カーボンフィラメントの造形特性で、PLAに近いProtopastaフィラメントでなんとか角アーチを造形できたのですが、荷重ーひずみを測定してみるとDriftが多く不安定な挙動で角アーチ構造では使えないことがわかりました。
■目詰まり性とDrift特性で相反する傾向がある
CarbonFilでは、このような大きなDriftと不安定現象はでなかったので、角アーチにおいては材料差が大きくでてきたと思われます。角アーチのみならず、今まで1か月間開発してきてNGをだした形状でもCarbonFIlにするとOKになる可能性もでてきました。しかし、CarbonFilの目詰まり性がProtopastaより悪い傾向にあるので、板挟み状態に陥ってしまってますが、アマゾンからエクストルーダ補修パーツが届いたのでCarbonFilを再度造形トライしてみます。
●Prtotopastaカーボンフィラメント角アーチの測定結果
ゼロ点が荷重を繰り返すごとに下がっていきます34digitでてます
何回か荷重を繰り返しても毎回違った波形とドリフトがでますのでばらばらだということで、角アーチは使えないと判断します。
目詰まり事件直前に、CarbonFilで角アーチを造形して測定した場合(拘束条件は違いますが)Driftも4.6digitで安定した波形になってました。
CarbonFil | Protopasta | |
比重 | 1.19 | 1.3 |
吸湿率 | ±0.13% | ー |
衝撃強度 | 7.9KJ/m3 | ー |
引張強度 | 3800MPa | ー |
引張破断伸び | 8% | ー |
曲げ弾性率 | 4600MPa | 6560MPa |
ロックウェル硬度 | 109 | ー |
プリント温度 | 230-265℃ | 220℃ |
軟化温度 | 85℃ | 57℃ |
M3ネジ強度 | ▲ | ✖ |
目詰まり性 | ▲ | △ |
●カーボンフィラメントでの評価記録をまとめてみた
これを見ると、
①CarbonFIlの結果が〇の場合が多い(組み合わせ的良い場合が多いかもしれない)
②No16,17で角アーチで材料比較をしているのですが、CarbonFIlの場合はOKだったのが、
Protopastaの場合ドリフトが悪くなってNGです。
③曲げBEAMでは、両材料で大差はみられませんでしたが、せん断とか、異形状の場合は、異方性がでてきて差がでてくる可能性も考えられます。
④「ドリフトと安定性では、CarvonFIlがProtopastaより良い」
と仮定するとこの1か月やってきてNGがでた評価がOKになる可能性があります。
●以後
この1か月間Protopasataだけ評価してきましたが、曲げBEAMは〇ですが、斜め貼りのせん断ブリッジでは全くNGでした。特に丸断面の斜め貼りブリッジでもドリフトが大きくてNGだったのですが、この原因にProtopastaが悪かったという疑いもでてきました。今まで超薄型15mmから始まってDrift性能でどんどん厚くなってきて60mmまで巨大化してきましたが、再度1か月前に戻って丸断面のFz分力斜め貼りゲージをCarbonFIlで評価してみたいと思います。