【正月工作】みちびき対応GPSをXbee接続した<みちびき不要だった>

例年12月からスキー活動量計を作りだすのですが、今年は、GPS衛星みちびきが秋から稼働開始した記念の年だったので、記念にみちびき電波を受信する電子工作をネタにしました。精度がGPSを補完したり、サブm級、サブcm級まであるので将来電子工作で楽しめると思います。秋月のキットはGPSを補完するモードまでですが、今までのGPSより精度がよくなっているはずで、3機受信でも±2mとなってます。
結果:秋月のみちびきGPSは、精度悪くて買って損したので、Ublox製F9P,M9Nを入手して、最高精度得られて満足です。
※ユーザーは、単独測位とか相対測位など関係なしに高精度が欲しいのです。

※Ublox製が性能良いです:3万円かければRTK F9Pで1cm精度、1万円でUbloxのM9Nが1-1.5m精度でます。
=>結論からいうと、iphoneと同じ程度の測位精度しか得られませんので、手間と時間とお金の無駄使いしたという結果になりました。
1年半後にリベンジができました。しかし、「みちびきが不要」という意外な結果が得られました。時代は、みちびき無しで国内1cm測位が当たり前にできるようになっています。みちびきが売りにしているCLASの精度
3σで10cm程度ですので、RTKの3σ3cmの3倍も悪CLAS対応のコストが
RTKより高いです。
●内閣府の価値観で日本の衛星は大丈夫なのか?
内閣府のプレゼン資料では、必ず単独測位での高精度とうたってますが、相対測位ならもっと精度でるのに、相対測位を受け入れないのか?ユーザーである国民は、いつでもどこでも高精度を安く享受したいのは自明なので、みちびき関連技術がそれにマッチしているのか将来的にどうなるのかを常に問い続けてほしいものです。
RTKに対しては、下図のようなコメントだけで、その存在価値について、客観的に比較してないのは、公的機関として、論理性にかけるプレゼン資料です。このような資料が総理府から公開されること自体問題だと思います。https://qbic-gnss.org/wp-content/uploads/2023/07/qzssS2023-1.pdf
RTKは、有償、通信環境が必要となってますが、私たちは無償で、ほぼ全国で±3cmを3-4万円の機材で得ることが2019年からできるようになってますので、内閣府の資料が現実離れに見えます。

 

※2024年8月みちびきの予算申請で、7号機までは確定ですが、その後は、11号機までは
事項要求に後退しました。何故ならば、2030年以降では、GPS衛星の技術革新が起きる
可能性があるため、これ以上従来のGPS衛星技術に税金を使うことがリスクになるからです。
これを決めた高市大臣は、コメントで、海外各国のGPS戦略を調べてから、11機までをどうするか検討するので
具体的な予算額を申請することはせずに、事項要求としたと説明してます。
私の考えでは、GPSって、ちょとでも視界が悪いと使えないのが欠点ですが、
それをクリアする技術革新がアメリカで研究されているので、それにのったほうが
将来的の良い、天頂衛星を打ち上げてそれに関連する技術開発しても、世界の広い大陸では
使えないガラパゴス技術になってしまうので、天頂衛星を打ち上げることは、その国のGPS産業が停滞する原因になってしまうと思ってます。現に日本では、まとまなGPSチップを開発できるメーカーはありません。何故なら、国の予算でみちびき用開発しても商売にならないから
大手も参入しないです。
専門家の方の客観的な解説がありますが、やはり、みちびきの技術と効果は大したことないと印象を持ちました

