【パワーメーター】InfoCrankセット御寄贈いただきました<I様に感謝>

信州MAKERS、ロードバイク関連でトップクラスの人気記事である。
InfoCrankパワーメーターの高精度設計考察<私の感覚に近い>」
この記事でご縁がありました。

INFOCRANKを2セット所有されているI様という方が、信州Makersの研究用に1セット寄贈していただきました。
非常に高価で希少品のパワーメーターをご寄贈いただき感謝感激です。
 I様のInfoCrankに関する手記を投稿いただきましたので、下記に転載させていただきます。
大事なサンプルですので、じっくりと評価させていただくことにして、現在SCPシステムプログラム中なので、一段落してからInfoCrankの解析を始めたいと思います。10月~11月になりそうです。

■以下 I様 ご投稿記事

●目次

【入手に至るまで】

【インプレ】
1.クランク自体について

2.クランクの重量について
3.通信規格の点(Ant+)
4. デザインの点

5. チェーンリングの点
6. BBの点
 7.正確性について
8.バッテリー寿命の件
9.製品アップデートについて
10.ケイデンスについて

 

【入手に至るまで】

自身の自転車環境として、パワーメーターは憧れはあっても、無くても問題はないものでした。とりあえずサイコンがあって、スピード・ケイデンス、そして距離が分かれば十分である、そう思っていました。

その状況が引越しを機に一変します。
自由に使える部屋が確保でき、ついにローラー台を導入できる日がやってきたことです。

日々の楽しみが通勤と休日の自転車だったので、雨が続く日々は乗れないストレスで、鬱屈とした気持ちを抱えたものでした。でも、ローラー台があるのなら自転車にいつでも乗れる!と気分が盛り上がったものです。

ただ、ローラー台に乗り始めて数日もしないうちに、気持ちの壁にぶち当たります。
「ただ部屋に閉じこもって漕ぎ続けることの何が面白いだ?」と・・・

購入したローラー台が、車体への負荷を考えてハイブリットタイプ(フロント固定・リアのみローラー)であり、今時なスマートなローラーではありませんでした。その為、スピード・ケイデンス・心拍センサーで出せる指標しか分からず、それもローラー台の負荷設定次第で如何様にも調整できることから、実走とは整合性が取れない点にモチベーションを見出せませんでした。

そんな環境を打破すべく、パワーメーター導入に踏み切る事となります。

スマートローラーに買い替えるのがシンプルな解決策ではあるのですが、嫁さんの目が厳しく現実的な話ではありません。ハイブリッドローラーを買ってすぐの話なので、富士ヒルを一輪車でシルバー取るくらい厳しい状況です。その為、何とか今の機材を生かしつつ導入しやすい(ばれにくい)機材として、POWERTAP G3を購入しました。

ローラーで出力が分かる・・・
たったそれだけの事なのですが、モチベーション維持において大事な事だと痛感しました。
頑張りが数値で可視化されることで目標を立てやすく、そして環境に依存しない数値だからこそシンプルに追っかけ易い事が、自分には合っていたようです。

それからはZWIFT等を導入し室内のパワートレーニングに勤しんでいました。
・・・が、しばらくすると、また気持ちの壁を感じるようになります。原因はPOWERTAP

POWERTAPはパワーメーターのベンチマーク的に語られることが多いのですが、ローラーにてケイデンスを一定に負荷を変えないよう踏んだとしても、測定値の揺らぎが発生します。その揺らぎが落ち着かない事から、自身の踏んでる感覚とズレを感じる事が多々あります。

クランクの回転以上に回転するリアハブにてひずみを計測し、一定間隔でデータ送信される影響が大きいのだと思いますが、3秒間平均で数値を見ないと概況がつかめない悩ましさ。それはそれで加重平均による遅延を含む出力値になり、潜在的に感覚のズレを持ちやすい機材という印象です。

ワットを出す事だけに執着すれば単純に踏めばいいのですが、必要以上に無駄があったり維持できない形での出力だとすると、努力の方向性が間違っている状況です。
よく一緒に走っている人にも踏みすぎる癖を指摘される状況でしたので、効率的に出力を維持する術を身に着けないと駄目だなと感じていました。この機材のまま続けても、その部分の解消は出来そうにないので、次の機材探しに移ります。

パワーメーターの選択肢には、クランク型・ペダル型・スパイダー型・スピンドル型など多岐に渡るのですが、出力値の揺らぎに振り回されたくない事から、 “精度”を重点に探しました。

