【6分力計2018】格安カーボンDarcosCarbonFilamentお試し<安物はダメかも>

CarbonFilフィラメントで、ロードセル作ると精度が良くなることが判ったのですが、いかんせん日本で買うと500g1万円という高コストがネックで多分、若い読者さんは、3Dプリンタでロードセルを作るのをためらうと思います。私も在庫のCarbonFilが無くなったらまた購入するかというと他の安くていいモノを探すと思います。

そこで、最近アマゾンに出てきている格安カーボンフィラメントを使ってみました。
DARCOSというブランドで、PLAで多品種だしてるみたいです。
1Kg4788円ですので、1g5円弱ですので、CarbonFilが20円/gですので、1/4のコストですみます。ダメ元で、さっそく購入してみました。

●触った感じ
CarbonFilもProtopastaも指で曲げるとぽきっと折れるのですが
Darcosカーボンは、曲げてもおれません。、ほとんどPLAの感触です。表面の光沢も艶があって、カーボン比率が少ないのではないかと疑いたくなりました。
調べてみると 公式仕様はありませんでしたが
米国アマゾンでFAQで20%とありました。

https://www.amazon.com/Quality-Strenght-shrinkage-printing-filament/dp/B078GCVSVZ/ref=sr_1_1?s=industrial&ie=UTF8&qid=1530855240&sr=1-1&keywords=DARCOS+CARBON



CarbonFilが20%でProtopastaが15%でしたので、相当多いほうですが、脆さがでてないので、20%は嘘っぽいと感じてます。

●3Dプリント条件
HICTOP3DP-21でCarbonFilの条件でプリントすると
1cmに一回ほど吐出が途絶えるという珍現象が発生しました。日本のユーザーがアマゾンにコメントをいれていただいてました。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B078GCVSVZ/ref=oh_aui_detailpage_o09_s00?ie=UTF8&psc=1



温度で安定性がころころ変わるみたいなので、CarbonFIlの245度から230度までおとしてプリントすると途切れがなくなりました。EXTRUDEREを上昇させて、フィラメントを10ミリずつ送りながら、ノズルからの出具合を観察したら、目詰まりっぽさが全く無く、PLAとほとんどかわらず太い糸がぐんぐんでてきます。CarbonFIlの目詰まりっぽさが全くありません。

●DARCOSカーボンHICTOP 3DP-21プリント条件
速度:800mm/min
Extrude比:1.0
温度:230度

●プリント結果
でプリントすると安定性よくきれいにプリントできました。


やはり、出来上がりに艶がありました。ProtopastaもCarbonFilも艶消しマットブラックで仕上がるので、カーボン量は少ないといわざるを得ません。

スプラインをおもいきりねじってみたら折れました。
CarbonFilでも折れますが、明らかに強度が弱い感じがしました。

タップでM6のネジを切ってみましたが、粘りがあって、ぐいぐい切れます。靭性があります。他のカーボンと違って靭性を重視して設計されているみたいです。

●結論
本来ならば、ひずみゲージを4枚貼って、ひずみ波形を観察して判定するのですが、手で曲げた感じで軟らかくPLAに近い感じでしたので、ひずみ特性もPLAに近いと判断しました。
ということで、DARCOSカーボンフィラメントは、ひずみゲージを貼る用途には適さないと判断しました。
しかし、ABSよりは強く、なにより造形時の変形がない点が最大のメリットです。ABS代わりに構造材料としてはGOODだと思います。
湿気には極端に弱いらしいので、私は、使用する分だけ巻きで切り取って、リールは、長時間外気に触れさせないようにして防湿ケースに保管してます。

●仕様書で比較してみた
DARCOSフィラメントは、仕様書がないのですが、似たようなのでAIFANDEというのがありました。東レカーボンを使っていると言ってるのですが、仕様をみると
曲げ弾性率が2200MPaとABS2500MPaより低いので、剛性
主眼でなく、造形時の変形を主眼としているのではないかと思います。https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07CQTZ88F/ref=oh_aui_detailpage_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

CarbonFIlなら、倍以上の剛性をもってます。
カーボン以外にガラス繊維を入っているみたいで、真剣に剛性アップする設計されている材料だと思います。
https://www.formfutura.com/shop/product/carbonfil-black-158?category=157

https://www.formfutura.com/web/content/4578?unique=d425a6c3ab9ac45b00d6e1af6c7bf897491d687f&download=true

●以後
6分力計でカーボンを使う意味は、剛性、強度以前に、熱伝導度が高くてひずみゲージ周辺で温度変化が少ないのがカーボン含有フィラメントである点から選定してきてます。しかし、変形挙動も異方性がひどい樹脂だと全然使えないのでひずみ特性も重要になってます。その点で、ProtoPastaCarbonよりCarbonFilのほうがドリフトが少なく直線性も高いひずみ特性で精度がよい結果となってます。という経緯なので、
3Dプリント造形物にひずみゲージを貼って、使うためには、
カーボンフィラメントの高級品を使わないとだめらしいという結果に近づいてますが、6分力計を作るというコト作りなら、高付加価値品なので、買えば5万~数百万円するものが、8千円以下で目的にあった仕様で自作できるということで、成り立つと思います。ですので、3DPで単品ロードセルを作るのは付加価値が無いので、3分力計以上の多分力センサを個別仕様で作れるというコト作りでは、成り立つと考えます。それに沿った、開発の方向性とデモをしていきます。

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