※2021年4月の内閣府 宇宙開発戦略推進事務局の資料をみると
https://www8.cao.go.jp/space/qzs/houshin/houshin.pdf

https://qbic-gnss.org/wp-content/uploads/2023/07/qzssS2023-1.pdf

みちびきの実績について、

=>みちびきが負けた技術はRTK技術です。RTKのほうが、世界中どこでも汎用性があるので、天頂衛星を打ち上げないといけないという制限がある技術では、世界に普及するわけがないので、負けるのは当然です。
※2024年5月 内閣府からみちびき7機 11機体制のプレゼンがでました。https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-anpo/anpo-dai61/siryou2-1.pdf
しかし、2030年代となると米国欧州では、LEO衛星時代になっているはずですので、旧来のGPS技術が根底からひっくり返ってしまってますので、みちびきに投資は無駄になります。LEOのついては、海洋大のプレゼンがあります。https://www.denshi.e.kaiyodai.ac.jp/wp-content/uploads/pdf/content1/2018%20Kasai.pdf
LEOは、GPSのどうしようもない欠点である。視界のわるい場所では機能しない点を大幅のカバーできる技術ですので、大変は技術革新です。室内でもGPSができる時代です。ZonaSpace社のHPに最新情報がでてます。
https://www.xonaspace.com/
SONA社には投資が入ってます。https://www.xonaspace.com/xonaraises19mseriesa
しかし、日本では、みちびき関連企業に大きな投資が入ったとは聞いたことがありません。魅力あるテーマ
かかげている企業なら投資がはいりますが、みちびきを題材にしていると大規模投資は入りません。

 

※改めてみちびきを検索すると何と2017年からJAXAから内閣府へ移管されていてJAXAホームページから消えてました。https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/project/qzss/index.html
やはり、先端科学技術分野ではないという判断だと思います。私が
JAXAのエンジニアだったら世界のGNSS技術から凄く遅れているみちびきに携っていても将来が無いと思いますので、内閣府に移管させるのは、JAXAのプライドの現れであると感じました。みちびきの経緯は、お役所主導で打ち上げられたプロジェクトではないかと感じます、プロジェクトマネージャーの文章にも必ず、総務省、文科省、経産省、国交省がでてきますので、お役所都合で立ち上げられた官製プロジェクトでよくある失敗例ではないでしょうか。かわいそうなのは、みちびき対応機器を開発投資したベンチャー企業で、税金から補助をもらって開発したのはいいが、将来が無い技術開発をしてしまったので、無駄な年月を過ごしてますので、ハイテクベンチャーとしてはNGなので、撤退せざるをおえないと思います。

※2023年6月追記 欧米の最新衛星開発でみちびきの技術は過去のものとなります。
スペースX社のStarLinkが有名ですが、低軌道衛星開発が欧米でどんどん進んでます。
現在のGNSS衛星技術の弱点を補うハイテク測位技術LEO-PNTです。地球表面から1000-2000kmで高速で周回して数百個の衛星が並んでます。GNSSは2-3万km高度ですので、距離に反比例して電波の強度が二桁強くなります。マルチパスも激減、室内まで電波が到達するので屋内、地下まで測位可能と凄い技術です。みちびきで天頂衛星を打ち上げて、視界のわるい都会をカバーするなどという中途半端な発想は無駄だったことが誰の目からも明白です。
詳細解説記事 
【RTK23】SeptentrioNewsLetterからLEO技術知った<屋内測位の時代になるのか>

※海外のGNSS活動の例として、欧州の衛星Gallileoの開発では、衛星と同時に受信チップの開発をIMECという国際研究機関に設けて、技術開発を進めてIMECからスピンアウトさせたベンチャー企業Septentrioが革新的なGNSSチップを開発販売してます。IMECの内部企業のようで、ベルギーのルーベンのIMECのビル群の中にある企業です。このように、GPS衛星を打ち上げるのと受信チップを開発するのを同時並行して公的研究機関で行い、そこからベンチャーを育てていくEUの手腕の成果だと思います。ポイントは、Gallileo専用などというケチな仕様でなく世界のどこでも使える世界一の高性能GNSSチップの開発をしていることです。ちなみに、私は、SeptetrioのMosaicチップが欲しいですが、ヘビーDUTYなプロ専用ですので高価ですが、世界最先端のGNSSチップを提供してくれてます。
高価なチップを買わされるのも癪なので、私は、SeptentrioのMosaicHの代替えでコストパフォーマンスのでる方式の開発をしてます。

