水晶発振器をEPSON、多摩電子のカタログ調べてみたのですが、欲しい仕様のものがありません。(下表参照)
困っていたのですが、手元にあるRTCモジュールのDS3231が精度が良かったことをおもいだしました。
ICチップを剥がして、SOPピッチ変換基板に半田づけてして分周ICと接続して精度測定したら2ppmのはずが2100ppmととんでもない極悪精度でした。検索してみたら、ラジオペンチ様に解説記事がありました。http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-950.html
私の購入した3個は、皆DS3231MというICでした。
これは、MEMSを利用した発振器なので、水晶でないので、精度がでないそうです。しかし、アマゾンでは、2ppmをうたって販売しているので、中華混入部品をつかまされた疑いがあります。そこで、再度、同じところで購入をかけて再びパチ物だった場合は、アマゾンに正式に抗議しようと思います。
●ちょうど良い水晶発振器が無い
市場の水晶発振器は数MHz以上です。低い周波数は時計用しかなくて、32.768KHz固定の発振器はたくさんあるが下記条件で調査しても合致するものがなかった。一番近いのがRTCのCLOCK出力の固定32.768KHzが手ごろでした。
項目 | 調査結果 | 方針 |
周波数32.768KHz以下 | 時計用のプログラム可能なものがあるが、分周が 2^10(1024)=31.25msec 2^15(32768)=1000msecとか ADCでよく使う10msec前後が抜けていて、丁度良い分周品がない |
発振器と分周ICは分けて、2体を基板に実装することで対応性を広げる 時計、RTC用途がよい。 |
ばらつきが少ないこと20ppm以下 | ばらつきのスペック表示はないが 温度変動、負荷変動、電源電圧変動で単位変化で1ppm以下で変動するみたいですので、数ppmは発生する可能性があります。 |
周波数の平均値は、後で補正がきくが、ばらつきは、ランダムに発生するので、これが数ppmで収まるかどうかが一番重要 |
周辺回路素子が不要なこと | 単独の水晶振動子だとコンデンサ2個とインバータICと抵抗が必要なので、実装面積と手間がかかってNGです。1チップ内に発振回路と温度補正回路があって、TTLレベルで出力できるチップで上記条件をみたすものは少ない | 単独の水晶発振器は使わない |
3.3V駆動であること | クランクのCPUとデバイスはすべて3.3Vで動作させているので、5V発振器が多いので、3.3V発振器を探すと周波数がMHz以上で使えるものが無い | RTCは3.3Vなので、 RTCに使われてICが良い。 |
価格 | 何個も使うので千円もすると困る | マルツのモジュールが1個980円は高すぎるhttps://www.marutsu.co.jp/pc/i/1556263/#item_description |
サイズ | DIPだと大きいので、SOP1.27ピッチ16ピンパッケージがあるものがいい | RTC用はある |
=>以上の結果からRTC用の高精度ICをさがすことにしました。
手元にあったのが中華RTC DS3231だったので、これで発振器と分周をSOP基板に載せてみました。
●DS3231Mを剥がして、単品で実装
1.27mmSOP28ピン用の変換基板にIC2個載せました。これで小さくなりました。
①水晶発振モジュール:RTC用DS3231SOP16pin(DS3231Mは仕様書不明)
https://datasheets.maximintegrated.com/en/ds/DS3231-DS3231S.pdf
➁分周IC:TC74HC4060F 14ステート分周カウンタ
http://akizukidenshi.com/download/ds/Toshiba/TC74HC4060AP_datasheet_ja_20140301.pdf
①DS3231は、3ピン(Vcc,GND、CLOCK)しか使わないので、4ピン分しか半田付けしないようにして28ピンに2個のICを載せることができました。下図参照
●測定結果
ぼろぼろですが、ばらつきは許容限度内なので、時間を後で補正すれば使えないことはありませんが、
アマゾンがパチ物を販売したのとは別ですので、アマゾンで再度購入したものもパチ物だったら
アマゾンに対して抗議します。
①出力波形ばらつき
➁分周ばらつき
TC74HC4060のQ8ピン出力で128Hz周波数のはずだったのですが、元波形のせいで大きくずれてます、しかし、ばらつきも大きくなってます。