【パワーメーター】クランクにひずみゲージ貼った

ペダル治具での校正では、踏み方が実際と違ってくるため、踏み方によるばらつきの校正ができなかったため、クランクにひずみゲージを貼って、クランクをロードセル化して校正を行うことにしました。市販のパワーメーターでは、クランクの裏面を利用してせん断ひずみを測定することでペダリングの接線方向力を測定してますが、私は、せん断ひずみより、曲げひずみのほうがきれいに出るはずなので、クランクの左右側面に2枚ずつ計4枚貼ることにしました。これは、多くのロードセルが使っている4ゲージ法です。ゲージの組み合わせと配線は、シートチューブのときと同様なので3月9日の記事を参考にしました。
※私がクランクにひずみゲージを貼る目的
計測用で、実用目的ではありませんので、ご参考にされる場合も決して実用目的ではないことを前提に
御覧ください。過去4年間で最大数は左クランクに16枚貼ってペダリングモニターで踏力ベクトルを見た作品例があります。これを見れば非実用的なことはお分かりになると思います。

【パワーメーター2018】ペダリングモニター備忘録<ゲージ配置確認>

更に、ひずみゲージを貼った後のアンプ、CPU、無線モジュール、システム全体の開発を経験して、とても素人では、実装技術が追い付かない課題があったからです。多層基板に細密なCHIPを実装して信頼性を確保するのはプロの仕事です。しかし、

=>学生さんや20代の技術者さんなら、実用でも計測用でもなんちゃってでも、何でもいいから自作していろいろな課題にぶつかってみるのが良いと思います。企業に勤めていても、昭和の時代に出来上がった技術体系の中で、重箱の隅っこしか担当しないで一生を終えるエンジニアがたくさん居ます。多分、本ブログの読者様はそういうのが嫌で、いろいろ検索調査されている真面目で前向きなお方が多いと存じます。DIYは、技術者を伸ばしくれますので、挑戦されることをお勧めします。メカ屋、エレキ屋、ソフト屋、化学屋、物性屋、建築土木、理学、農業、芸術、文科系さまざまな専門に関係なくトライされる方を応援したいです。
※2020年6月記
このクランクに貼ったゲージブリッジを使って、新たな無線セットで、左右トルク波形とPowerTapのパワー波形の比較実験を行いました。このクランク貼りでもPowerTapと相関係数98.8%でパワー値を出力できました。
ここ3年の課題は、無線で左右からトルク波形を送信すると、数分すると左右位相がずれてしまう課題がありましたが、今回は、上死点信号を一斉同期信号としてブロードキャストする方式で、上死点をトリガーにして、半回転毎にパワー値の計算をする方式で、位相ずれが発生しない方法で、何時間でも測定できるようになりました。
クランクのパワー値とPowerTapのパワー値の差は、チェーンの伝達効率みたいです。そんな違いも見えます。
計測用でもいろいろ楽しめます。

【PM2020】クランクとパワータップの差はチェーン伝達効率かも<チェーン油塗布で変わる>

●ひずみゲージ貼り作業の課題と=>対策
課題1:ひずみゲージを貼ると斜めになったり位置がずれる。
=>マスキングテープにゲージサイズの窓をくりぬいておいてマスキングテープをクランクに貼ってからゲージ貼りを行う。
課題2:4ゲージ1セットなので、配線がぐちゃぐちゃになる
=>ゲージ位置と配線の並び順をいつも同じ順にして、線の名前も同じ順につける。

●ひずみゲージ貼り作業説明
※2018年10月現在は、ひずみゲージの貼り方も2年間の修練に基づいて以下の動画のように進歩してきてます。
マスキングテープとスコッチテープが貼りつかないようにするのに工夫が必要ですが、改良していきます。

TMLのゲージで昨年買った鉄用が6本余っていたので、それを右クランク用に4本使いました。ひずみゲージ貼り付け用のシートも付属してます。

クランクの断面寸法をノギスで測定して、巻き付ける寸法をマスキングテープに線引きしておきます。ゲージを貼る位置に窓をカットしておきます。窓は一回り大きめにして、右上角をめざして貼ります。

側面の裏表にぐるりとマスキングテープを巻くことで、裏表の位置合わせがそこそこ出るしかけです。
ゲージの裏面に一滴瞬間接着剤を垂らして窓の右上角めがけてゲージをもっていって、押さえシートで数十秒押します。共和のマニュアルがあります。http://www.kyowa-ei.com/jpn/technical/notes/bonding_procedure/

