【RTK22】高レートGPS Ublox-M9N文鎮化修理 その1<SBASって何だ>

衝動買いしたM9N到着して、さっそく通電して、25Hz動作を確認しました。
とりあえず車のダッシュボードに乗せて、F9Pと比較してみました。
M9Nのhaccが50cm~2mくらいでした。仕様が2m精度なので、基板上のチップアンテナでも
仕様内にはおさまってました。=>チップアンテナのGPSとは思えないほど精度(2m以内)でてます。RTKほど精度が欲しくないけど、複雑でかさ張るGPSは嫌だと言う方にはいいかもしれません。
※2024年1月追記  M9Nは使ってません。
RTK F9Pの速度が遅いのは、IMU BNO085で100Hzでカバーすることにしましたので、M9Nの25Hzの意味なくなりました。
RTKチップF9Pに比べチープに出来ているようで、頻繁にハングします。ですので、いろいろな使い方ができません。1万数千円でこのチップ買っても、得られる精度は50cmから2m程度ですので、2-3万円だしてF9Pを購入したほうが幸せになります。GPSをいじるなら確実に±3cmで測位できるRTKの凄さを体感しないと損です。
努力してM9Nで精度±数十cmでだしても、性能に比べて金額差が小さいので誰も褒めてくれないと思います。

※2023年5月追記
M9Nの計測は、速度が20kmh以上でないと速度ベクトルのノイズが多くて精度が劣ります。試験治具が手回しの回転治具なので高速度にはならないので高速回転機構作れるようになるまで中断してます。自動車など高速な移動体だと精度良いのですが、低速な人間の動作などでは精度が落ちます。2023年からは、IMU BNO055を使って
RTKの補間にトライしてます.
BNO055は、フィルター処理内蔵なので磁気センサのYAW角がそれなりの精度ででてきますが、RTK Heading角には及びません、定期的にRTK heading角でリセットすることでBNOのYAW角が使えるか検証実験中です。補間なので、何等かの位置パラメータがあれば組み合わせて推定できればいいので、M9Nの速度ベクトル以外でもIMUの角度、Linear加速度などをヒントにして補間にトライしてます。精度は、RTKのタイミングでリセットするという手法が基本でリセット間でのIMU精度がどの程度でるかで決まります。

※2022年6月22日追記 速度精度(sAcc)とヘッディング精度(headAcc)をF9PとM9Nで比較しました。
位置精度では、RTKのF9Pが数cmで、M9は、1-2mと完全に負けてますが、いざ、速度ベクトルとなると
F9Pの精度の2倍程度の精度が出てます。F9P8Hz、M9N25Hzですので、速度ベクトルとしては優秀な精度だと
思います。MEMS IMUでは、ここまで出ないです。

■速度精度がいいので、積分して距離をだしてF9Pの距離と比較したら数cmレベルまで得られそうです。

【RTK22】高レートGPS Ublox-M9Nいじる その2<M9N速度積分で使える>

これから、M9Nの評価を始めるにあたって、評価システムを
作っていく過程をその1~その4くらいまで備忘録していきます。
IMUの代わりになるかと、F9Pの補間ができるかを確認する評価システムです。自撮り棒に3種類とりつけます。

■M9Nネタの予定(6月いっぱいでシステム制作完了したいです)
その1 M9N仕様とSBASの学習と軽く動作させてみた感触。 本記事
その2 M9N+IMU+F9P接続とSDログとBlueTooth無線出力システム の予定
その3 M9N評価システム試運転(M9NとF9PとIMU速度ベクトル比較)  の予定
その4 DR(DeadReckoning)システムの検討 の予定

●M9Nの仕様書類をダウンロード(衝動買いしたのでろくに読んでません)
製品ページ: https://www.u-blox.com/en/product/neo-m9n-module
A:製品の位置づけ
Product Summary:  https://content.u-blox.com/sites/default/files/NEO-M9N_ProductSummary_UBX-19027207.pdf
B:製品仕様書
M9N data sheet:   https://content.u-blox.com/sites/default/files/NEO-M9N-00B_DataSheet_UBX-19014285.pdf
C:インテグレーションマニュアル 機能説明
 Integration Manual: https://content.u-blox.com/sites/default/files/NEO-M9N_Integrationmanual_UBX-19014286.pdf
D:インターフェース 記述マニュアル 出力コードの内容説明  
   Interface Description: https://content.u-blox.com/sites/default/files/u-blox-M9-SPG-4.04_InterfaceDescription_UBX-21022436.pdf

E:Ublox アンテナ解説書
https://content.u-blox.com/sites/default/files/products/documents/GNSS-Antennas_AppNote_%28UBX-15030289%29.pdf

●SBAS
①ProductSummaryでは、SBAS精度を謳ってます。
SBAS 1.5m SBAS無2m  SBASは自動でかかっているので、1m前後が普通に出て見晴らしがよいと50cmまでいきます。SBAS無にセットしようとしましたが、自動で戻ってしまいました。SBASで50cm-1.5mになる感じです。

