【RTK22】FW1.32にアップしてUART2-OUTを使った<MovingBase性能アップ>

昨年末から、FW1.3をアップしたかったのですが、Ardusimple社のConfigurationファイルの準備が遅れるとのことで、夏まで待っていたら、FW1.32とマイナーアップがあって、秋にFW1.32にアップすることになりました。ファームのアップは、今までのシステムとの整合性がとれなくなると怖いので、アップされてから半年から1年待ったほうが安心です。

●FW1.13からFW1.32へアップした理由
 「UART2のOUTからUBXデータが出力可能となった。」
 これは、MovingBaseをマイコンで使っているユーザーにとって、非常に大きい出来事です。
 何故なら
◆MovingBaseのポートが、不足していたからです。
   UART1 OUTは、RoverへのRTCM3送信で使っている。
     UART2  INは、BaseへのRTCM3供給で使っている。OUTは使用不可だった。
 つまり、BaseからSerial経由でマイコンへデータを送信することができなかったのです。
 
しょうがないので、私は、TeensyのUSBHOST機能を使って、USB経由で受信していたのですが、USBHOSTt36とsdFatライブラリが干渉するなどプログラム作りが大変な点とUSBコネクタ、HUBの容積を食う点でデメリットがありました。
◎得られたモノ<MovingBaseの性能がアップした。>
Baseの基線長情報(基準局とのRELPOSNED)が得られるので、位置精度が0.1mm単位で、測定できます。メーカーのdefault設定のMovingBaseとかRTKだと、緯度経度でしか位置情報が得られませんが、緯度経度を距離に換算する式が換算精度が悪いので、精度の良い位置が得られなかったという不具合が解消できるので、非常に有効な改良ができました。

●手順

1:ファームウェアbinファイルをダウンロード
 ubloxのサイト:ZED-F9P HPG 1.32 firmware
2:Ardusimple社のMovingBaseのConfiguration txtファイルをダウンロード
Ardusimpleのサイト:https://www.ardusimple.com/wp-content/uploads/2022/09/simpleRTK2Blite_FW132_HeadingKit_MovingBase_5Hz-00.txt

※rateがFW1.13が10HzでFW1.32が8Hzとなってますが、私は、8.3Hz(120msec)で使ってます。
 人間の運動動作を測定するには、25Hz以上が絶対必要なので、10Hzだろうが、8Hzだろうが
 遅すぎる点は、同じですので、F9Pを25HzGPSで補間する方式を開発中です。

※このファイル名でsimpleRTK2Bliteとなってますが、simpleRTK2Bでも同様に使えます。
3:ファーム書き込みとconfigファイル書き込み
 これは、私の1.13の時の備忘録をご覧ください。simpleRTK2B用です。

4:UcenterのUART2 PRTとMSGの設定(他の設定は、Configファイルのままで大丈夫です)

5:動作させてピンから信号がでてるかオシロでチェック
◆注意:SimpleRTK2ボードのUARTのピン表記が癖があります。
UART1のOUT=TX1、IN=RX1ですが、
UART2のOUT=RX2、IN=TX2と表記されてます。ここだけXbeeから見た出力と入力です。
ということで、UART2の出力は、RX2ピンをマイコンとかオシロに接続します。

6:信号を受信して、データを確認
マイコンプログラムを作ってある方は、マイコンでUART受信します。
PCでUcenterで確認したい方は、USBシリアル変換基板を使ってPCで受信します。

使ったプログラムは、teensy4.1用です、uart1にいれてます。
https://gist.github.com/dj1711572002/ce48884a9dc91ad94a3171830893c6bd

●完成形
UART2のINには、従来通り、ESP8266からNTRIP接続で得たRTCM3を入力します。
UART2のOUTは、新たに、NAV-PVTとNAV-RELPOSNEDを出力します。
USBHOSTより部品が減って、コンパクトになります。

●以後
2022年は、USBHOSTベースでマイコンプログラム作ってきましたが、STA22では、
USBHOSTを使わずにUARTだけで、F9Pと通信できるようになりました。
ハードウェアUARTが8本もあるTeensyなので、多数UARTポートのプログラムが楽です。
実装面で、USBHOSTが体積を食うので、改善されたので良かったです。
さらに、プログラム的には、USBHOSTt36とsdFatが干渉する課題もなくなるのでラッキーでした。
これで、STA22の大きな課題 1個を解決できました。

 

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