負の仕事と呼んでいたのですが、パワーメーター関連業界では、ネガティブパワーと呼んでいるらしいので、呼称をネガティブパワーと呼びます。
●ネガティブパワー
Rotorは、効率向上をめざしたパワーメーターメーカーです。
低価格品のROTOR LTにネガティブパワーの説明がありました。
http://www.diatechproducts.com/special/rotor/power_lt_testreport.html
踏み込み時のペダリングベクトルが回転の接線方向からずれる力ではなく、
=>下死点から上死点へ戻るとき、反対側の踏み足の力借りて、踏み終わった足を上死点まで持ち上げる仕事が負になってしまう現象と定義します。
=>計算は、1回転中で仕事量がマイナスになった瞬間を積算して、平均仕事量を回転時間で割ってパワー計算としてます。
■踏力曲線では、クランクへ回転の逆方向へトルクがかかる時です。
下図では、紫部分がネガティブパワー部です。
黄緑線の左足で下方向へ踏み込んでいるのが正トルクですが、この時
黒線の右足トルクがマイナス方向になってしまってます。
=>この現象は、ペダリング原理上多少でも発生してしまうらしく、プロだとここが少なくて、アマチュアだと多いといわれてます。引き足を使えば
確実に減少させることができますが、体力を使うので、一般の人は、常時はできません。
●ネガティブパワーの基礎実験
ローラ台で素足で踏んだ測定とクリートシューズで踏んだ測定の比較をしてみました。
①素足ペダリング
靴下でビンディングペダルを踏んだので、あまり踏めてないですが、200W以上は出せました。
・ネガティブパワーは、全領域一定で34Wでした。
・ばらつき幅が大きくて±15wくらいあります。
②クリートシューズ(ビンディングシューズとも言います)
私はSIDIにシマノの黄色クリートを使ってます。
・ネガティブパワーは、平均して50W程度と素足より大きいです。
・素足に比較して、ばらつき幅±5Wと少ない
=>管理された一定したペダリングであることがわかります。
・もがいたときは引き足でゼロW近くまでいきました。
●考察
素足のネガティブパワーが34Wでシューズが50Wと30%も多いということで素足がロスが少ない踏み方になっています。
=>下死点から上死点へ戻る時に、素足だとペダルから浮く現象が発生していると考えます。慣性力で足がペダルより早く回転上昇する運動に対して
素足は素直の運動しますが、シューズだとペダルに固着しているので、ペダルを押してしまう運動が発生している現象であると考察します。
=>シューズの場合は、その分引き足が使えたり踏み足が素足より踏力ベクトルの効率がよくなるので、ロスが多いけれど、全体の出力もあがるので、
総和するとシューズのほうがパワーが出るというストーリーではないかと思います。
●アイデア
①シューズの良さと素足の良さをハイブリッドするクリート機構
下死点から上死点に戻る時はビンディングのロックが浮いペダルから
シューズが浮く機構があれば、ネガティブーパワー30%ロスを減らすことができるはずなので、ペダルにロック制御機構をつけてみれば面白いです。
●以後
ペダリング解析測定システムができてくると、いろいろな知見が増えて、あらたな自転車の楽しみ方が湧き出てきますので、面白いです。7月にかけて、反力測定システムも追加するので、それもしっかりできれば
新たな知見がでてくると期待してます。