【パワーメーター】校正条件<乗車姿勢を変えて測定>

昨日は、推進力を受ける位置でシートチューブのひずみゲージ値に差がでることが分かりました。ベルト固定でフィックスして、本日は、踏力の発生のさせ方を
3種類に分けてあたり付けを行いました。
クランク角度は59度(60±1度)
ペダル角度は最も力が出る角度に自然と回転して収束する値
①低負荷シッティング(体重の反力だけで踏力発生)
踏力10~29kg範囲でそれ以上は、②に移行

②高負荷シッティング(体重+ハンドルを引く反力で踏力発生)
踏力29kg~40kg範囲

③スタンディング(体重のすべて両ペダルにかけながら、ハンドルも引いて反力を発生)

●測定例(クランク角度は59度、ペダル角度は最も力が出る角度に自然と回転して収束する値)
A:シッティング①と②
足を載せてから30秒かけてじわじわ踏みつけてハンドルをぐいっと引き付けてこれ以上踏めない点まで踏んで下記データとりました。

ペダル合力(踏力)とひずみゲージ出力の相関を直線回帰したグラフですが、
これを見ると29Kgf以下で直線が寝てきてます。どうやら、傾きが変わっているらしいので、29kgで2分割をしてみました。

29Kg以上では



 

29Kg以下は、傾き-96.43mV/Kgで
29Kg以上は、傾き-142.5mV/kgでした。
全範囲馴らして、傾き-128mV/Kgでした。

 

明らかに、29Kgを境にひずみモードが変化してます。
29Kg以下と29Kg以上で傾き(ゲイン)が大きくなっている理由は、29Kg以上だと腕でハンドルを引き付ける力がフレームにかかって、シートチューブの撓みモードが変化するということだと思います。たぶん、トップチューブの曲げモーメントがシートチューブを曲げているのだと思います。
=>ハンドル、ステム、トップチューブもひずみゲージを貼りつければいろいろな面白い現象がとらえられると思います。
最終的には、フレーム全個所にひずみゲージが貼られる状態が想定できますが、そこまで一気にいく元気がありません。
若い方なら出来るはずですので、お先にやっていただければと思います。シミュレーションでもいいですが、拘束条件を決めるには実際に測定しないと決まりませんので実験は必須です。
B:スタンディング
Sittingから立ち上がって踏み込んですこしずつ腕で引いて踏力を増やしていったグラフです。


これのペダル合力(踏力)とひずみゲージ出力を直線回帰したのが下図です。

Standingでの直線回帰の傾きは-141mV/Kgとなりました。
R=0.98でまあまあです。
Sittingは、-96,-128,-142.5mV/kgですので、
StandingもSittingの腕に力をいれてハンドルを引いているときと
ほぼ同じ値ですので、このときは、サドルへの荷重はゼロに近いのではないでしょうか。

●以後
軽く踏んでいるときとハンドルを引いたり、スタンディングしているときでは、シートチューブの踏力によるたわみが変化することが分かりました。これらのデータをどう解釈して、パワーメーターの校正値として補正プログラムを作るか考えながら、校正条件を増やしながら測定を繰り返してデータを積み重ねていきます。こうすることで、ロードバイクフレームの構造力学的挙動が見えてくると思います。
パワーは接線力になるので、踏力と接線力の関係は、ペダル角度で決まります。本日思い切り踏んだ感じでは、ふみこむと一定角度でおちついてきます。たぶん、骨格上一番効率のよい角度で落ち着ついてくるとおもうのでそのペダル角度で接線力を計算していけば、補正式ができると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です