カーボンフィラメントを粘りのあるCarbonFilに変更してタップねじ切って、止めねじで一回は、固定できたのですが、数回取り外しするとねじ山が崩れてしまって、使えなくなりました。
急がば回れということで、止めねじの設計計算をしました。
●止めねじの設計
軸を止めねじで挟む推力の計算資料です
http://www.alpsseiko.co.jp/data/p26-8.pdf
サイズの都合でM3ねじを使ってますが、M3だと締め付けトルクは、10kgcmで軸の保持トルクは、Φ6で40Kgcm以下です。Mzのトルクは、10Nで30cmくらいは想定してますので、ぎりぎり入ります。Fz力は、40kgcm/0.3cm=130kg以下ですので、大丈夫です。止めねじの設計はねじりトルクに対して設計することが重要だとわかりました。
ねじ山の応力計算
http://orbit-ltd.c.ooco.jp/lec/lec013.html
ねじの締め付けトルク10kgcmとすると推力
http://skomo.o.oo7.jp/f27/hp27_1.htmを参考にして
推力60~100kgf発生する。
M3の有効断面積が5mm2なので、引っ張り応力で12~20kgmm2が発生します。CarboFilの応力は、52.5MPaですので
5kg/mm2程度ですので、ねじが破断するのは当然と言えます。
https://www.formfutura.com/web/content/4578?unique=d425a6c3ab9ac45b00d6e1af6c7bf897491d687f&download=true
●対策
樹脂の強度で止めねじは無理なので、金属ナットを埋め込んで
そのナットの全面を樹脂バルクで支えるという構造にします。
これで3Dプリントしてねじ締めして軸を固定してみました。
●試作実験
軸の回り止めのたまに、軸受け鋼で硬いLM軸をチタンコートやすりでねじのあたり面を削りだしました。ダイアモンドかチタンコートやすりでないとけずれません。
M3ナットの隙間を0.1mm程度にしていたら、実際は収縮していて、やすりで拡げました。0.2mm以上のすきまにしたほうがよさそうです。
止めねじだと締め付けトルクがでないので、6角ボルトで思い切り締め付けてみました。するとナットの反力でナット樹脂部が曲がってしまいました。
肉厚さ3mm程度にしたのですが足りないようです。
応力は、ナットの面積が17mm2で推力が100kgfだとするとせん断部面積3x7=21mm2程度なので、5kg/mm2くらいせん断応力が発生するので曲がってしまいます。
そこで、厚さを倍の6mmにしてせん断応力を半分にすれば
何とか締め付けできると思います。
とりあえずこの締め付け固定方法で軸は回転しない程度になったので、設計して造形してTS3進めます。
●TS3設計
配線のガイドも設計にいれました。ゲージからはんだ付けして
AWG28のカラーリボンケーブルを引き回します。
カラーケーブルは、マルツの通販が一番安いです。
形状が複雑になったので、サポートを追加したらぐちゃぐちゃになってかえって形状がでないくなったので、サポート無しで造形できるような底面の形状を設計しなおします。
●以後
TS3もなかなか進みませんが一歩一歩課題をつぶしていってますので、なんとか3月末にはTS3を完成させられると思います。
※2018年11月記
MFT2018で出展して一段落しましたが、MFT2019にむけて接合方法への改良点があります。
本記事では、タップ切り断念してネジ勘合してますが、それでもダメで、スプライン+ネジ勘合でなんとか解決しましたが、6分力センサとしては、まだまだ不十分な結合方法でした。そこで、MFT2019では一体型の6分力センサを目標にして開発をします。MFT2018の作品の備忘録をみていただければスプライン勘合が見えます。