで25Hzサンプルと Fusion付IMUBNO055を試したが IMUは、yaw角精度が大きくばらつくため補間はM9Nのほうが可能性が高いと判断した。IMUは、roll pitchなら十分役だつのでyawだけ断念することにします。 |
別案として、高速GPSのM9NのPVTが25Hzなので、速度ベクトルとheadMotの精度がIMU yaw角精度より精度が良いので RTKの補間候補として右足だけで試してみる。 |
③スキーのたわみデータもいれたい | ひずみゲージ式でたわみが測定するゲージ試作したが、耐久性と耐水性で実使用課題大きい | 別システムとして独立させる |
④ターン時の人間の姿勢も計測して、正しく乗っているか判定してその場で伝えたい | MovingBaseアンテナを両肩に装着して 足元との位置関係からスキーターン時の姿勢を得る |
スマホ、タブレットでのモニター表示 音声でデータを読み上げる機能 |
●STA24の概仕様
①レガースへのAll InOneコンセプト
VCBLを中心に足元で、全ての計測が完結できるようにすることで、スキー板を選ばずに
その場で、測定したい人が使える仕様。
②STAとして最低限使える仕様を目指す。
今までRTKの遅さの補間で、2023年の9か月過ぎてしまったので、IMUのyaw測定に偏りすぎました。
RTKが遅くても、私のスキー速度なら十分カバーできるので、補間機能は、二の次にします。
それより、身体姿勢とスキーの姿勢として、IMUのpitch rollをしっかりと測定して上体との反力ベクトルを
正確に得られるようにします。
③モニターシステムは、通信負荷を減らして確実な動作を目指す
滑走中は、秒単位の更新レートで状態を音で伝える機能にして、データは、SDにログして、滑走直後に
タブレットにアップロードできるようにする。現在はBlueToothですが、余裕があればUDPにしたいのですが
無線モジュールのESP32のシリアルをどこまで高速化できるかが問題です。
●感想
毎年秋口に翌年の計画を検討して記事を書くのですが、実現した試しがありません。
だいたい50%程度で実現できてるので、あまり多くを計画しないようにして、いきます。