時系列のデータは、BNO055のドリフト補正で、片づいたので、XYグラフ(スキーターンの軌跡)をどう表現するかの検討をしてます。左足の基板作りも今週中にやらないといけないのですが、アイデアがでると道草を食う性格で
ついついアイデアの実験をしてしまいます。
●スキーにおけるFALL LINE
斜面の起伏 等高線によって、最も速く落下できるルートです。
これは、地図を見ないと決まらないのかと思っていたのですが、
センシングでも可能な方法を2つ考えました。
①原理からのアプローチ
重力加速度のベクトル方向をスキー板の座標から見て、板の水平加速度成分の方向が
Fall Lineになるはずですですので、3軸の加速度とスキーの姿勢で分かるはずです。
しかし、板の姿勢のうち進行方向の傾斜がデータが、RTKと比較して全然合ってない課題があります。
もしかすると、進行方向のデータは、スキーの上下方向の激しい振動が含まれるのでノイズに埋もれてしまっているのかも
しれません。後日、生の加速度データを解析してみます。過去の経験では、スキー滑走中の加速度データは暴れるので、使えなかったので確実に板の傾斜が測定できるRTK Moving Base法を優先します。
②アイデア「板の最大傾斜ポイントでの速度ベクトルの方向がFallLineになる」
スキーターンの特徴として、毎回FallLineを通過しながら、左右ターンしていきます。
つまり、FallLineを通過するときの板の傾斜角が最も最大になる方向がFallLineです。
IMUでも測定してるのですが、原因不明ですがくっきりでてませんでした。
板の標高方向の精度は、水平方向の精度±1cmより悪く±3cmくらいですので
三角関数で板の角度を計算すると誤差で埋もれてしまいます。単純に前後のアンテナ間
の鉛直落差である、RELPOSNEDのD値を板の傾斜と見たほうが良いです。
とりあえず、Excelで確認
赤線:headMot(速度ベクトル方角)
黄色:pitch(物理的にはroll)板の左右エッジングでの傾き
青線:RELPOSNEDからATANで計算した板の傾斜角
黒線:RELPOSNEDのD値(アンテナ間の落差)cm
緑線:roll(物理的にはpitch)で、板の進行方向の傾斜角
FallLineは、赤波形のピークから下りから下ピーク付近で現れるはずです。
緑線だと赤線の下り区間ではっきりと変動がみえないですが、
黒線だとくっきりとピークが見えます。
●スキー動作から説明
1:今回は右板のデータのみなので赤線の下り区間が右足谷足の左ターンとなります。
2:前のターンが終わって、NutralPointで、左右板の切り替え動作します。
=>黄色の板の傾斜がゼロ度を通過する点がNutralPointで、板がゼロ点を通過します。
=>速度方向赤線もピークを迎えて増減が逆転します。
3:FallLineは、赤線の上ピークから下ピークの間に必ずあります。
4:黒線のピークがスキー板の前後落差の最大値ですので、その地形での最も斜面が傾いている場所となりますので、黒線のピーク位置が、FallLine点として重要な位置となります。
●モニターアプリで全データで確認してみた
今あるスキー滑走のデータで、FallLine検出のアイデアがあっているか見てみました。
いろいろなパターンがあって、こぶのような場合は、FallLineがころころ変わると思います。
板の前後落差が大きいと速度が上がっているのがわかります。基本はFallLineにどれだけ
沿ってすべるかで速度が決まる原理です。
●以後
測定とデータ処理の自動化で、無数のスキー滑走パターンを測定していきます。
IMUのみで、FallLine抽出できるかも課題として残しておきます。