曲げひずみ利用してFxFyFz分力抽出を探しはじめたのですが、共和のブリッジリストでは、4ゲージではダミーを使ったものしかなく、中華ロードセルの方式(電子ロバーバル式)は調査済みなのですが、もう1種類あることをみつけました。
片面ローバーバルと名付けてましたが、私がペダリングモニターで使ったモーメント分布を利用した分力抽出方法でした。
●中華ロードセルの方式
①電子ロバーバル式
前回の解説記事です。
今回は、これを3Dプリントするために、設計しながらシミュレーションしてみました。肝は、穴あけして残った薄い肉厚さが重要なことが判りました。
1度目に肉を3.8mm厚で設計したのですが、電子ろばーばるの特長である凹み変形による応力方向逆転が発生しませんでした。
これだと(r1+r3)-(r2+r4)=0-0=0となってしまいます。ので分力抽出できないのでロードセルになりません。
そこで、肉厚を1mmまで薄くしてみました。
これだと(r1+r3)-(r2+r4)=2r-(-2r)=4rで分力抽出可能ですので
ロバーバル式ロードセルが出来ます。
●ロバーバル式の課題
①局部変形を大きくするので変位が大きくなるので、これを3分力組み合わせると、6分力計の剛性が低下する。
②片持ち梁方式になるので、6分力計に詰め込むとレイアウト的にサイズを大きくしてしまう。下図はレイアウト検討図
●もう1種類あった
中華ロードセルは数十個購入してあって、訳の分からない小片も買ってあったので、原理がどうなっているか見てみました。
ロバーバルを半分に切断した形状の小型ロードセルです。
上部に4枚密着して貼り付けてありました。
これで動作させたら見事に荷重Fzを抽出できてました。
●原理
①応力シミュレーションをしてみると
驚くことにロバーバルになってませんでした。ただの片持ち梁です。
これの原理を考えるとMaが分力Fzと比例するので
一応抽出ができる原理でした。
(r1>0+r3>0)-(r2>0+r4>0)=>2*Maが残る計算です。
●実験してみた
基礎評価で作ってあった曲げ梁に2枚追加して上記原理を
測定してみました。
これで、電池錘を3個使って荷重位置による分力抽出を実験してみました。
一応、分力抽出できている傾向がみられますが、ドリフトが大きくどうしてこんなにドリフトが大きくなるのか今までの知見では説明できない現象となりました。
●以後
3Dプリントで作るロードセルの場合、原理、シミュレーションでは、把握できない現象(異方性によるドリフト、クロストーク)が多発するため、実際に試作を繰り返して大量にひずみゲージを貼りながら開発していかないとダメなようです。
手間と時間を食いますが、こういうのがノウハウとなりますのでこつこつと解析実験を進めていきます。
方式としては、ロバーバルと片ロバーバルで6分力計としてどのようにパッケージングできるか構想設計しながら進めていきます。