色々と探しては決め手に欠ける中、”信州MARKERS”様のINFOCRANKに関する投稿を目にしました。

完全専用設計のクランクタイプのパワーメーターであること、そして何より精度が著しく高いことに惹かれ購入に至ります。買うに当たっては、いくつか葛藤がありましたが、下記のインプレを参考にしていただけると幸いです。なお、初代のINFOCRAKは当方が色々やらかしまして、2020年に再度購入しています。何気にアップデートしていたので、その点も記載いたします。

 

【インプレ】

INFCRANKは、クランク軸がM30と24mmの2種、およびPCD(BCD)が110mm/130mm/144mm(トラック専用)の3種あります。このうち購入したのがM30のPCD110mmとなります。

 

  1. クランク自体について

M30規格から気づく方もいらっしゃると思うのですが、PRAXIS WORKSのZAYANTE M30をベースに作られているであろうクランクです。スパイダーとクランク軸の作り方は共通しています。
正直、今の“ZAYANTE CARBON DM M30”のようにダイレクトマウント形式にアップデートしてくれれば、もっと汎用性があってとっつき易いのにな…と思うのですが、一方で汎用性がない事でパワーメーター部分を含めた製品設計の堅牢さに繋がっているのかな?とも思います。
自身の好みとしては、踏んだ際に軋みやたわみ、そして異音を感じるのが嫌いなので、剛直なINFOCRANKの感触は好みです。

 

  1. クランクの重量について

INFOCRANKを検討する際に、真っ先に葛藤するのが重量の問題ではないでしょうか?
チェーンリングを抜きでDURA-ACEのクランクセットと変わらない重量は、魅力的に映ることはなく悩ましさを与えてくれます。
ただ、実際に使用してみると、そこまで重い感じはないかな?という印象です。自分自身、身長なりに体重があるほうなのですが、別の自転車でカーボン製の “軽量クランク”を併用していても、重さによる極端な違いやデメリットを感じには至りませんでした。(※個人による感覚の差ですが)。

INFOCRANKにてケイデンス測定ができるので、クランクに巻いていたセンサー分の重量がトレードオフ出来ることも僅かながらに寄与しますが、スパイダーやクランク軸を除いたクランクアームだけの重量は、そこまで重くないのかもしれません。また、クランクアームが左右同一設計で、かつ形状含めて均一な重量バランスを持っている様子があり、回転外周に近い範囲に重量が集中するようなアンバランスさは感じません。上手い事、重量分散をしているせいか、数字ほど重量を感じにくいことに繋がっている気がします。

 

  1. 通信規格の点(Ant+)

発売された当初ならばこれで問題なかったのですが、昨今の環境だと、そろそろBLEに対応して欲しいな、と思いますが、Bluetoothではサイコン以外の機器(スマホとか)にペアリングをしてしまい、そこから接続するには面倒なこともあります。すぐに・確実に目的の機器に接続できる、その点は大事な気がします

 

4.デザインの点
海外フォーラムを見ていると、デメリットとしてデザインが“UGLY”と書かれたりもしますが、そこは人の好みそれぞれ。クランクの色が塗装の“黒”なので、URTEGRAの色味に比べて黒系フレームとの馴染みは良いです。チェーンリングでおめかしして、カッコよく見せましょう

 

5.チェーンリングの点
よくよく考えれば気づけたことなのですが、クランクアームの裏側にパワーメータのセンサーユニット(KIP)が出っ張っている為、エアロチェーンリングはユニット部と干渉して取り付けることができません。せっかく用意していたROTORのNO-Qエアロチェーンリングが役目を果たすことなく、人の手に渡ることとなりました。

ただ、センサーユニットの出っ張りに対応したエアロチェーンリング(クランク部が少し抉れているタイプ)も複数社から販売されていますので、選択肢に気を付ければ大丈夫です。当然ながら相性がいい(入手しやすくて使いやすい)のはPRAXIS WORKSのチェーンリングとなります。VERVEのWEBでも販売されています。

 

6.BBの点
24mm規格のクランクだと選択肢は大変多いのですが、M30規格は限られた選択肢となります。この規格を提唱しているPRAXIS WORKSのBBは入手しやすいので苦労はしないのですが、より良いBBを手に入れようとすると更に選択肢は限られます。PRAXIS WORKS以外のM30規格のBBとなるとWISHBONEかCERAMIC SPEEDくらいしかございません。特にCERAMIC SPEEDに至ってはVERVE CYCLEのWEB以外に販路がないように思われます。値段は極端に高い事はないですが、送料は高めなので、何かとまとめて買うのがいいと思います。