●SBAS調査

ENRI(電子航法研究所)のプレゼン資料が判り易いです。
https://www.enri.go.jp/~sakai/pub/demae_070723_sbas.ppt

補強情報=衛星故障情報、軌道情報、衛星クロック誤差、電離層遅延量誤差(緯度経度5度毎)
補強情報を地上の監視局から統制局へ集めて補強情報を衛星へ送って、衛星からユーザーへ放送する仕組み
=>RTKは、数km圏内の補正情報だが、SBASは、5度(550km)メッシュの大雑把な電離層情報であるので、余り効果はない。

●最近は、2周波SBASというのもあるらしい https://qbic-gnss.org/wp-content/uploads/2021/02/21_wg3_06-4.pdf

何故RTKでなく、単独測位を研究されているかは、ENRIの役割は、航空機の安全の研究なので、RTKの基準局が全世界の空をカバーしているわけではないので、単独測位で精度のでる信頼性のある技術を研究開発する必要があるのだと理解しました。

●M9N触り初めのTIPS

ーーーーーーーーーーーーー文鎮化修理メモーーーーーーーーーーーーーーーーー
※2022年6月18日 デバッグ中にM9Nファーム壊れました
=>UcenterからUSB経由で書き込みが効かなくなりました。
 修理の仕方は、F9P SimpleRTK2B lite と同じでした。ただし、USBシリアル基板を用意してUART1に接続しないとSafe Bootできないのです。ファームが書き終わるまでSafeBootでずっと、GNDにショートさせておかないといけません、ファームは、M9N専用ではなく、ublox第九世代共通のファームです。ここにあります。
https://content.u-blox.com/sites/default/files/JU_EXT_404.907640e53126add7de4708d754b575ef.bin?_ga=2.234670166.912783100.1655655179-306519847.1655655178

これをUSBシリアル基板経由で9600bpsで書き込むので20分くらいかかりました。
ファーム書き終わると、デフォルトに戻るので、ようやく、M9NのUSBポートが生き返りました。

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TIPS0:Ucenterでメッセージの選択する場合、F9PならメッセージViewで右クリックenableとかにセットしてSENDすればメッセージ登録できるのですが、M9Nは融通が効かなくて正規のメッセージ指定のやり方(NAV-CFG-MESで細かなコンボボックスでチェックをポート毎にいれていく面倒な操作が必要です。F9Pに比べて明らかに不便なダウングレード品です。

TIPS1:25Hz設定は、NAV-CFG-RATEで行うが、100msec以下になるとピンクコーションが出て入力できないかと
思ったが、40msecと入力するとSENDできたので、25Hzになりました。ただし、25Hzで出てくるのは
NAV-PVTだけです。NAV-PVTがあれば、位置と速度ベクトルが判るので大抵の用途はこれでOKです。

TIPS2:電源オンで赤LEDが点灯して、しばらくすると青LEDが点滅します。
青LEDはTimePulseですが、TimePulseが出る前からitowは出てます。

TIPS3:FIXは、3DFIXでFIXなので、数十秒ででます。SBASが効く場合は、FIX DGNSSと出てきますが、これは即は出てきません。時々消えたりしますので、安定して出てくるのかこれから評価してみます。FIXは、PVTのflagsで見ますが、3DFix=1、DGNSS Fix=3となります。 Carrier Phase  Solution は、RTKでないと出ません。

 TIPS4:SparkFunボードについているQwiikコネクタはI2Cしか対応してませんが、1m以上伸ばすと、クロックにノイズが入って使えなくなったり、配線がノイズをかぶって不通になることがあったので、私はUARTで使ってます。

TIPS5:SparkFun Ublox libraryがあるのですが、サンプルプログラムが大量にあるのですが、単機能すぎて、
とてもシステム構成に使えないお試し用です。単純なことをするのに、大げさなコードになっていて
自分で作ったほうが早いです。  https://github.com/sparkfun/SparkFun_u-blox_SARA-R5_Arduino_Library

TIPS6:F9Pより全体的に遅いクロックで動いている感じがします。データ出力周期のばらつきも大きいです。

TIPS7:チップアンテナ版だとデバッグを窓際で行わないといけません、南面が開けた窓際室内でも、hacc90cmくらいがでますので、システムのデバッグ作業ができます。RTKより、電波受信精度うるさくありあません。
アンテナ版なら、外部アンテナをだして、デバッグできるので、窓際でなくて済みますので、ご自分のデバッグ
作業の場所で、アンテナ版かチップアンテナ版か選択することも大事です。

TIPS8:チップアンテナでもPDOP1.5~1.9になります。RTKだと1.3前後ですが、チップだと1.3は出ません。

●試し測定
ダッシュボードに車載してM9NとF9Pで速度差velNとvelEをみてみました。
まだM9Nの設定誤差の見方できてないので、データにはなりません。
少しの速度差が方向の大きな差になるので、方向がどこまでばらつくのかがもんだいです。
感想としては、F9Pは、統計処理済みの滑らかな出出力でM9Nは、ノイズが多いガタガタした波形でした

 

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