ポインティングデバイスとして自作ロードセルを作るので、今までは、ブラックボックスとして扱っていた自作ロードセルですが、今回は、材料力学公式計算、静的応力解析、ブリッジ出力計算と実測、アンプゲイン計算と実測と
ブラックボックスの中身を全部検証してみました。
●自作ロードセル 新たに2本製作
WS2を分解するのも大変なので、新たに2本製作しました。3-4時間で完成ですが、集中力と接着剤の硬化時間があるので、1日かかるとみておいたほうがいいです。
今回は、ゲージ配置とカラーケーブルバ番号を間違って半田付してしまって、動作チェックで気づかないで3時間くらいはまってしまいました。#3と#4を逆にしただけですが、出力が中途半端にでてくるので気づきませんでした。
下写真で、青紫は#3と定義してあるのですが、裏側が赤橙の#1となってしまってます。
Roverbal配置なので、#3ではなく#4にしなければいけなかったのですが、気づかずにいつもの結線で
基板のターミナルブロックにつないでいて3時間気づきませんでした。出力がおかしいので、プログラムばかり直していて灯台もとくらしでした。結局、カラーケーブルの結線を#3と#4で交換するだけで治りました。
●ロードセルの計算
組み立てたら、通電する前に理論値を計算しました。
材料力学の公式からのひずみ計算値とFUSION360での静的解析値の比較をしてみました。
ほぼ一致してますが、3~5%程度の違いはでます。
●荷重しながらブリッジ出力とアンプ出力の実測
2x4の台に木ねじで止めて、錘をかけていきます。試運転なので、20gx5個で100g低荷重での感度を測定してみました、ついでに、モーメントによるクロストークもみてみましたが、左右ねじりモーメントのクロストークが5%程度でてました。後で、干渉補正するかどうか決めます。
●錘を約10N載せて、ブリッジ出力電圧とアンプ出力をゲイン128と64で検証してみた
結果1:ブリッジ出力電圧が、上記ひずみ理論値からの計算値と大きく違っていた。計算値で10Nで
2.4mV変化するはずが実際は0.5mVしか変化してなかった
結果2:ブリッジ出力電圧に対してAD7193がゲインアンプとして増幅する値を比較すると
実測値は、計算ゲイン値の丁度半分しか出力されていなかった。
●以後
一応ブラックボックスでなく、ひずみゲージからアンプ出力まで一貫して理論計算値と実測を検証してみましたが
比例関係(R=0.99~0.999)はでてますが、絶対値として合致していない部分があることが見えてきましたがの、後日これらの違いが何かに影響するかどうか注意深くみていきます。
クロストークが発生しやすい荷重方法だと誤差が大きいですが、一定位置での荷重なら0.999以上で校正できるはずですので、一般的な荷重センサとしては使えるレベルだと思いますが、条件設定時に、校正をかけて、5水準以上の荷重をかけてN=5回くらい測定して最小二乗法で、傾きを計算してみてから実使用するのが原則です。