なんとか、貼れましたが、若干ゲージの頭の位置がずれてました。頭そろえるのが難しいので、TMLさんから2枚が1体化したゲージを仕入れておきました。

幅が広いのでクランク側面は無理でした。
フレームシートチューブには、便利なゲージになると思います。

クランクとギアが配線固定用のテープだらけで、満身創痍にみえます。左クランクも同様に貼って出来上がりました。

治具づくりは1週間がかりでしたがひずみゲージ貼りなら1日で余裕でできてしまうので、慣れればひずみゲージ貼って力測定したほうがスマートです。


●クランクのひずみゲージ出力と荷重のキャリブレーション
踏力は40kgMaxくらいで校正しているのですが、30kgまでのおもりがないので、ダンベルで6kgまで吊って直線回帰して、OKとしました。

ロードセル用ブリッジを組んであるので曲げ力だけに感度をもってました。おもりの吊り下げる位置がペダル軸根元でもペダル軸先端でも同じ値がでました。つまりクランクのねじり方向には感度がありません、クランクの長手方向へ引っ張ってみましたが、5Kgで0.1kg程度の感度がありました。この長手方向もゲージを貼って、測定すればパイオニアのパワーメーターと同じ仕掛けになるので、ペダル踏力のベクトルが得られます。
①クランク角90度キャリブレーション値

R=0.99998という線形性が非常にでてました。ロードセルそのものです。
このCAL値をプログラムに書き込んで、クランク角54度にして、測定値をみると

この出力値は、SIN(54度)の値が出てますので、
このクランクに貼ったひずみゲージから踏力の接線方向分力が得られることが分かります。
●以後
左クランクもCALしてから、ビンディングペダルとシューズでいろいろな踏み方をした校正作業をおこなって、精度を見極めます。

※3年後の2020年6月記
この3年間で、応力解析、6分力センサなどの開発により、分力センシング技術が身についてきてます。クランクに関しては、詳細な応力解析を実施した結果、

【PMD2018】Crankはそりねじり変形が重要<Simulationと実験値一致>

この105クランクでは、上死点付近で±25度範囲で、正常な曲げひずみが発生してないことが分かりました。上死点で、クランク下方向へ座屈させるモーメントがかかることでそり曲げ状態になるみたいです。クランクはトルク変換器として使う場合は上死点での非線形挙動をどう逃げるかを考えないといけません。校正実験でも理論値と同様の傾向があります。

【パワーメーター2019】クランク校正開始<クロストーク有る>

 

 

 

基本的に商品の形状にそのままひずみゲージを貼ること自体で、変換器としての精度は、悪いものになります。
これは、世界最高峰のパワーメーターであるInfoCrankの記事を見ていただければわかります。1%前後の精度を得るには、トルク専用の形状に設計したクランクが必要です。趣味の自作パワーメーターという観点では、適当にクランクにひずみゲージを貼っても、そこそこ5ー10%程度のトルク精度は普通にでてくると思います。パワー自体が力x速度なので、力と速度のばらつきに積分誤差まで含む量なので、精度的には、力学量よりは出ないはずですので、どの程度で自分は満足できるか次第です。私は、自分で踏んでみて自作パワーメーターの値と体感が一致すればいいと思います。現在パワータップを使っていても、反応が1-2秒遅れる点が嫌で自作パワーメーターで左右別のパワーを瞬時に表示させるシステムを作ってます。

【パワーメーター2018】InfoCrankパワーメーターの高精度設計考察<私の感覚に近い>

究極のクランク型パワーメーターINFOCRANKをご寄贈いただきました。2020年10月以降
実験解析させていただきます。楽しみにしてます。

【パワーメーター】InfoCrankセット御寄贈いただきました<I様に感謝>

【3月9日】パワーメーター自作<NucleoとLT1167で基板組んだ>

●最大の課題は、実装システム技術です。
ひずみゲージは貼れるのですが、ひずみアンプとCPUと無線モジュールを
実装するのが超大変です。プロならいざしらず、素人で、多層集積基盤を設計試作したり、CHIPを実装するのは難易度が高いです。自作でかかるコストを考えると10万円でも製品を買ったほうがTCOは安いです。

私の場合は、クランク式パワーメーターは、計測システム用なのでサイクリングで使うためのものでなく主にローラー台での実験用です。
パワーメーターの本命は、シートチューブ型パワーメーターです。これができれば、自作しやすくて、安くて小さくて実用的な方式となります。ポテンシャルがあるので企業からも注目をいただいております。
クランク式は多分力化して、ペダリング運動解析用に発展させていきますので、基板システムも大がかりになるので、今よりも一層実用的でなく実験計測システムとなります。

 

 

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