※幾何学的に考えれば天頂にある衛星より水平線に近い仰角に位置する衛星のほうが測位精度に貢献します。
COS(70度)とCOS(20度)では20度のほうが水平座標への重みが何倍も違うので、みちびきは、GPS精度に対する原理的な貢献度は、他国の衛星よりは低い原理になるので、みちびきに精度を求めるのは理屈外れです。
※本記事は2018年末でしたが、1年半後の2020年に、RTKGNSSチップ、スイスublox社ZED- F9Pチップを2セット欧州から仕入れてcm級GNSSで超精密測位で遊んでます。詳細は、こちらの記事群をご覧ください。
http://shinshu-makers.net/shinshu_makers/category/rtk/
過去数十年間でスキーターンの精密な軌跡と板のずれ角を測定した論文はありませんでしたが、信州MAKERSでは
スキー滑走データの精密測位に成功しました。多分世界初だと思います。欧州のボードメーカーさんから技術紹介の
依頼がきてます。何しろ、スキー板の幅7cmですが、±3cm精度で位置測定できてます。

 

http://shinshu-makers.net/shinshu_makers/category/rtk/

■残念ながら、日本のGNSS技術も欧米に大きく後れをとっていることがわかりました。みちびきが無くても日本国内で1-2cm測位が個人で可能になってます。現在は2-5万円かかりますが、普及すれば数千円でcm級が使えるようになりますので、みちびきへ税金を投入した意味が薄れることが国民が明確に見えるようになってくると思います。欧米のIT技術が日本を遥かに凌駕している一例ですが、どんどん日本産業と技術者は敗退していくのが、口惜しいので、微力ながら、欧米の技術水準ではここまできているということを実証実験して利用する技術で欧米に勝るようにしてます。

 

■何故負けたかの大きな原因は、コト作りができてない
技術力というよりは作ったモノをどういうコトの目的で使うのかというコト作りまで考えて開発してないからということだと思います。日本の産業全体がモノ作りに特化してしまってコト作りを重視したモノ作りができてない点が主原因だと思ってます。
=>後日専門家の人からお話しを聞く機会があったのですが、元々GPSは軍事技術のため欧米が強くて、日本は1990年代で既に負けていたので、今更ということで、みちびきに先端技術的意義をもつこと自体が時代錯誤だそうで、それが日本国内で知られてないだけだそうです。ではなぜ投資したのかは、問題なことは間違いないですが。

■日本のGNSS技術が負けた具体的理由
GNSS技術でも、何故負けたのかというと、みちびきのように、日本の国を守るというコンセプトで開発すると、日本の国土でしか使えない狭い技術になってしまいますが、欧米では、広い大陸全体で使えるようなGNSS技術(RTK)を開発するので、一旦それが完成してしまうと世界中どこでも使える技術となりますので、ICチップが全世界で大量に販売できます。日本でみちびき用GNSSシステムを開発しても日本国内の少数しか売れませんので、GNSS産業がみちびきでは育ちませんので、周辺技術も育たないので、GNSS技術では、日本は負けるという道しかありません。国内専用の天頂衛星を作る発想をした時点で、日本のGNSS業界は敗北していたのです。
敗北の象徴として、みちびきは、QZSSという名称ですが、GPS補間衛星としてなのでアメリカのGPSのおまけ的な存在です。NMEA規格でもQZSSは無いです。欧州(Gallileo)、中国(BeiDou),ロシア(Glonass)米国(GPS)と主要国は看板をもってますが、QZSSは、GPSのおまけなので世界的な標準規格には組み入れられてません。
世界のどこにもできない優れた技術があれば、世界規格を塗り替えることもできるでしょうが、最初からおまけ発想で開発していたのでは、永遠に世界に注目を浴びる開発成果はでないと思います。

 

正月中に屋外で精度確認してみます。iphoneのGPSも精度いいので比較してみます。

 

