BNO055をいじりだして6か月経過しましたが、FUSION付で便利なMEMS IMUとして、使い始めたのですが
磁気センサが20Hzと遅い点と高回転速度(200dps以上)で誤差が最悪±20度となる点で9軸Fusionがダメになって、IMUモード6軸で使ってみたら、6軸FUSIONが1回転が320度とかバラバラにでてくるようになって、Quarternion出力が何故か出鱈目になっていて、IMUモードでは、Fusionの良さであるセンサ座標を絶対座標に自動変換してくれる機能が使えなくなって、普通のIMUとして使うという結果に至ってます。Gyroセンサとして積分した場合の1周が±4度平均で60度傾けても±8度程度とFUSIONのばらつきより小さいです。センサ座標だけで使っていれば、ばらつきは小さくすみますが、絶対座標に変換するところで、大きなばらつきを拾ってしまうのがFUSIONの欠点だと思います。私の使い方は、RTKの補間なので、基準がRTKデータなので、絶対座標がでなくても、絶対座標であるRTKデータと比較すればいいだけなので、センサ座標データでも補間には使えると踏んでます。
※2023年11月 BNO055は、卒業して、BNO085に乗り換えます。
BNO055は、BOSCHの開発製品で、BNO08xシリーズは、CEVA社の開発品となります。
CEVA社は、センサのファーム開発の専業メーカーで、MEMS半導体メーカーのチップにマイコンとファームを搭載してSIPを製品として開発してます。ですので、同じBNOでも、BNO055とは全く違った製品になるので、どこまで性能と品質が向上しているから2024年かけて、実験評価していきます。
高性能IMUのアナログデバイス社の解説書です。
自律マシンのアプリケーションを可能にする 高性能な慣性センシング・ソリューション
● 安いMEMS IMUのyaw精度は、半分あきらめているのですが、BNO055は、初めてFUSION付のIMUをいじる体験には良かったと思います。
=>静電気が原理のMEMSセンサは環境と経時ドリフトから逃げられないので、ファームで何とかするかの手段しかありません。
RTKは、動きに弱いのとかさばる欠点があるので、それを補間する目的でもう少しマシな手頃なMEMSセンサないのか探し続けてます。
VRトラッキング分野が市場が大きいので、その関連で、IMUの開発が進んでいるのを検索で知りました。VRトラッカーで検索してIMUさがしました。
BoschのセンサをCEVA社がFUSIONファームを開発してBNO08xの製品化しているそうです。
CEVA社の開発の進歩しだいで、IMUが良くなっていきます。 CEVA社
BNO055は、ダメで、BNO085のほうがマシだとのブログあります。BNO055のyaw精度が全然ダメなことは、体験済みなのでなので
BNO055卒業して、Adafruit BNO085へ乗り換えます。、BNO08x系のほうが055よりは仕様は上なので、私は中国通販は使わないので、DIGIKEYへ2個発注しました。DIGIKEYは、6000円以上で、送料無料なので、2個買うと国内の電子部品通販より、円レートが150円/$でも30%も安く入手できます。関税もDIGIKEY負担なので、送料、関税無料で、製品価格のまま購入できて米国個人輸入のほうが安いし、UPSで4-5日で届くので、便利でお得です。
BNO055は、人間の緩慢な動作用ですが、BNO08xシリーズは、VR用のIMUなので、Fusionでのドリフト対策もそれなりに出来ていると期待してます。
方角精度3.5-4.5度と記載されてるのは、BNO055と同レベルですが、急激な姿勢変化でBNO055が破綻するので、それが無ければラッキーです。
仕様書;Boschではなく、CEVAというメーカーですが、BoschからOEMしているメーカーです。BNO08xシリーズでまとめた仕様書です。
https://www.ceva-dsp.com/wp-content/uploads/2019/10/BNO080_085-Datasheet.pdf
未だ、あまり読んでませんが、磁気センサの周波数100Hzなので、BNO055の20Hzより相当良いです。
BNO086が今夏に発売されましたが、085と大差なく同じ仕様書です。Sparkfun製よりAdafruit製が安いです。これで、2024年もスキーと機械学習で遊べます。
Adafruit 9-DOF Orientation IMU Fusion Breakout – BNO085
DIGIKEY販売ページ https://www.digikey.jp/ja/products/detail/adafruit-industries-llc/4754/13426653
●普通のIMUとして使うなら、もっと性能の良いものがあるんじゃないかと今更むしかえしました。
今までいじった加速度センサで一番性能が良かったのが、AnalogDevice社にADXLシリーズでしたので
AnalogDeviceの資料を検索してIMUの基本的な解説資料見つけました。
