【PMD2018】基礎学習2回目<HX711とロードセル接続&LT1167>

信州MAKERSでは、力を測定するためにひずみゲージ応用の6分力計、ロードバイクパワーメータを開発しております。現在使っているセンサ用信号処理(AnalogFrontEnd用途)のアンプですが2種使いわけてます。

HX711:ロードセル用24bitのAD変換器10Hzでサンプリングするので静的な力の測定で使います。 ロードバイクなど動く力の測定には使えませんので、キッチンスケール的な使い方でしか使えませんので私は使ってません。

http://akizukidenshi.com/download/ds/avia/hx711.pdf

LT1167:振動に近い動的な力を測定するときは高精度計装アンプ http://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/data-sheets/j1167fb.pdf

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5

LT1167は、こちらの記事で原理説明してありますので、今回はHX711を学習します。

回路例 電源電圧を半分にしてREFにいれて、ゼロレベルからプラスマイナスのひずみを出力します。
3.3V電源なら1.65Vがゼロひずみで1.65V未満はマイナスひずみ1.65V以上がプラスひずみです。
可変抵抗は350Ωのゲージのブリッジの場合は1KΩがちょうどいいです、ボリュームの調整は
非常に微妙ですので、テスターでプラスマイナスの振れ幅を確認しながら抵抗位置を決めます。

※2021年8月末追記
LT1167はアナログなので信号ノイズが大きい点、HX711は、遅いのとSIOが不安定動作するとかで、使えるデジタルアンプがなかったので使いやすくて精度が良いデジタルアンプを見つけ出しました。これが定番になれるように精査していきます。UART接続なのでIFノイズトラブル皆無です。

【ひずみゲージアンプ】ADS122U04のご紹介1<UARTで楽ちん動作>

 

HX711の構造と仕様

仕様書からダイアグラムをコピー拡大しました。

ひずみゲージブリッジから微小な電圧差信号がINA+とINA-に入力されます。
ひずみゲージのブリッジ回路:については、別途学習ページを作ります。
InputMUXマルチプレクサといって複数信号を1本にまとめるICです。INAとINBの切り替えに使ってます
PGA:プログラマブルゲインアンプというオペアンプです。ゲインを32,64,128の3種類設定できます
ADC:AD変換器24bitもあります。
CQ出版にPDFに詳細解説がありました。http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/42/42041/42041.pdf
DigitalInterface:これでマイコンと接続しますが、HX711は、SIOというインターフェースです。RS232Cが一般的なのですがこれはもっと原始的なシリアル通信ですがこれがHX711で発生するのトラブルの元となってます。接続ソフトは、ライブラリがあるのでSIOを知らなくても大丈夫です。
東芝の解説がわかりやすいです。https://toshiba.semicon-storage.com/jp/design-support/e-learning/mcupark/village/serial-interface-2.html

AnalogSuplyRegurator:定電圧レギュレータ 3端子レギュレータだと精度が±5%程度なのでADCの基準電源にはなりません。そこでBGRが必要となります。
BandGapReference
:電圧リファレンスIC、AD変換で基準電圧が変動してしまうとデータなのか電源変動なのかわからなくなってしまうので重要な機能として電圧リファレンスがあります。
解説記事は詳しい記事があります。http://eetimes.jp/ee/articles/1110/11/news007.html
ここも詳しいですhttp://ednjapan.com/edn/articles/1102/01/news110.html

http://ednjapan.com/edn/articles/1206/27/news050.html
下図のようにバンドギャップが周囲温度変化で発生する基準電源のドリフトを補正できるらしいです。

http://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/ae-hx711_rev1_20180129.pdf
基準電圧がどうなっているか秋月のHX711の周辺回路図をみてみます。
端子2,3,4,5,6で基準電圧が制御しているみたいですが私は未だ理解できてません。

 

 ●実際の結線
ロードセルとの結線ですが中華ロードセルは説明書がついてないので秋月の説明があります。
http://akizukidenshi.com/download/ds/sacc/SC133-2kg.pdf

赤線=+V 黒線=-V(通常はGND) 緑線(出力+) 白線(出力ー)

この結線をしっかりと記憶しておくことが重要です。

InB端子はゲイン32ですので、精度が劣りますので普通は使われません。

●配線のノウハウ

1CHだけなら、あまり気づかいはいりませんが、私はHX711を6CH使って多分力センサを作ってますので
CH信号に干渉ノイズは大きな課題となりました。

この後でノイズならシールド線でならいいかとおもってシールド線で作り直してみましたが
やはりダメでした。信号線の長さが短くないとノイズがなくならないのではと思って、ロードセルの
線を延長させてCPU基板の上に配置したHX711基板にしました。するとノイズが減りました。
「HX711のSIO信号線はCPUから数cmしか離してはいけない」みたいです。

2019年度からは新しいアンプをつかってます。
【ノイズとサンプリング周波数と多CHの課題をクリア】

精密重量測定器用のアナログデバイス社製高精度ADCです。
アンプと高精度ADCの多ch回路がIC1個に入ってます。
信州MAKERSでは、2種類を使い分けしてます。
①4chコンパクト低価格:AD7193 TSSOPパッケージ

MACNICA-MOUSERで5個7千円で輸入しましたが、
CHIP1STOPでも、3個4800円で買えます。
TSSOPを28ピン変換基板に半田付けしないといけない難点が
ありますが、超小型の4chひずみゲージアンプですので、
小型低価格4cHが欲しい方はトライしても価値あります。

【MFT2019】AD7193_TSSOP_4CH動作OK<3日かかった>

②6CH高速高精度ADC:AD7194  EVAL BOARD
①は、TSSOPの半田付という難関があってとてもできない方は、
高い(7千円)ですが、評価ボードがありますので、そのボード上にマイコンを搭載すれば簡単に8CHのひずみゲージ測定回路基板が出来上がりますので、手間をかけたくない方向けです。

【MFT2019】AD7194_6CHスループット10msec<PC転送時間長い>

アナログデバイス社のAD7194というアンプ内蔵8CHADCです。デルタσ型ADCで低ノイズです。
ゲインの少ない手作り多分力センサには最適です。独自のQFP構造で実装が難しいので評価ボード7千円をマクニカマウサーさんで購入してつかってます。趣味以外で仕事研究で多Chひずみゲージブリッジを使いたい方向きです。
詳細は下記リンクです。
初期動作確認

6CH動作確認

アナログデバイスのADC選定

デルタσ型ADC解説

ーーーーーーーーー以下は昔のhx711の記事ーーーーーーーーーーーーーーーーー

●以後

上記2階建て回路でHX711の6個使いで、MFT2017,MFT2018を乗り切れました。

●プログラム

私はmbed NUCLEO F446REを使ってますが、ライブラリはmbedでいくつかあります。
Arduinoでもライブラリがあります。
秋月の説明書に紹介されてますが扱っているブログがたくさんありますが元祖はSPARKFUNです。

https://learn.sparkfun.com/tutorials/load-cell-amplifier-hx711-breakout-hookup-guide?_ga=2.62074730.752747356.1539688535-1309258631.1539688535

●以後

今回、ここ二年間つかいまわしてきたHX711の基礎を勉強して、ブラックボックスがグレイボックスくらいになったので、これからは、信号の精度なども気遣いながら使っていこうと思います。

 

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