【MFT2019】マウス軌跡解析方法<WS2欠点見えた>

●AD7193へ変更した理由
準静的な用途用のHX711では、10Hzがデフォルトで、80Hzでは使えないため(仕様には80Hzと書いてあるが基板が対応してない多分まともに動作しない)、そこで、高速、高精度でひずみアンプ内蔵の多CH ADCチップとして
AD7193を選定したわけです。
AD7193で2CHのサンプリングが200Hz付近まで向上したため、
HIDへの座標位置データ転送が高速化したのでカーソルの動きがめちゃくちゃ早くなりました。初めてクワエルマウスのカーソルの軌跡運動をマウスとトラックポイントと比較して測定できるようになりました。

●マウスのカーソル軌跡の測定方法
HIDマウス入力をログするソフトはフリーで何種類かありますが
ログファイルをEXCELで読みこめるソフトは1つもありませんでした。そこで、サンプリング速度調整ができるソフトで
MouseTracerという昔のソフトを利用させていただきました。
https://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se219500.html

これは、サンプリング最速5msecで、マウスの座標をトレースしてくれます。ただし、ログファイルはtrc形式という独自のフォーマットにバイナリファイルでした。バイナリーエディタで眺めると
単純なフォーマットだったので、これをEXCELで読み込むVBAを作って、マウス軌跡解析方法を開発しました。
Binary変換VBAは下記QIITAからいただきました。
https://qiita.com/yamashiroakihito/items/45d8368d9e62f27221fe

MouseTracerで5msecでログしたtrcファイルをVBAで読み込んでバイナリーをDECに変換して、表にします。その表を手動でグラフに加工して解析するという方法です。

●ポインティングデバイスの比較
MOUSE(Logicool M545)
Track Point(ThinkPadキーボード中央にある赤ボタン)
=>ひずみゲージ式のポインティングデバイス
クワエルマウス WS2
=>2本のRoverbalを平行に配置して前後、左右の分力を検知

●時間波形(画面の対角を往復する運動)

マウスとトラックポイントはほぼ同じ波形で安定したなめらかに動いている様子がみえますが、
課題1:WS2は、横方向のX座標の動きが対角座標を網羅できてませんでした。
課題2:XY座標とも傾きが急で、コントロールしにくくなっていた。
課題3:XYを同時に動作させることがむずかしい

●XY座標をどこまで埋められるのか
ランダムに全面をスキャンさせて、どこまでXY座標を埋められるかを比較してみた。

結果1:マウスが10秒で密度が均等に埋まっているのに結果2:トラックポイント33秒にも拘わらず、曲線的な軌跡が多く、その分埋まってない領域が多い
結果3:WS2は、46秒もかけてもX座標が0~800
Y座標が0~800の直角三角形範囲が埋まってないし、
全体的に隙間空間が多い

●以後
 WS2は、ダメなことが判ったのでWS3の試作検討に入ります。
ポインティングデバイスの原理原則が理解できてない点を踏まえて、今まで現物合わせ的に試作していた方法をやめて、1個1個動的特性まで校正して、HIDへの制御データアルゴリズムも何種類か決めてパラメータを確定して作っていこうと思います。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です