論文読みその3です。ターンを表現する手法として、軌跡の2次元プロットでは各種パラメータが
どうなっているのかわからないので、私は、時系列グラフを書いてましたが、判りにくかったです。
本論文では、ターンのパラメータの表現を工夫してあって、ターンのゲート位置からの距離を
横軸にして、各種パラメーターを表現してました。
メリット:目標に対してスキーヤーがどのように制御しているのかが判る。
デメリット:速度が判らないので、別途速度パラメータのグラフも必要
●プログラム
STA25_NewTurnCordinate_STA24_All_LPF_28.py
https://gist.github.com/dj1711572002/9fe3cc900bfee46f5906c2b3a87c2a00
使ったデータと結果excel
新ターン座標_CircleLSM__基準データ00_BRBN_bno_3-15-11-40.bin-MBNO
●論文のグラフ
コース幅が10mと13mの2種類のターンを比較してます。
横軸がゲートとスキーの距離でゼロがゲート通過位置(点線)です。
A図が、迎え角(本稿ではSKID角とかズレ角、横滑り角)です。迎え角がスキーヤーのかじ取り制御を示してます。谷回り動作で迎え角を増やしながら目標ゲートに向けてターンを作っていく場面です。
10mだと、直前(4m)で迎え角が急増してますが、13mだと6m以前で調整しているだけです。
B図が角付角です。ゲート通過時点が最大傾きとなってます。エッジをたてることで迎え角の制御を
してますが、細かな迎え角の調整はエッジ変化ではありません。
C図
縦軸がターンR径です。13mだとRは80~10mあります。
10mだとターンRが小さく変動が大きいです。
●自分のターンデータのプロット
①4m小回り 完全なSkiddingターン
左図が軌跡図で星印がターンのピーク点でそこをターゲット点として距離をだして横軸座標となってます。ターゲット点までめいっぱいSKID角をいれているのがわかります。角付角が30度程度と小さいです。右図は速度とターンRです。速度はターゲット点通過まで減速してそのまま低下してます。
②6m 弱Skiddingターン
Skiddingが一番少なかったターンを見ると、Skidが20度付近一定値で安定させてます。
角付角は4mのターンと同じ程度で30度ですが、ターンRを大きくしてSKIDを減らしています。
左図のように真円に近い軌跡をたどっているのは、SKIDが一定だからではないかと思います。
もっと、角付角を立てればカービングターンになっていくと思われます。
速度も4mターンでは4-5m/secだったのが、6mターンで6-7m/secまで速くなってます。
●感想
ターンの正規化をすることで、ターン同士の比較が見やすくなった。
谷回りと山回りでのスキー操作の違いが明確に判り易くなった。
谷回り時の迎え角の制御という観点が重要であることが判る。
角付角だけでは迎え角の制御は説明できない。
●以後
次で迎え角とターンの状態のグラフを学習します。