●秋月のGPS受信機キット 1PPS出力付き 「みちびき」3機受信対応
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-09991/

秋月としては、力が入った製品らしく、ユーザーサポートが通常のGPSよりはるかに丁寧でだれでも接続して楽しめるようにPCのアプリまで用意してあります。
取説も丁寧で、これだけで接続は分ります。
http://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/AE-GPS_manual_r1.05s.pdf

minGPS windows用PCアプリ
http://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/Mini_GPS_r3.zip

●みちびきとは、従来のGPSの精度を向上させるために打ち上げられた衛星4機

http://qzss.go.jp/technical/satellites/index.html
http://qzss.go.jp/overview/download/isos7j0000000bl4-att/qzss_pamphlet_201803a.pdf
①準天頂衛星システム4機構成ですが秋月のキットは3機しか受信できません
http://qzss.go.jp/overview/index.html

②衛星測位サービス

※2019年12月記 本記事は2018年12月の記事でしたが、みちびき対応GPSモジュールとiphoneのGPSの
精度がほとんどかわらなかったため、一度いじってやめました。そしてこの1年でcm級測位の業界で画期的なGNSSモジュールublox ZED F9Pが発売されて、300万円したRTKcm級の性能がたった5万円でcm級の実現が可能になりました。詳細はトラ技2019年2月号と10月号にありますが、信州MAKERSでも、さっそくF9Pをネタに冬の間にスキーターンの詳細な軌跡をローカルRTK方式で測定する準備を始めました。自動運転など待っている必要なく今すぐcm級の応用が世界で始まってます。農業トラクタの
自動運転が急速に普及しているそうです。日本はまた、世界に遅れをとりそうです。

【冬の工作】GPS_RTK技術の調査<cm測位でスキー軌跡測定したい>

【L-RTK】u-blox社ZED-F9Pキット届いた<Ardusimple製が安心>

【L-RTK】F9Pをu-centerで移動局(ROVER)設定<トラ技のおかげで簡単>

 

GPSを補う衛星測位サービス

みちびきからGPSと同一周波数・同一時刻の測位信号を送信することにより、GPSと一体となって使用し、安定した測位をすることができるサービスです。現在、衛星測位の主な誤差要因は、(1)衛星数が少ないことによる誤差と(2)電離圏による誤差 の2つがありますが、みちびきを利用することで、この2つの誤差が改善します。

http://qzss.go.jp/overview/services/sv04_pnt.html 
シグナルの種類
http://qzss.go.jp/overview/services/sv03_signals.html

 

②サブm級サービス
http://qzss.go.jp/technical/system/l1s.html#section02

 

●USBシリアル接続で動作確認 5分で完了
秋月のGPS受信キットAE-GYSFDMAXB
秋月のUSBシリアル変換キット AE-TTL-232R 3.3V/5V両対応
を仕入れて、ブレッドボード接続すればできあがりです。
GPSのRX=>USBシリアルのTX、GPSのTX=>USBシリアルのRX
シリアルの5VをGPSへ給電すればOKです。
5V入電してますが、シリアル通信レベルは3.3Vです。 

これで、miniGPSで受信すると ctrl+alt+sを押すと詳細設定がでデータの選択とLOGができます。我が家の屋外での受信状態ですが、194,195番がみちびきですが
3機目の193番がとらえられてません。

 

●Xbee送信で屋外に設置して屋内で測定
信州松本の屋外は寒いので、Xbeeで外の車の屋根の上に置いて10m程度離れた屋内でXbee受信できるようにしました。
XbeeのDIN(TX)をGPSのRX、XbeeのDOUT(RX)をGPSのTXに接続すればOKです。
電池は食うので単4 2本で、中華DCDCで5V昇圧してスイッチ付きです。

今回の用途ではXBEEは、数十~数百m送受信ができるのがBLUETOOTHより強みがでます。

●以後
GPS MNEA信号からスキーターンの軌跡が測定できるかを実験する準備をしていきます。

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