【RTK21】Ardusimple社からSeptentrio Mosaicチップ搭載ボード発表<高精度高速測位>

Ardusimple社のボード、今まではUblox ZED-F9Pだけだったのですが、サンプリングが遅い(8Hz)課題があったのですが、Septentrio社のMosaic-X5(100Hz)とMosaic-Hチップ(50Hz)搭載で高速ボード2種類を発表しました。F9Pの6倍以上高速で価格が1.5倍程度なのでお得です。

●Septentrio社のGNSSチップの解説ページはこちら Septentrio社は、プロ用RTK GNSSチップメーカーです。
https://www.septentrio.com/en/products/gnss-receivers/rover-base-receivers/receivers-modules

※Septetrio社は、欧州の研究機関内のGallileo研究者のスピンアウトベンチャーです。
欧州の衛星Gallileoの開発では、衛星と同時に受信チップの開発をIMECという国際研究機関に設けて、技術開発を進めてIMECからスピンアウトさせたベンチャー企業Septentrioが革新的なGNSSチップを開発販売してます。IMECの内部企業のようで、ベルギーのルーベンのIMECのビル群の中にある企業です。このように、GPS衛星を打ち上げるのと受信チップを開発するのを同時並行して公的研究機関で行い、そこからベンチャーを育てていくEUの手腕の成果だと思います。ポイントは、Gallileo専用などというケチな仕様でなく世界のどこでも使える世界一の高性能GNSSチップの開発をしていることです。日本の、みちびきプロジェクトと比較すると、世界レベルかどうかという点で、日本は完全に負けてます、技術面でガラパゴスネタでスタートしていて、コト作り無しなのでスタート時点で負けてると思います。最初から世界一をめざしてスタートしてないから負けるのは当然です。Septentrioのような企業が日本で生まれないのを問題とすべきです。

●Ardusimple simpleRTK3B のページ
https://www.ardusimple.com/simplertk3b-receivers/

■Proは、ポジションのみで100Hzと高速

■Headingの速度で工夫が必要
Headingは、2CH入って、50Hzと書いてありますが、RTKポジション無しの場合で
RTKポジション計算が入ると20HzでF9P 8Hzの2.5倍速度となります。
ですので、ポジションは8HzでF9Pを使って姿勢は50HzでMosaic-Hを使う手があります。
ポジション変化を重心位置にして重心位置から、スキーとか両足の姿勢変化を50Hzで測定すればいいと思います。高速なので、マイコンもESP32でなく、ARMの Cortex-M7が必要かもしれません。Teensy4.0がいいかもしれません。

※2023年2月追記 HeadingはRTKより、センサFUSION IMUで、補完する方法もトライ中
 この2年で、MovingBase方式で、スキー板の姿勢角を求めると、±1度程度で測定できることが実験でわかったのですが、スキー板にアンテナ2本取り付けて、RTKシステムを体に取り付ける手間が大変すぎて、スキーを楽しめるシステムになりませんでした。そこで、2023年からは、MovingBaseの代わりに、IMUを使ってYAW,PITCH,ROLLを測定することで、板の角度が測定します。精度はMovingBaseより劣りますが、2-3度で、出そうなデータがでてきたので、2023年は、IMUとRTKでシステムを実験していきます。MOSAICチップでもMOVING BASEだと20Hzしかでないので、IMUだと25Hzでるので、
Headingだけは、IMUが勝ってますので、あとはRTKの10Hzをいかに補完するかだけですので、

スキー用途にかぎれば、MovingBaseシステムは、IMUに負ける確率が高いとみてます。
IMU BOSCH BNO055を使ったデータ速報をご覧ください。

【STA23】測定データ速報ピッタリ狙い通りになってる<BNO055使える>

 

※2022年7月1日更新  Mosaic-Hに対抗する技術<F9Pを高速補間する方式>開発中です
私の用途は、スキーターンの測定ですが、F9PのMovingBase10Hzでは遅すぎて、初心者の練習程度しか使えません、そこで、MOSAIC Hの採用を検討しているのですが、Mosaic HでもRTK+MovingBaseだと20Hzしか出ません。そのために、F9P movingBaseの2~3倍のコストは、割りに合わないので、代替え手段を検討してます。 当初、 MEMS IMUでF9Pを補間することを検討したのですが、積分誤差が大きくて、数m誤差がでてしまいNGでした。そこで、高レートGPSチップで速度ベクトルを積分して位置を取得する方法を検討しました。Ubloxの非RTK GNSSチップM9Nが25HzでNAV-PVTを出力するので、これでF9Pを補間する実験をしました。
車載で、F9PとM9Nを比較したら、相関係数が0.997程度でたので、速度は、線形がでてます。
普通のGPSでも速度は、ドップラー効果を利用して計算しているので、RTKでなくても精度が良いです。
そこで、速度を積分してみたら、秒速5-8m/secで±20cm以内にはいってました。F9Pと補間する場合
F9Pが100msecなので、その間を補間するので、±数cmの誤差でM9Nの積分位置が得られそうです。
±数cmで25Hzの位置がでるなら、F9Pの補間としては、十分だと思います。下記記事をご覧ください。

【RTK22】高レートGPS Ublox-M9Nいじる その2<M9N速度積分で使える>

●やはりArdusimple社は、価格安い
Septentiro社はプロ用のチップメーカーで民生価格では入手不可能だと思っていたのですが、中国メーカーボードより安いです。1ユーロ=130円(2021年10月12日現在ですので)
Mosaic X5搭載のSimpleRTK3B-PROが499ユーロ=6万4870円、
Mosaic H搭載のSipmpleRTK3B-Headingが699ユーロ=9万870円 と10万きってます。
SimpleRTK2B HeadingKitが、6万円弱ですので、1.5倍で速度は、6倍です。
1チップでHeadingできてシステム的には
すごくまとめやすい構成のボードになってます。

●来年以降のスキーターンアナライザの採用したい。
今年の冬は、別テーマで忙しいので、2023年のスキーターンアナライザに搭載を検討します。

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