MFT2018が終わって現在の積み上げ型の試作はTS8までで終了しようと思います。積み重ねてネジ止めする構造は、3Dプリンタの強味を発揮できない構造なので、一体型で形状が自由自在の3Dプリンタの強味がでる方式を検討していったほうが将来性があると考えます。
●一体型の基本
①ひずみゲージが貼れること
裏側にも指が入って正確に貼り付け作業ができること
②強度剛性が保てること
③クロストークが少ない構造
初回は、
●一体型で最もシンプルなパイプ形状でできないかを考察
下記Φ40肉厚1mmのパイプ外周にひずみゲージを貼ると貼りやすくていいのです。
Fx,Fy,Mx,My:上下2枚組x4か所セットで上と下のモーメントが測定できますので、4分力はOKのはずです。
Mz:斜めにハの字に貼った4枚でねじりトルクがねじりモーメントMzが測定できるはずですが、3Dプリンタで作った場合造形方向に対して斜めにゲージを貼ることでひずみが異方性に発生してブリッジがバランスがとれなくて大きなドリフト発生するリスクがあります。Mzは、現在のクロスビームでやっている方法で考えてみます。
●Fzをどうする?
軸の圧縮力のゲインがでない点が世の中の分力計の課題として昔から存在してます。以前角断面で実験したときはゲインも小さいし、下記記事のようにドリフトが大きくて断念してます。
パイプで再度トライしてみてもドリフトは下げられる可能性がありますが、ゲインが小さい可能性があります。
軸力の応力ひずみに計算は、下記サイトが親切に解説してあります。
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/strain/base.jsp
肉厚0.5mmにすれば8μstrainでるので、ブリッジで4倍になって32μstrainでるので、上記記事と同程度のゲインはでそうです。問題はドリフトですが、ブリッジをどう組むかアイデアがでたら、試作確認してもいいかと思います。
●以後
一体型のアイデアを何個かだして、シミュレーションで確認してから試作実験しようと思います。
並行して、現在のTS7、TS8は、アプリケーション用に使うことにしてマウスポインタを作ってみようと思います。
※2019年になってアルミ丸棒で6分力センサを開発しました。Fx,Fy、Mx,My,Mzの5分力までは精度がそれなりに出たのですがFzが軸力で小さすぎてでませんでしたが、5分力センサとして立派なものでした。
●2020年になって、中華ロードセルをFz用のとりつけて6分力センサとして改良しました。
用途としては、多分力センシング(ロードバイクのクランク、シートピラー、ハンドルなど)の多分力測定物の校正負荷を6分力センサを通して与えることで、校正が非常に簡単になるというSmartCalibrationProbeという校正システムの開発用に使う目的です。