■通常の校正作業に比べてのSCPのメリットは下記です。
メリット1 | 錘を載せながら、リアルタイムで直線回帰計算結果がでるので負荷作業での精度落ち失敗をその場で防止できる。 |
メリット2 | クロストークを見るために、正常位置での線形性プロットと重ね合わせて、荷重位置を変えた場合の 線形プロットが見られるので、その場で、クロストークの傾向が直感的に判る。 |
メリット3 | 短時間に1サイクル校正できるので、N増しを何回もやって、データのばらつきと4M変動の原因まで、管理できて校正データの信頼性と精度が向上する。 =>実際に校正作業で苦労している人には、良いシステムです。 |
デメリット1 | SCPを錘と被測定物の間に取り付ける手間がかかる =>この時間を短縮できるようにユニバーサルな取り付け治具を作っていく =>SCP無しで錘の手入力でやれば、手間と時間は省ける。 |
デメリット2 | 条件ごとに測定システムプログラムにパッチあてをしないといけない。 =>作った本人しかできない |
■測定方法
錘を載せて、プッシュボタンを押して平均値を測定して、相関係数が0.999付近であることを確認しながら、錘を載せていく簡単な作業で、錘を載せ終わった瞬間に校正データ完成です。
■システム
Serial_Graphic_Monitor_rev073.vbの線形リアルタイムグラフ機能を使ってます。プログラム詳細は、こちらのページにあります。
下記線形グラフを見ながらですべての作業が完結します。
■結果
結果は、ファイルで自動保存されているので、測定に集中できます。
センター位置での傾き値に対して5cmずらした位置での傾き値が0.5%増加してますので、クロストーク影響があると思われますが、SCPロードセルと荷重時の治具のたわみも関係しているかもしれません。SCPに使っている5Kgのロードセルもクロストークはほとんどみられてません。
しかし、工業用製品のロードセルでもクロストーク1%以内が相場ですので、秋月の20kgロードセルは合格点をとっていると思われます。
■以後
今回は試運転で、1軸SCPを実験しましたが、次回から、3軸SCPで3分力校正の実験をやっていきます。
多軸になると指数関数的に作業と手間がかかるので、SCPの威力が最もでてくると思いますが、そこまでもっていく手間と時間は、膨大にかかるともいます。10月末に完成すれば御の字です。