【PM2020】InfoCrank応力Simulationした<優れた設計されてる>

貴重なサンプルをI様からご寄贈いただいたので、まずは、シミュレーションで、理論上でInfoCrankの高精度が証明できるかをトライしてみました。

■Fusion360静的応力解析を使ってクランク半回転の応力シミュレーション
Fusion360は、優れものCAEツールです。信州MAKERSでは教育機関ライセンスで今のところ無料で使えてます。
カテゴリー Fusion360で応力解析シミュレーションの入門から解説してあります。

■InfoCrankを採寸して、CAD入力 1日がかりでした。
105クランクに比べるとごつくて、がっちりしてます。270gもありますので、60gくらい重いです。特に穴のあいている部分が厚くてしっかりしてます。

面取りなどは、しないで、外形だけおよその形で書きました。

■シミュレーション条件
①拘束:クランクの穴部と座面を完全拘束してあります。
②荷重:ペダル軸相当の金属棒の60mm部に12角形のポリゴンがついていて30度ずつ角度を振って、荷重できるようになってます。
③応力測定点:穴の内壁左右と外表面の左右にφ1、高さ0.05mmの突起を3か所設けてあって、そこに点ローブをあてて、3点の平均値でその場所の応力測定値としました。
④上死点から下死点まで30度ずつクランクを傾けて、鉛直下向きの300Nを荷重します。

■結果解析方法
①ひずみゲージはクランクの長手方向に貼ってあるので、ZZ法線方向が一番感度がでます。ZZ法線応力をを基準にYY法線応力とでベクトルの角度を求めて、せん断影響の度合いも計算してあります。全体をみるためにMises応力も一応記録してあります。
②トルク成分の計算
左の応力値ー右の応力値∝トルク
ひずみゲージのブリッジと同様に対向したゲージで引き算して、
曲げモーメント成分だけ抽出します。
■データ表

 

■シミュレーション結果
Fusion360の静的解析で荷重位置を変えて、メッシュをかけてLOCALで計算します。
クランクだと20秒くらいで1条件できます。


■各角度でのZZ法線応力分布

■結果まとめ
=>想定通り、高精度がでました。
結果1:理論トルクに対して相関係数が6ナインと
外周のひずみゲージを貼った場合が4ナインなので2桁直線性がよいです
結果2:各角度での理論値との誤差が外周に貼った場合が±0.6%程度誤差があるのに対して、infoCrankは、0.1%以下と抜群の精度がでます。

■考察
棒にねじり曲げが混在した力をかけると、せん断ひずみが外周をメインに走り回りますのでせん断のクロストークなど外乱の影響を減らすには、内面に穴をあけて、穴の側壁にゲージ貼るのは理にかなってます。
 内面なので、モーメントは外周よりは小さくなってゲインは低下するのですが、きれいなひずみが得らえることを意図して設計されたと思われます。

=>InfoCrankの設計者は、材料力学のプロだと感心いたしました。自転車部品の設計者というよりは、精密駆動機構の設計者ではないでしょうか、

●以後
 シミュレーションで優位性が確認できたので、実際にどうなのか、SCPシステムができたところで、
 多分力校正をして実際はどうなのかを測定します。年末くらいになるかもしれませんが楽しみです。

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