https://www.analog.com/jp/technical-articles/high-perf-inertial-sensors-propelling-internet-of-moving-things.html
「動くモノのインターネット(IoMT、INTERNET OF MOVING THINGS)を推進する高性能慣性センサー」
この文章では、慣性センサと用途別に必要な性能を解説してます。
その中で、センサFUSIONについて重要な文章がありました。
————————————–上記PDFの最後の章——————————————————————–
センサー・フュージョンは低品質のセンサーを補えるか
端的に言って「ノー」です。センサー・フュージョンは、環境、運動力学、およびアプリケーションの状態を基準にして、センサーの組み合わせを融合あるいは管理するフィルタリング機能とアルゴリズムです。これは、温度補償のような確定的補正方法を提供し、システム状態に関するデータに基づいて、あるセンサーから別のセンサーへの切り替えを管理します。しかし、そのセンサーが本来持つ欠点を解決するものではありません。
センサー・フュージョンの設計において最も重要なタスクは、まず、残りの設計プロセスを進めるために、アプリケーションの状態を十分に理解することです。所定のアプリケーションに対して適切なセンサーを選択したら、ミッション全体のさまざまな段階におけるその重要度(関連性)を理解するために、詳細な分析を行います。歩行者用の自律ナビゲーションの例では、そのソリューションは主に、性能を追求した設計かどうかではなく、使用できる機器(例えば、スマートフォンに組み込まれたセンサー)によって決まります。この場合は GPS への依存度が大きく、組み込みの慣性センサーや磁気センサーのような他の使用できるセンサーを加えても、有効な位置情報を決定するというタスクに寄与する度合はわずかです。これは屋外ではかなりうまく機能しますが、課題の多い都市環境や屋内では GPS は使用できず、使用可能な他のセンサーの品質は高くないので、大きなギャップ(つまり、位置情報品質の不確実性)が残ることになります。通常は、先進的なフィルタとアルゴリズムが採用され、センサーを追加したり、より高品質のセンサーを使用したりすることなくこれらのセンサーを融合しますが、ソフトウェアでは不確実性のギャップを埋めることはほとんどできず、これは最終的に、レポートされた位置の信頼性を大きく低下させます。
BNO055に当てつけたような文章ですが、MEMSセンサとして性能が悪いものをFUSIONアルゴリズムでは補うことはできませんよということです。確かに、センサFUSIONは、3種類のセンサのデータを補完しあってセンサ座標から絶対座標の姿勢角を得るのですが、アプリケーションによって、ケースバイケースで、一個でもダメなデータがあれば全体が崩れるので、結局、全員が良くないとダメという至極当たり前のことを説明している文章です。アナログデバイス社の社風なのか、こういう文書が多いです。
●MEMS高性能のセンサは数十万円する
数千円の電子工作で使っているIMUは、センサとして仕様がきちんと記述されてないものが多いです。
BNO055も慣性センサとしての仕様かいてないので比較ができません、書いてないセンサは悪いということと理解してます。
製品の優劣は、ノイズの少なさにあると思ってます。積分誤差が少なければ精度が良いということです。
アナログデバイス社のノイズの解説
https://www.analog.com/en/technical-articles/critical-noise-sources-mems-gyroscopes.html
ノイズからみるとEPSONの慣性センサは、秀でてますが、最高角速度が450dpsと低いので早い動きはダメです。
https://www.epson.jp/prod/sensing_system/imu/feature/
MEMS IMUは、各社優劣があって、用途に合わせたスペックを選ぶという感じです。
時代とともに、高性能が低価格化してくるので、自動運転の普及で、数十万円のセンサの価格が下がってくると
思いますので、待っていればいいということだと思います。
●今更ながらRTKのパフォーマンスが凄い
数十万円のMEMSセンサだとHEADING角±1度以下になりますが、RTK F9Pだと4-5万円でHeading角1度未満になるし、絶対位置精度が±1cmは、IMUでは永遠に出せない精度ですので、RTK技術は凄いです。
●なぜ、IMUで補間することにこだわるのか?
理由1:F9Pが10Hzと遅い点=>SeptentrioのMOSAICを使えば20-50Hzまで上がるが10万円超える価値あるのか?
理由2:スキー用途でアンテナ2個をスキーにとりつけるのが実使用上の大きな課題=>工夫次第でなんとかならないか?
●以後
IMUは、BNO055でデータだけはログしておいて、後処理をしながら、どこまで使えるか検討していきます。
RTKは。理由1,2を再度考え直します。