【RTK22】正月のRTKいじり<RTK高速化20Hzを試す>

正月は、物干しベランダにアンテナを設置して、リビングまでおろしてRTKいじりをすることにしました。

※2022年6月追記  「6か月後に25Hzの新方式を発見」
F9P単独では、10Hz以上は厳しいことが分かったので、MEMS IMUを補間(DeadReckoning)できるか、試しましたが、加速度を2回積分すると誤差大きすぎて全然ダメでした。そこで、F9P以外のGPSで高レート測定できるものを探しました。Ubloxの非RTKチップでM9NというGPSがあって、これが、25HzでPVT(速度ベクトル)出力できるので、この速度を積分することで、位置を得る方式です。この方法だと速度精度がF9Pに近い精度が積分値も数cmレベルで位置がでることが判りました。これで、F9Pの10Hzを25Hzdで補間してシステムの高速化できそうです。システムのコストパフォーマンスが良いので、画期的な方式だと自負してます。
例えば、SeptentrioのMOZAIC Hチップ20Hzだとコストが10万円くらいですが、F9P+M9Nだとコストは2~3万円以下で25Hzですので、圧勝です。

【RTK22】高レートGPS Ublox-M9Nいじる その2<M9N速度積分で使える>

 

●RTKいじりのためのF9P基板準備(F9Hシステムのための準備も兼ねる)
Configurationをころころ変更するので、SimpleRTK2B liteだと面倒でトラブルが多いので、2022年からSimpleRTK2B liteは極力使わないことにしました。
そこで、SimpleRTK2B2 2枚を使いました。
1枚目をBaseにして、UART1のTXからMovingBase用RTCM3をシールド線の緑線で
RoverのUART1のRXに接続しました。30cm長さ程度で、460800bps無事に送受信できました。 この組み合わせを「分離型MovingBase」と呼ぶことにしました。

●正月の実験 RTK20Hzを試す

F9P datasheetには、使いたい衛星数が多いほど、サンプリングRATEが少なくなっていきます。
F9Pは、最大4セットの衛星データを計算できますが、その場合RTKで8Hz、RAWだと20Hzです。RTK20Hzを使うためには、GPSのみの設定となります。
今回は、1衛星(GPS)で
の高速化の実験をしてみます。
次回から、RAWデータで20Hz測位した後、RTKLIBで後処理計算にトライします。

●RTK 20Hzを動かしてみた
今までフルの4衛星セットでしか動作させたことが無かったので、
 GPS1個だけで大丈夫か不安があったのでが、どうなるかやってみました。
■GPSのみにする設定
UcenterでボードをUSB接続したら、View-Generation9Configuration Viewに行くと
衛星選択画面が出ます。デフォルトでは全部指定になってますが、それをGPSだけにチェック
を残して全部チェックを消します。それから、表の下方へいくと
F9Pの衛星の設定は、通常のConfigではなく独立してここでしか設定できません。

●20Hzで測位開始
工場出荷状態に戻してから、上記衛星選択をGPSのみにして、
RATEを50msecにして測定しました。ucenterを使っているとスタート時に
いろいろ設定しないといけないので、用意ドンとスタート時刻を決めることができません、特にNtrip接続をucenterで行うと設定手間で10数秒遅れるので、今回は、WiFi Ntrip MasterをBase上に載せて、電源オンから数秒でNtripからのRTCM3が受信できるようにしました。
■20Hz(GPSのみ)RTK測定の場合の違い
GPSの捕捉は、自宅ベランダでは北半分ないので、7-8個でした。
違い1:FIX時間が長い
=>4衛星の場合10-30秒でしたが、1衛星(GPS)だと2-5分かかります。
違い2:PDOPが悪くなる
=>4衛星で良い条件だとPDOPは、1.0~1.7くらいですが、
1衛星(GPS)だとPDOPは1.9~2.7まで悪化します。3以下でないとダメなのでぎりぎりです。 PDOPについては、詳細な解説記事がこちらにあります。
   GNSS衛星軌道とDOP 著者の方は学者さんかと思ったら、土地家屋調査士さんだとのことですが、内容からしてGNSSの専門家だと思います。図解で判りやすい解説ページに感謝です。

※2022年6月13日追記  高レートGPSを試してみる
F9Pでは、20Hz測位だと衛星数をしぼりすぎて、測位精度が実用精度にならないので20Hzを断念しました。
Septentrio社のMosaicチップならRTK100Hz Heading50Hzが可能ですが、F9Pの倍以上の価格で民生用システムにはなりません。現状のF9Pシステムで20Hz以上で測定できるようにするために、高レートGPS M9Nで速度ベクトルだけ測定すれば25Hzが測定できるので、M9Nの速度ベクトルでF9Pの補間になるかどうか2022年夏から秋にかけて実験していきます。

【RTK22】裏技!GPSドップラーなら高精度でベクトル得られる<M9N衝動買い>

 

【RTK22】高レートGPS Ublox-M9Nいじる その1<SBASって何だ>

 



■MovingBaseモードでの20Hzを試してみた
RTK測定で20Hzを実現するために衛星数を1個にしてやっと
 実現できているところに更に、MovingBaseモードの相対位置計算を
 追加するので、無理難題だと思ったのですが、一応やってみました。

①GPS1個でRATEを50msec(20Hz)にアップしたら
=>全然収束しないどころか、測位データが飛びまくって全然動作しませんでした。
②RATEを80msec(12.5Hz)まで落としてみたのですが、うまく行ったり行かなかったで不安定
③RATEを100msec(10Hz)まで落としたら、安定して通常のMovingBaseになりました。
=>しかし、4衛星でも8Hz~10Hzできる10Hzで1衛星(GPS)の意味がありません。

●結果

①1衛星(GPS)にして高速化を図るのは、通常のRTK測位では20Hzまでは使える。
   

②MovingBaseモードでは、1衛星にしても10Hz程度なので、1衛星化の効果でない。

●以後
MovingBaseでは10Hz、20Hz測位用にF9Pを1個増やすことで
10Hzの補間ができる方式もあり得るので、その方式も検討します。
正月では、あと

 

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