【パワーメーター2018】InfoCrankパワーメーターの高精度設計考察<私の感覚に近い>

1年ぶりにDgradeDIY様とMFT2018でお会いして、最近のパワーメーターの情報をいただきました。自作パワーメーターの日本における元祖であられるDgradeDIY様は英語が堪能ですので、海外パワーメーター情報を網羅的に把握されていて、昨年からいろいろ教えていただいております。
DgradeDIY様のブログです、お仕事が高度で多忙のため
記事アップに期間があきますが、内容は濃いです。

今回は、InfoCrankというパワーメーターの存在を教えていただきました。
以下は、使ったわけではないので、WEB情報上で考察した結果です。 並みいるパワーメーターメーカーの中で0.1~0.7%精度でパワー値を出力できるとしている唯一のメーカー様です。
【本記事は、力を電気信号に変える荷重変換器観点で、パワーメーターと市販ロードセルの精度を技術視点で比較している結果ですので、現行パワーメーターユーザーが有用に使われている状況に対して影響を及ぼそうと意図するものではありません。】
●メーカーサイト


https://infocrank.cc/

何故かオーストラリアのメーカーさんverve cycingが出資者なのでしょうか

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仕様
https://infocrank.cc/infocrank/which-infocrank/

なんとクランクのど真ん中の大穴をあけてひずみゲージを貼ってあります。これで、0.7%以下の精度をだしてるそうです。

https://infocrank.cc/infocrank/infocrank-tech/
●高精度の理由

①Precision manufactuaing (高精度加工)
■オリジナルクランクで高精度を出す
高精度パワーメーターを作るために専用クランクを設計して
高精度化と強度のバランスととってます。
私も昨年105のクランクにひずみゲージを貼ったとき、材料力学の原理にそって左右対称に正対関係で貼りたかったのですが、製品のクランクには、微妙なテーパーがデザインされていてまっすぐ平行な面が一か所もないということで、ひずみゲージが貼りにくく精度がでない形状だと感じました。ですので、高精度を狙うなら、最初からクランクを専用設計するというInfoCrankの方針に納得します。

■冷間鍛造
50μm精度で孔加工してありますと言ってますが、
日本なら切削で20-30μmくらい当たり前にでる思うのですが。 英国の機械加工レベルなのかもしれません。
孔を空けてもいいように強度を高めるためなのか
冷間鍛造でアルミクランクを作ってます。
小ロット製品で冷間鍛造は、コスト的に厳しいです。
冷間でアルミを鍛造すると強度面で組織が繊維状に変形するので鋳造クランクに比べ強度が高いクランクができます。しかし、形状が難しいものができないとか加工精度が悪くなったりしますので、冷間鍛造技術はシマノが有名です。シマノが自社の冷間鍛造技術の紹介ページで説明してます。

http://www.shimano.com/jp/manufacturing/technology/01.html


http://fishing.shimano.co.jp/product/technology/hagane2/technology/index.html
高いクランクは、冷間鍛造で、安いクランクはダイキャスト系の鋳造で作られてます。105が冷間鍛造どうかわかりませんが
105未満は冷間鍛造ではないと思います。
②LoadCells&StrainGauges(ロードセル、ひずみゲージ)

左右クランクでの精度差がない点、他社ではありえない精度を
自慢してますが、LOADCELLの業界なら当たり前で自慢にもなりません。

https://www.aandd.co.jp/adhome/products/loadcell/introduction/cell_intro06_02.html#c6-2-1

市販の数万円のロードセルでも総合精度0.01%台での精度をもっているのが普通ですので、いかに、パワーメーター業界の精度レベルが桁違いに低いか理解できます。
丁度、MFT2018に信州MAKERSで出展した3Dプリント6軸力覚センサが3%程度の精度です。

 


③Tempreture Compensation(温度補償)
これは、ロードセル業界では、もっと温度補償調整をしているのですが、InfoCrank社は、ひずみゲージメーカーに温度補償精度を任せているみたいです。大穴の中のセンサ類を全部いれているのもメリットがあります。雨雪風などをひずみゲージにあてるのは厳禁ですので、見えないところに隠すしかも心臓部に近いところにひずみゲージが居るので温度変化にもっとも強い部分に設置してます。

④256Sampling
AD変換データ記録周期が4msecでやっているそうです。写真で電池が2個穴に入る構造になっているのは納得です、4msecでCPUを動作させると電池寿命がもたないので、大きな孔をあけて
大きな電池をいれてあると思います。大穴はひずみゲージにも電池に対してもメリットになる設計だと思います。私もMFT2017でシートチューブ型パワーメーターを出展しましたが、4msec周期でサンプリングを目標としました。それは
最高速240rpmで回したとき1回転は、0.4secですので、クランク角度15度だと24等分で10msecとなります。15度で踏力変化が大きく変わりますのでこの変化を2.5回のサンプリングでとれるのが4msec周期のサンプリングですので、もがいたときのパワー変化を忠実の記録できるパワーメーターは256Samplingできるメーターです。
●ブログの解説がいろいろあってこの会社面白い
■Measuring Power on The Bicycle
https://infocrank.cc/measuring-power-bicycle/
VerveCyclverveing社の技術スタッフが他社製品を動的テストしたときにそれらが±2%程度の精度しかもってないことに驚愕した。と始まってます。私と同じ感覚の技術者が英国にもいるということです。いいたい放題ですがごもっともだとおもいます。

