●多分力センサの開発で、課題となるのは校正作業です。
全方向の荷重治具を作るとなると大規模な試作が必要で、趣味の領域から
逸脱するほど規模が大きく時間がかかるので、この3年間は簡易治具だけで校正してきました。しかし、干渉補正を必要な分力範囲で実施するには
どうしても、全方向での荷重入力が必要となります。
●Smart Calibration Probe のアイデア
そのために、Smart Calibration Probeという、3軸のプッシュプルゲージにIMUがついた荷重治具のアイデアをだして検討してます。
●SmartCalibration Probeの基礎的な課題の確認
本来錘荷重で校正していたものを手荷重に代替えしようとしていることで
校正精度がきちんとでるのか、基本的な確認実験をします。
1軸のSCPを作って、原理実験をしてから3軸のSCPの開発にかかろうと思います。1軸のSCP(プッシュプルゲージにIMUがついた物)を作りました。
◆1軸のSCPで確認したいこと
確認事項 | 内容 |
①IMUの角度精度と分力発生精度 | ・鉛直真下方向へ錘荷重と同様の精度で負荷できるか? ・水平押しでの手の角度ばらつきで分力ばらつきはどの程度発生して、校正精度上問題にならないか? |
②先端部材の選定と分力発生精度 | ・先端部材をどのような形状材質にするかで荷重と分力の出し方が大きく変わるので観察する ・現在取り付けてあるプレインベアの性能はどの程度あるのか? |
③押し方による分力発生精度 | ・簡単な手荷重での動的な校正をやってみる =>中華ロードセルで3分力計組んで、校正してみる |
④M5StickCで使いがってはいいか | ・ボタンの使い方 ・校正ユーティリティを作っていく |
●5kgの中華ロードセルでプッシュプルゲージを作る
中華ロードセルは初期の6分力計開発で数十個仕入れてあったので
その中から5kg荷重のロードセルを使ってプッシュプルゲージを
作ってみました。5kgとなると3DPでボディを作るわけにもいかないので 板金具とボルトナットを組み合わせて作りました。M5ねじで取手と先端ベアとM4ねじでロードセル固定とM8ナットをスペーサーに使ってます。
使った板金具は、ホームセンタにある場合もありますが、なければモノタローにあります。サイズ板厚が3ミリ以上必要です。
長さ幅は使うロードセルに合わせてください。
https://www.monotaro.com/g/00247831/
有線だとからむので、無線で力と角度データをBlueToothSPPでPCへ送信します。M5StickCは、IMUと無線とDisplayとボタンが3個がついているので、ガジェット作りには非常に便利です。TARE機能も電源ボタン1秒以内押しで作りました。
●1軸SCPの校正
5kgの中華ロードセルの校正したことがなかったので、全モーメントでRoverbal性能がでているか荷重してみましたが、見事にクロストーク影響をキャンセルできてました。2kgのロードセルだとクロストーク若干あるのですが、5kgだとボディ剛性があるので、クロストークにも強く出来上がってました。
●M5StickCシステム
1CHだけなので、LT1167を使いました。
これの組み立てはこちらの記事です。
IMUから姿勢角の決め方
ASINでXYZ加速度から角度へ変換
IMU6882のゼロ点精度が0.04~0.1mGなので、重力加速度が
1.05Gとかでてくるので、1以上は1とする処理いれました。
ArduinoIDE M5stickCのプログラムは備忘録用にGISTにアップしてあります。
https://gist.github.com/dj1711572002/2a78dd3e55905c8c4b83ecd0f899b71e
●以後
上記確認事項に沿って、実験していきます。