【MAFS2019】AD7794SettlingTime遅すぎ<AD7194に変更>

●経緯:
2017,2018年は、ひずみゲージアンプとして、HX711とLT1167を使ってきましたが、
HX711:安くて分解能と精度良いがSIOインターフェースのノイズ化けが酷いのと
応答周波数が80Hzしかないので、動的力測定が厳しいです。
LT1167:計装アンプと言われるアナログICですが、高性能なひずみゲージの微小電圧を増幅してくれるオペアンプですが、マイコンADCまでのノイズ対策は自己責任になるのでLT1167出力からマイコンのAD変換でノイズ載ってしまって苦労してます。

2019年では、これらの課題をクリアした新アンプICを探して、6分力センサのデフォルトアンプにしようとしてます。
3月末までに、採用アンプを決定しようとおもいます。一発目のAD7794は、超低ノイズでいいのですが多CH切り替えが遅いネックがあってNGでしたので、次にAD7194にトライしますが、未だ学習不足なので、何等かの課題がでてくると思います。

●AD7794の課題=>精度は良いが多CH切り替えが遅い

初期動作で1CHが精度よく測定できてほっとしたのですが、多CHのプログラムを組んでも、動作しないので、アナログデバイスの資料を調査しまくりました。
なんと、以下のFAQがありました。
https://www.analog.com/jp/education/education-library/product-faqs/ad7799.html

どうやらΣデルタ方式だとCh間の切り替え処理に時間がうんとかかるということらしいです。CH切り替え時間をSettlingTimeというらしいです。
AD7794では、記述されてないのでわからなかったのですが、CH切り替えで数msecはかかるみたいですので、6CHスキャンするのに数十msecかかるみたいです。
これでは、6分力センサに使えないので、代替え品をさがしました。
AD7794 は、1CHの精度が非常に良いのでそれはそれで使えばいいと思います。

●ひずみゲージ用マルチCH高精度アンプICの調査
ひずみゲージはセンサの中では、非常に微小な電圧変化のセンサですので
単純なアンプでは、ノイズで埋もれてしまいます。そこで、高精度アンプとなると
Σデルタ方式というノイズを二重にフィルタする方式で高精度化できます。
必要な仕様項目は
①完全作動入力
=>ひずみゲージブリッジのA+A-の2点の微小な電圧差を入力してコモンノイズ除去
②分解能16ビット以上
=>マイコンが10-12ビットですが専用ADCなら24ビットが欲しいです。
ちなみにHX711でさえ24ビットです。
③アンプ付きのAD変換IC
=>ただのAD変換ICだと前段に計装アンプを用意しないといけませんので
自分で回路基板をつくる面倒さと基板面積が増えてしまいます。
そこで、アンプ内蔵のAD変換ICがいいです
④マルチチャンネルADC
折角専用ADCICを使うので6分力センサをIC1個で処理できれば理想的です。
しかし、6CH以上でアンプ内蔵のICとなると選択が限られてしまいます。

●調査資料
まずは、アナログデバイス社のセレクションガイドをみます。
https://www.analog.com/media/jp/news-marketing-collateral/product-selection-guide/Precision-ADC-Selector-Guide_jp.pdf

ポイント1:入力の種類
A:シングルエンド:一般的なGND-信号入力
B:疑似作動:制限された電圧範囲で作動入力可能
C:完全作動:全電圧範囲で作動入力が可能
オペアンプの作動原理の解説記事はここにあります。

【PMD2018】基礎学習1回目<オペアンプと計装アンプの違い>

●AD7194の選定理由
これで成功したわけではないのですが、前回の失敗から少し選定理由が増えてきてます。

選定理由1:セットリングタイムが短い
=>短いと言っても許容レベルぎりぎりにはいっているということです。
最高速のサンプリング周波数4.8KHzでセットリング時間0.84msecですので
6Ch切り替え周期が5msecかかります。マイコン側のプログラムのループがだいたい
3-5msecで回りますので、サンプリング周期以内で6CHのデータ収集ができるということでぎりぎりです。下表をみればわかる通りセットリング時間が短い条件だと50-60Hzのノイズフィルタが無しとなってノイズが多いです。結局高速化するとΣデルタの超低ノイズ性能が減少せざるを得ないというジレンマが見えます。

●EVALボードを注文しました。
チップだと千円前後ですが、DIP基板へ0.6ピッチのICを半田付できるのかわからないので評価ボードを購入しました。7千円と高いですが、IC単体では動作させられなければ3月末までにICがきまらないので、評価ボードで迅速に開発することにしました。基板の半分が空き地ですのでここにCPU基板を搭載します。

クリックしてUG-224_jp.pdfにアクセス

●以後
AD7794でSPIインターフェースでレジスタを介してのAD変換の動作のさせ方に慣れたのでAD7194は、スムーズに動作チェックができると思います。

 

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