ちなみにPraxis M30 Custom Bottom Brackeでも特に回転や異音もなく不満はありません。

 

7.正確性について

最も関心のあった項目なのですが、VERVE CYCLEが主張している通りの正確さは感じます。

自身では、POWERTAPとの比較しかできないのですが、踏み方に合わせてきっちり反応が返ってく感じが非常に好感触で、POWERTAPの時に感じていた踏み方との感覚のズレがなく、数値も揺らぎも少ないです。

参考までにギアとケイデンスを一定にして踏んでみたのですが(下図)、ケイデンスの上下動に伴ったパワーの変化はあるものの、踏み方やケイデンスが変わらない状態だと、壊れていんじゃないか?と思うくらい一定の値を示します。

むしろ、数値の上下動が当たり前のPOWERTAPに慣れた感覚の方がおかしいのでしょうか?

正確さを担保されていると、あとは自分の問題となってくるので、色んな課題が浮き彫りになって、モチベーション維持に助かっています。

 

8.バッテリー寿命の件

バッテリーはかなり持つので、交換時期を把握していられないほどなので、500時間の長寿命も盛った数値ではないと思われます。(ただ、200時間でも把握は出来ませんが・・・)

バッテリーに関しては電池種類の選択に注意が必要です。ユニットに適合する電池としてLR44(アルカリボタン電池)とSR44(酸化銀電池)がありますが、LR44は特性から著しい電池消耗を生じることがあり短時間しか持たない可能性があるとVERVE CYCLEのQ&Aフォーラムに報告が上がっています。加えてLR44はSR44より電池の高さが低く、バッテリーケース内で上下に動いてしまうことから内部ダメージを生じる恐れがあり、使用を推奨されていません。
その為、INFOCRANKの電池はSR44専用と考えた方がいいです。なお、Renata 357を強くお勧めとのこと。

https://support.infocrank.cc/support/solutions/articles/1000280024–battery-drainage

SR44は手軽(コンビニ等)に入手できるものではない為、在庫や入手先をいくつか把握しておいた方が良いです。

 

9.製品アップデートについて

初期のINFOCRANKは、BB下に専用マグネットを取り付ける必要があったのですが、マグネットフリーとなるファームアップデート(ver.2.06 通称revup)を経て、製品インストールがかなり簡素化されています。また、販売サイト等での製品の見た目が変わってはないのですが、センサーユニットの仕様が変更されていました。(2個目買った際に気づきました)

1つはセンサーユニット(KIP)がスリム化されたことで、出っ張りの高さが低くなっており、加えて実行モードの切り替え手順が簡素化されています。

古いタイプは、電池を入れてバッテリーカバーを閉じるとLEDランプが点灯し続ける、”Boot loader”と呼ばれるモードになります。このモードにてファームウェアの更新が可能となるのですが、出力の計測は出来ない為、センサーユニットにマグネットをかざし、LEDランプの点灯を消すことで動作モード(operation mode)にする必要がありました。なお、点灯状態もほっとけば消える分けでなく、マグネットをかざすまで消えず、いたずらに電池を消耗します。

revupでマグネットが不要になった一方、マグネットがあった時のクランクを回せばboot loaderからの切り替えが出来る名残が残っていて、やや不便を感じる部分でした。

これが新しいものになると、バッテリーカバーを閉じたら1回だけLEDが点灯し、すぐに“オペレーションモード”になります。逆に、“Boot loader”を起動時にマグネットが必要となりましたが、こちらは基本家でやる作業なので不便はないです。

 

10.ケイデンスについて

上記revupにてケイデンス測定にマグネットが不要となっています。走行時の計測に特に不具合はないのですが、停車時等にクランクの動きを止める判定がやや辛い印象があります。

足を止めても多少クランクに動きがあると、0rpmと判定するまでに少し時間がかかるので、停車する機会が多い実走では平均ケイデンスの数値が低く出ます。この点がファームの更新がもう少し改善されると嬉しいです。

 

以上

=======上記がI様ご投稿==================

●以後
 簡潔で整理されたインプレッション記述、I様のお人柄が分かります。
信州MAKERSで、コラボしていただいている読者様の4人目の仲間としてI様の記事を固定ページ化して永久保存させていただきます。コラボ3人目の遠州Makersシミズ様の自転車用ピトー管式対気速度計作り の記事も全国の読者様から頻繁に閲覧アクセスいただいておりますので、本記事も信州MAKERSブログ定番記事となると思います。

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