■Getting Point with Accuracy
https://infocrank.cc/getting-point-accuracy/
競技選手のパワーを出す能力を評価できることが最重要であることを競技者とコーチ陣が認識していてパワー測定の精度は重要であると強調、

競技者観点でパワーメーターに求めらることを分析してます。
私は、競技者でもなく経験知識がないのでコメントなしです。

■Bicycle Land Speed Record Wemen Achieved By DeniseMuller with Info Crank
https://infocrank.cc/bicycle-land-speed-record-women-achieved-denise-mueller-infocrank/
実績を述べてるみたいです。
■Why We reccomend training campus
https://infocrank.cc/why-training-camps/
これは、会員になれという宣伝かも

●ロードセル業界とパワーメータ業界の違い
ロードセルメーカーは、温度補償を1品1品調整して、調整用の温度抵抗体を調整作業で取り付けて、温度による抵抗変化をなくすように調整して出荷していますが、パワーメーター業界でそこまでやっているメーカーさんはないのではないかと思います。要するにそこまでして精度を出さなくてもいいやという雰囲気があるのだと思います。それは、ユーザー層の違いがあります。ロードセル業界のお客は、品質保証、製造検査、研究開発などヘビーDUTYな業務で使われていてISOの計量規格までパスすることを求めれることもありますので、精度に関する技術を切磋琢磨する必然性がありますが、パワーメーターに関しては、ユーザーは人間で、人間の出すパワーに関しては、誰も尺度をもたないのでおかしいとか精度悪いとクレームをいう人もいないので、パワーメーターメーカーも甘えがでてしまって技術を切磋琢磨が鈍ると思います、ですので私は、InfoCrank社のような精度で業界水準をぶっちぎるメーカーを評価いたします。
しかし、ロードセル業界での最高峰はとんでもなく技術水準が高いです。ロードバイク業界も下記メーカーの技術を学ぶべきと思います。
ドイツHBM社:本物です世界の標準機を提供してます。https://www.hbm.com/jp/
温度補償、ソフト処理など論文たくさんあります。
ひずみゲージと圧電素子の解説も丁寧です。
https://www.hbm.com/jp/3719/piezoelectric-or-strain-gauge-based-force-transducers/
https://www.hbm.com/jp/5501/sensors/

精度はいらないとか言っていても、時代とともに、もっと、違う業界からパワーメーター業界に変革を迫る圧力が自然にかかると想定してます。時代をみるとIOT化がすすんで、人間の行動をすべて情報化する傾向が進んでますので、他のスポーツでパワーメーター的なIOTガジェットが出現して、そのような機器をつかっている人がロードバイクに乗ったときに、IOT機器と自転車のパワーメーターの情報が違うとかいうことが想像されます。

●現在の他社パワーメーター精度は自作で可能なレベル
他社は、2%とか表記してないメーカーが多いそうですがInfoCrank社は、英国の公的機関で測定した精度を堂々と公開して売りとしてます。信州MAKERSでは、3Dプリント6軸力覚センサを開発しておりますが、おもちゃ程度の精度ですがそれが3%です。ですので、市販品のパワーメーターで2%とかいうので10万円とかいう価格で売っているのは、荷重変換器の業界の相場からみると論外の精度仕様で売っている状態だと思います。
このような製品を高額で売っている市場状態は、世の中に例があって、個人向け3Dプリンタの業界で、ここ10年近く個人向け3Dプリンタは、10万円以上の機種が多く、買ってみると使い勝手が悪く半完成品程度の出来で苦労して使いこなすボロイ製品でした、このボロさがユーザーの認識に行き渡ったため、10万円超えの個人向け3Dプリンタは売れなくなり多くの3Dプリンタメーカーが撤退をしました。最近では、昔10数万円のプリンタの性能がREPRAP系3DPで2万円前後で買えるようになりました。10数万円で3Dプリンタを購入した人はずいぶん後悔してるかもしれません。
しかし、パワーメーターに関しては、3Dプリンタほど不具合を感じてるユーザーは少ないと思います。私も中古のパワータップを4万円で購入しましたが、よくも悪くもそれしかないからそんなもんだと思ってます。

●以後
新たな自作パワーメーターを開発するにおいて、上記InfoCrankの情報を知っているの知らないとでは大きな違いがあります。
情報をくださったDgradeDIY様に感謝いたします。

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